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名も無き世界 異世界編  作者: 有加田 慧条
そして物語が始まる
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『雷剣』

休みだったので書き上げました。

あ、あと彼が登場しますよ。

男か女かは置いといて……ね。

エルミアの露店から離れた場所で、ソフィアはお人よしのスキルを持っていた青年に、街中の主な建物について教わっていた。


「えーと、地図はないけど、軽くなら教えてあげられるよ」

「お願いします」


青年は、高くそびえる城を指さしながら話し始めた。


「うん。まずはあれが王城。国王をはじめとする人たちが住んでいるんだ」


(王城ってことは、血筋が国を治めてるってことか)

ふむふむとうなずきながら、続きを促すソフィア。


「それに、この大通りを歩いてると右にあるんだけど、冒険者ギルドとかが集まった大きな広場。隣に王城があるんだ」


(冒険者ギルド!!)

異世界ファンタジーの醍醐味の一つに、ソフィアの目が輝きを放つ。


「後は、外から来たんだったら知ってると思うけど、丸く城壁に囲まれたこの街は、東西南北に門があってそこから大きな道が十字に走ってる。他にも細道はあるけど、あまり入らない方がいいよ。主なことはは大体大通りで済むし」

「分かりました。気を付けます」


そわそわと、冒険者ギルドに行きたい!という気持ちを全身で表しているソフィアは、すぐに青年との話を終えた。


(さてと、冒険者ギルドへ移動しながら考えよう……。まず、消費したスキルポイントと効果の凄さは一致しない。観察のスキルがあまりにも便利すぎる。他には、私のステータスは並の人よりも高い。いくら何でも五m飛べる人物が普通ではないはず)


考え事をしながら歩いていたソフィアは、いつの間にか大通りの交差点に出ていた。

あたりを見回すと、青年が言ったとおり、通りを数本はさんで城がそびえ建っていた。

注意深く観察したソフィアは、いかにもファンタジーな城ではあるが、基本は煉瓦かなにかを重ねて出来ているようだと看破した。


広場の真ん中には、勇者らしき人物の大きな像があった。

しかし大して興味をそそるものではなかったためスルーした。

それはもう、勇者や像を作った人が泣き崩れるんじゃないかというほどにあっさりと。


外側の店を歩きながら、何屋かを推測する。


「えっと、これは武器屋、これは防具屋かな?食事処が七、八、九件に、宿屋……が三件に、おおっ!あれはポーション!!道具屋か!!」


いかにもファンタジーなアイテムショップを眺めながら、しかし中に入るのはやめておいた。

どう考えても散財してしまうのがオチだからと考えたからだ。


「うん、これだ!!」


少ししてから、ソフィアは冒険者ギルドを発見した。

喜び勇んで入ろうとすると、扉から出てきてすれ違った相手が、一瞬驚いたかのように目を張った。


不思議に思い、観察のスキルを使った彼女は、驚くべきものを目にした。


名前 ―――――――


特殊スキル  不明


才能スキル  不明


技能スキル  不明 



「…………」


「おい、いくら珍しいからと言って初対面の、しかも敵意のない人物に観察スキルを使うのはマナー違反だぜ」


呆然としていたソフィアに、その人物が話しかけてきた。

男にも見えるし、女にも見える。

一体何者なのか。


「ああ、初めて渡界者に会うのか。そりゃあそうだな、ついさっき送られてきたのって、お前だろ?」

「……あなたは誰」

「俺か?そうだな、『雷剣』と呼んでくれ。それとも本名を明かそうか?」


警戒心全開で無言のソフィアに、歩き始めながら飄々と答える雷剣。

いよいよすれ違ったと思ったその時雷剣は立ち止まり、一つの助言をした。


「あー、兵士から逃げて来たんだろ?だとしたら注意しな。お前の人相が割れてるんだったら、特殊部隊が追って来たりしかねないぞ。一応勇者サマ御一行の一員なんだからな」


「なっ……!!」


今度こそ本気で驚かされ、慌てて振り向くとそこには雷剣はいなかった、――――ということはなく、普通に歩いて人ごみに紛れていった。


「一体何だったのか……」


その背中に声をかけることもできずに立ち止まっていたソフィアは、誰かにぶつかられて正気に戻った。


「あ、あの……、すみません!」


どうやらぶつかってきたのはソフィアと同じくらいの身長の少女だったようだ。

ぶつかった後も三秒ほど何も言わなかったために、怒っていると勘違いしたのか、少女はさらに謝ってきた。


「ご、ごめんなさい!!しっかり前を見ていなくて!!」

「う、ううん、私もボーっとしてたから。あなたこそ大丈夫?」

「は、はい!あ、えーと、もしかして、これからギルド証を発行しに行くところですか?」


どうやらまたしても勘違いしたらしい少女を見て、ソフィアは便乗することにした。


「ええ、そうよ。だけど、つい最近この街に来たばっかりで。もしかしてあなたも発行してもらうところなの?」


さりげなく嘘の上手いソフィアであった。


「はい、そうなんです!よろしければ、一緒に作りませんか!?」


少女はその言葉を疑うことなく受け入れたようで、わずかにソフィアの良心が傷んだ。


「うーん、いいよ。いろいろ教えてほしいこともあるし、どうしたらいいのか困ってたんだ。私の名前はソフィア。よろしくね」


「はい!私はユキです!!」


こうしてソフィアは、ユキと一緒にギルド証を作ることになったのだった。


そう、前作の主人公です!!

キャラが微妙に変わっていて、少し中二度が増しているかもしれない原因は、もっと後の話で理解できるかと思います。



……自分の語学力が不安で、伝わってるか分からないので書いときます。

『雷剣』が前作の主人公です。

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