第200話 下準備
祝! 二百話!!
まぁ特に何もないんですがね。
「……本当に空を飛んでいるわ」
「うわぁ……うわぁ……」
「 」
飛空艇としては、ちょっと浮かせた程度。操縦室から見える景色も草原の緑がほとんどで、わずかに空の青が見え始めたぐらい。
それでも上昇したことで感じたGや浮遊感、それに草を食んでいるウージィ達がいる盆地のその先まで見通せるようになった視界。それら全てが、空を飛んだことを実感させていた。
「どうよ? これで、この船が飛空艇だと納得しただろ?」
「そう……ね……」
「ふわぁ……ふわぁ……」
「……」
「ついでにグルっと一周してみるか?」
「いいわね。じゃあウージィ達の周りをグルっと回って見せて頂戴」
「よし! 任せとけ!」
クレアのリクエストに応えるよう、群れの外周に沿って一周して見せる。躁舵輪は握っているが、実際動かしているのは船視点側だからな。それぐらいは楽勝だ。
「あの……」
「ん? どうした? ちょっと高く上がり過ぎたかな?」
「あ、それもあるんですけど……それより、なんか視界がおかしいんですけど……」
「視界?」
「えーっとですね。外の景色が良く分かると言いますか……なんだか自分が外に放り出されたような、そんな感じです」
「うーん……」
それって船視点がアレク君にも視えているって事か? となると、躁舵輪に触っていれば船視点を体感できるのか? あるいは俺と一緒に握っているからなのか? ま、考えてても答えは出ないか。試してみれば分かる訳だしな。
で、結論としては、ただ躁舵輪を握っただけではダメで、俺またはシャーロットが操縦していないと視界の共有はされないようだ。まぁこれが分かったところで、何の役に立つかは謎だけどな。
船視点を視たいだけなら見張り台に行けばいいだけだし、共有できたところで操縦までは出来ない訳だし、逆になんで出来るのか聞きたいぐらいだ。
さて、飛空艇のお披露目も済んだ事だし、例の作戦を実行してみるかね。とりあえず、馬と幌馬車が丘の上で寂しそうにポツンとしているので、ソイツの回収からか。
馬車の傍まで飛空艇を近づけると、アンカーで固定しておく。うっかり強風に吹かれて、飛空艇が馬車をバラバラしたら不味いからな。
固定が完了したところで、四人を引き連れカーゴルームへ移動する。下層へはロックを解除したエレベーターで移動した。
『MP2を消費して「機能:搬入口/前面」を解放しますか? MP50/50』
YESを押すと鳥居の脇にあったボタンらしきものにランプが灯る。多分ここを押せば開くって事か。
「この部分が開くはずだから、落ちたり手を挟んだりしないように、注意しててくれ」
全員が頷いたのを確認してからポチっとな。すると音もなく搬入口がそのまま倒れるように外に向かって開き始める。丁度フェリーが車を乗せるときに開いてくるアレみたいだな。
無事開き切ると、今度は全員で馬車を飛空艇の中へ入れる。馬がもっとビビるかと思ったけど、わりかし平気で入って来たのは嬉しい誤算だった。昨夜の様子じゃもっと臆病なイメージがあったんだけどな。
まぁ嫌がられるよりかはマシか。馬を軛(馬車と馬を繋いでるヤツ)から解放し、幌馬車は動いたりしないよう固定しておく。
馬車にあったロープで船体に縛っておけばいいかと思ってたら、ちゃんと固定用のフックが機能として開放可能らしいので、遠慮なく使うことにした。MP1だったしね。
馬はこれからの事を考えると、カーゴルームに繋いでおくと危険そうなので、倉庫・小に入っててもらうことにした。丁度部屋のサイズも馬房っぽいしね。
ただ、残念ながら寝藁はないので、その辺は我慢してほしい。その分、水と餌はたっぷり用意しておくからな。
下準備はこんな所か? いや、もう一つやっておくことがあったんだった。光学迷彩の一覧を呼び出すと、透明(MP5)と砦(MP5)を開放すると、カモフラージュを透明にセットしておいた。
〇蟲モドキだと言うギガントボウラー(ダンゴムシ、MP10)も気になったけど、まぁそのうちだな。MPに余裕があるとはいえ、必要ないものまで開放することもないだろう。開放にMP1000も必要なのもあるんで、スキルアップの為にコンプリートする気も起きないし。
よし、これで例の作戦を実行できる。丈夫なロープは馬車にあったのを使えばいい。ソイツをアレク君にお願いしてちょっと大きめの輪っかにしてもらう。まぁ例えは悪いが首吊り用の輪っかだな。
コイツをこの前解放したクレーンのフックに通せば……よし完成だな。あとは上手く行くことを祈ろう。
前書きにも書きましたが、今話でとうとう二百話になりました。
ユニークアクセスも二万人を突破しました。
これからもボチボチと頑張っていきますので、よろしくお付き合い下さい。




