表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/1407

第105話 ロック

「じゃあショータはアレク達の部屋を用意してやってくれ。私は食事を先に済ませるように伝えておこう」

「わかった」


 といっても、居室は五部屋とも開放済みだから用意する必要もないけどね。とりあえず部屋の様子を確認してみたけど、特におかしい所はなさそうだし。

 

 あ、そういや操縦室や厨房・機関部等は、この世界ではあり得ないモノじゃないのばかりだな。

 いくら魔道具ですと言い張ってるとは言え、不自然なものだってある。まぁ、そんな時はいつものパターンにすがるしかないだろう。


『MP2を消費し「機能:ロック」を開放しますか? MP45/45』


 ロック、つまり施錠機能か。確かにこの機能があれば、操縦室や厨房・機関部等に立入れなくなるだろう。

 さすがダンデライオン号様だ。的確な機能を提示してくれる。どっかの青いタヌキよりも遥かに有能な気がする。MPも増えたことだし、どんどん機能や区画は開放していこう。


 いつものようにムニョっとYESを押す。そういやこのムニョっと感は魔力が使われているって事だよな?

 つまり機能の開放も魔法の一種と考えてもいいはずだ。そう、俺は異世界初日からダンジョンアタックに加え、魔法まで使っていたって事になる。俺すげぇな……うん、わかってる。でも、たまには自分を褒めてやらないとね。


 思考が逸れたな。さっさとロックしていこう。まずは一番不自然な操縦室をロックするか。


『現在「区画:操縦室」は開放中です。ロックしますか?』


 どうやらMPは要求されないようだ。ありがたいと思いながらYES。するとガチャっと重い感じの音が鳴り、操縦室へのドアが開かなくなる。


『現在「区画:操縦室」はロック中です。開放しますか?』


 ついでにウィンドウも切り替わった。開放にもMPはいらないようなので、他の区画もロックしていこう。


 厨房OK。下層への階段OK。上層への階段……はロックしないでおくか。風呂は見られるとマズい様な気もするが、そこは何とか誤魔化そう。

 工房はしなくてもいいな。どうせ作業台しかないし。あとは……そうだ、展望デッキはしておこう。上層へエレベーターで移動する。ってエレベーターもマズいな。ロックできるのか?


『現在「機能:エレベーター」は開放中です。ロックしますか?』


 おお、機能までロックできるのか。さすが消費MP2と、ちょっと割高感のあった機能だ。よし、エレベーターもロックっと。

 あ、トイレはどうすっか。あれこそ不自然の塊のような気もするけど……いいや、ロックしない。風呂とトイレと寝る所は妥協しない男なのだ。


 さて、ロックしないとマズそうなところは、全部見回れたかな? まぁ見つかったら、その時はその時で考えよう。そういえば、アレク君達はどうなったかな?




 再び外に出れば、アレク君達は食事の準備中のようだ。どうやらメニューはコッコゥの丸焼きらしい。

 アレク君が焚火の前でじっくりと焼いている。クレアちゃんはサラダ代わりに食べられる野草を毟っているし、ベルは食器を並べていた。


 シャーロットはどうしてるのかといえば、彼女はアレク君の横でカリカリ揚げを作っているところだけど、アレク君が横で微妙な顔をしているぞ?

  あの顔は「この人を師匠にして大丈夫か?」って不安なのと、「いや! ボクには考えが及ばない深ーい理由が有るに違いない」とがせめぎ合ってる顔だな。多分ヤツは食い気だけで動いてると思うぞ?


 そんなアレク君など気にも留めず、シャーロットは――多分巾着袋から取り出したであろう――フライパンでコッコゥの皮を炒めている。って、あのフライパン、厨房にあったヤツじゃね? いつの間に持ち出したんだ?


 シャーロットも俺の視線に気が付いたようだ。が、そのまま明後日の方向に目を逸らした。

 まぁいい。今はアレク君達もいるからな。彼らに免じて今のところは勘弁してやろう。

 だが、後でキチンと返してもらうからな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ