確認
なんだか短い話を週二回投稿になりそうです。
大体千六百文字前後が二つで、合計三千文字かな……。
二時間分後、ソフィアは市場で、観察スキルを使って得た成果を復唱していた。
名前 ―――――――
技能スキル
(3)
商人の心得Lv2
交渉術Lv2
人脈Lv2
名前 ―――――――
技能スキル
(4)
交渉術Lv1
人脈Lv2
酒飲みLv1
面の皮Lv2
名前 ―――――――
技能スキル
(4)
商人の心得Lv2
交渉術Lv1
目利きLv2
人脈Lv2
名前 ―――――――
技能スキル
(3)
剣術Lv2
片手剣術Lv2
剥ぎ取り術Lv2
名前 ―――――――
技能スキル
(3)
建築術Lv2
筋力強化Lv2
人脈Lv2
「ふむふむ、魔術師は少なくて、剣士約十人に対して一人、年季が入った人物ほどスキルLvは高い。
ただしLv3の人はほとんどいない、スキル枠はふつう3から4、名前は多分知らないと表示されない。
特殊スキル持ちは約三百人中ゼロ人、才能スキル持ちは五十人に一人、大体スキルポイントの消費が少なかったやつのみ。いやー、恵まれてるね、私」
(……それに暗殺者らしき人物が二人組ツーセット)
想像していたことが現実になって、軽く舌打ちをしたい気分だったが、それはやめておいた。
なぜなら、今ソフィアは看板ならぬショーウインドーの中の人形扱いにされているからだ。
こっそり横目を使って、自分を雇ってくれた商人を見る。
エルミア 職業 服商人 年齢 二十七歳
技能スキル
(4)
商人の心得Lv2
交渉上手Lv1
服製作Lv2
善人Lv1
どうやら、年齢や職業といった詳細な情報は、知ったものから追加されていくようだ。
二時間前、エルミアを観察したソフィアは交渉を持ち掛けた。
二時間の間自分があなたの服を着て宣伝するから、三十ロラルくださいと。
エルミアは少し悩んだ後、了承してくれた。
ちなみに、百ロラルで、大体一日、中級の宿に泊まって三食スープとパンともう一品が食べられる額だ。
三十ロラルなら、一日パンとスープを三回食べられる。
全てに共通するわけではないようだが、一ロラル十円換算でいいようだ。
ソフィアは、エルミアが善人というスキルを持っているから持ち掛けたものだったが、これは今から思うとエルミアの取り分があまりにも大すぎたと考えていた。
なぜなら、ソフィアの可愛らしさの中にある凛とした美しさを(エルミア談)最高に引き出す服装を着せたことによって反則級の威力(これもエルミア談)となったため、先ほどから何十人もの女性がエルミアの露店に殺到していたからだ。
観察を使い続けながら、この世界の平均を知り始めていたソフィアに、エルミアが声をかけた。
「そろそろ時間ね。ほら、約束の代金」
そう言ってソフィアに渡した巾着袋には、銅貨一枚が入っていた。
この世界の通貨は、半鉄貨一ロラル、鉄貨幣十ロラル、半銅貨五十ロラル、銅貨幣百ロラル、半銀貨五百ロラル、銀貨一万ロラル。そして金貨百万ロラル。
硬貨の形は魔法で固定されていて、溶かして金属にしようとするとそれ以上の金、でなくロラルがかかるらしい。
ちなみに、金貨は大きな銀行や大手の商人が使うだけだそうだ。
「え、こんなにもらえません」
「いいのよ、この二時間だけで、もっと稼げたし。ああ、それと、ここにある服の中から好きなやつを、五つ……かな。持って行っていいよ」
「あ、ありがとうございます!!」
異世界でも良い人はいるんだなと、この世界に対する警戒心を僅かに緩めたソフィアであった。
巾着袋は一旦ポーチに入れておいて、幾つかの服を候補に入れ始める。
実はソフィアは、百ロラルでも三十ロラルでもよかったのである。ポーチの中に入っていた巾着には、金貨が三枚、銀貨が五十枚入っていたからだ。金貨一枚でも、一年は何もせずに暮らせるだけの金になる。
ちなみに、通貨に全言語理解が効かず時間に効いているのは多分、日本の単位と大きく違っているからだと考えていた。
「じゃあ、この上着と、ズボンと、シャツと、スカートと、リストバンドをいただいて行きます」
「うん、いいよいいよ。宣伝してくれたら、また雇えるからね。いつもここに露店を開いてるから忘れないでよ!」
選んだ服は、どこにでもあるものよりは少しは派手だが、それでも普通に人ごみに紛れ込める服ばかりだ。
上着にはフードがついていて顔を隠せるもので、リストバンドは単なる趣味である。
「いつでも来てね!」
「分かりました!ありがとうございました!!」
さっそく上着を羽織り、ソフィアは人ごみに紛れた。
短い話を週二回(日曜から火曜で一つ、それ以外でもう一つ)投稿か、一つに纏めてしまうか。
こうしたらいいと思うという意見を募集します!
お願いします!!