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第13話 塩

(とりあえず強くなるまでは、大っぴらに使わない位か)


 身の安全の確保方法を棚上げにしたまま、外に出る。

 すっかり夜が明けた塩の平原は今日も白い。


 真っ白な塩の平原は相変わらず食べ物がないようだ。

 だが、食料を手に入れた時、きっと役に立つアレを手に入れるために外に出たのだ。


 などと勿体ぶってみたが、何のことはない。塩を手に入れるためだ。

 だが、これが意外と難しい。


 表面は砂っぽくサラサラしてるから一掴みぐらいは簡単に確保できる。

 しかしある程度使う量、つまりキロ単位となると少々手間だ。


 真っ平でひび割れてもいる塩の平原だが、岩のように塊になってはいない。

 それでも少しはあるだろうと、ウロウロしてみる。


「お、あった」


 やっと見つけた塊はボーリングサイズ。

 ついでに近くにあった握りこぶしぐらいの岩塩もポケットにいれ、ダンデライオン号へと戻ろうとする。


「あれ? どこいった?」


 いや、なんとなくこの辺にいるってのはわかる。

 わかるけどなんかぼやけてる。


 てっきり船体が白色だから、塩の白に同化したのかと思ったけど、ちょっと違う気がする。

 いるんだけど気にならない……そんな感じだ。


(これは……何らかの力が働いているのか?)


 岩塩を抱えたまま、船の方へ近づいていく。

 すると突然船の存在がはっきりと認識できた。


 やっと着けたという安堵感と、なんなんだこれは? という不信感が同時に沸く。


『現在「機能:認識阻害LV1」が展開中です。展開を解除しますか?』


 おお、そんな機能がついてたのか。

 でも、解除すると外敵が寄ってきそうだからNOで。

 って、船長の俺まで阻害されるの?


『MP1を消費して「機能:認識阻害LV1」の効果から「ショータ」を除外しますか? MP10/10』


 またMPか! 終いには、課金船ダンデライオン号とよぶぞ!?


 いや、無一文の俺にとって、使うあてもなく自然回復するMPで支払えるんだ。

 ありがたく思おう。


 そう思い直し、俺はNOを選択する。

 なお、両手が塞がっててもNOを選択する! と強く思えば押さなくてもいいようだ。

 まぁ、YESだったら岩塩置いてでも押してたがな。


 そのまま厨房に岩塩を持っていき、厨房に入り包丁の柄で岩塩を細かく砕いていく。

 ボーリングサイズの岩塩を砕ききり、入れ物を探す。

 拳大の岩塩は別の目的があるので、そのままポケットに入れておく。


「入れ物、入れ物っと……」


 棚をあされば、さすが厨房だ。

 その手の入れ物は山ほどあった。


 皿、鍋、瓶、ボウル、タッパー……タッパー? 中世ファンタジーにタッパー?


 ……考えたら負けな気がしてきた。

 大き目のかめが見つかったので、その中に砕いた塩を入れていく。

 ようやく入れ終わり、ふと気が付く。


 ボウルか甕もってけばサラサラ塩かき集めるだけでよかったんじゃね? と。

18/01/05

諸々修正。

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