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第20話 冒険者ギルド

 串焼き屋を後にした俺は次の場所へ向かって歩き出す。そう、身分証を手に入れるため冒険者ギルドへ行くのだ。

 串焼き屋のおっちゃんの話によると、俺みたいな風来坊には冒険者ギルドでギルド証をもらうのが手っ取り早く身分証が手に入るらしい。商人ギルドのギルド証や市民証は信用や時間がかかるそうだ。ただ、きつい汚い危険の3Kな仕事が多いので、よく依頼は確認しろよ、と忠告された。


 大通りに戻りギルドに向かう。次第に行き交う人の姿に皮鎧を着た人が混じるようになる。鎧とかファンタジーっぽいなぁと眺めてるうちに、冒険者ギルドにたどり着いた。

 冒険者ギルドの建物は3階建ての石造りで周りの建物が2階建てまでの為、わかりやすかった。てか、おっちゃんの説明も「大通りの3階建ての建物だ」としかなかった。


 扉を開け中に入る。人は・・・全然いない。3つある受付の窓口も女性一人しか座っていない。丁度暇な時間帯のようだ。よくあるテンプレで先輩冒険者に絡まれるのがあるけど、どうやら回避できそうだ。


「こんにちは。冒険者ギルドに入りたいんですけど」

「あ、新規登録の方ですね。銀貨1枚が必要です。あ、はい。では、こちらの用紙に必要事項を記入してください。代筆は必要ですか?」


 代筆は断り、渡された紙を眺める。わら半紙に名前、年齢、出身地、LV、職業、スキルを書く欄がある。手書きのようだが、印刷技術は発達していないのだろうか。活版印刷を教えてみたい。

 スキルは自己申告でいいらしい。よくある「鑑定」スキルは持っている人が少なく、この町には一人しかおらず、鑑定屋をやっているそうな。


 さて、記入するか。おお、羽ペンだよ。使えるかな?使えませんでした。受付嬢に代筆を頼む。ちょっとあきれられた。活版印刷よりも鉛筆が先だな。でも彼女は万年筆で書いていた。盗難防止?


 名前と年齢はそのまんま。20歳だといったら、驚かれた位か。出身地は地球にしたけど、特に怪しまれなかった。そういう町があると思われたのかな。LVは1だと正直に申告したら珍獣を見たかのような表情を浮かべられた。この年齢でLV1は一般的でないようだ。職業は無し。元農民などもいるらしく、無職でも問題なかった。スキルは無しにした。飛空艇召喚は言えないし、言語理解も申告するまでもない。


 「ソロバン3級です」といったら、「ソロバン?なんですかソレ」とにべもなかった。算術スキルの一つだと思うんだけどな。まぁ俺の場合、ソロバン自体がないとダメなタイプで暗算はサッパリだったから。書類仕事を回されても困るんだけどね。そのうち作ってみるかな。


 書類が書き終わったら、水晶玉に手をのせて終了だ。例の犯罪歴のわかる玉かな。と思ったら違うようだ。水晶玉から金属片が二つでてきた。


「ああ、これですか。登録用の水晶玉ですよ。触った人の魔力パターンをコピーした金属片を吐き出す魔道具なんです。これにこうしてっと。はい、ショータ様。登録完了しました。こちらがギルド証になります。ギルドランクなどの説明は必要ですか?」


 2つ出てきたうちの1つを渡された。ドッグタグみたいだな。もう一つはギルドに保管して万が一の時の本人確認用にするそうだ。よくよく考えたら、LV1で無職でスキル無しな俺。よく断られなかったな。


 さて受付嬢のギルド解説によれば、ギルドランクは星1からスタートで星10が最高位。ただ10まで上り詰めた人はいないらしい。なんでそんなの設定したのかが疑問だ。星9すら過去に1人いただけだってさ。ランクは実力+信頼度で決まるらしく、実力があっても失敗が多かったり、態度が悪いとランクは上がらない。

 そしてランクによって受注できる依頼は決まってて、自分のランク+1までが受注可能。ただし常設依頼はランクに関係なく受注できる。というか、メインの依頼のついでにこなすパターンが多い。


 ギルド証は紛失すると、再発行に金貨1枚つまり銀貨100枚。高い。むしろ新規登録の方が安いんです、は受付嬢談。銀貨10枚で大銀貨1枚に、大銀貨10枚で金貨1枚になる。ついでに聞いといた。じゃあ魔銀貨って何よ?魔族の国の銀貨だってさ。質がいいんで大銀貨1枚相当になるみたい。あの行き倒れ。魔族だったのか。


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