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名も無き世界 異世界編  作者: 有加田 慧条
奪われるという事
24/26

神の力と『クローン』

今回はかなり暗い話があります。

気を悪くされたら、すみません。

半透明と言うよりも透明であるそれは、ソフィアの持つ『神話召喚』のスキルを使った技である。

即席で作られたとはいえ、その効果は折り紙つきだ。

北欧神話の主神オーディーンを喰らい殺したフェンリル。

その咢のみを召喚したのだ。

闘争の神話の主神。それほどの人物でも死んだ一撃を、ただの生き物が喰らえば死は免れない。確殺の魔法。そう呼ぶにふさわしいのである。


喰われた方のローブは、全身を震わせ、真っ二つになった。


「攻撃。『嘲笑する大鬼』『炸裂する破城鎚』」


魔方陣から巨大な黒い腕があらわれ、ソフィアを殴りつけようと、その手に持っている棍棒を振り下ろす。巨大なバスほどもあるその棍棒には、いくつかの骨が突き刺さっている。これまでに殺されてきた哀れな犠牲者のものだ。

さらに、その棍棒にも勝る大きさの城門を破壊する兵器が現れる。何処か寸法を間違えたようなそれは、爆発して炎の付いた木片をばらまいた。


棍棒で殴られれば死に、回避しても木片が突き刺さり、付着している炎に体を中から焼かれる。


回避しようのない死に、しかしソフィアはその無表情を変えなかった。


「『ポセイドンの三叉矛』」


ソフィアの手元に、三メートルはある巨大な三叉矛が現れると同時に、大きく振り回す。

それはギリシャ神話における海の神の武器。これを大地に突き刺すことで海水がこんこんと湧き出る泉を作り出したこともある、一級品のマジックアイテムである。

その先端から海水が噴き出て、その先にある物ほぼ全てを断ち切った。

黒い腕が両断され、地面に落ちる。


さらにもう一度振ると、今度は広範囲に勢いよく噴出した。

それにより、木片が勢いを失い、炎が掻き消える。


「『フギン、ムニン』」


一瞬水蒸気で視界が薄れるも、その中から二羽の鳥が飛び出す。

北欧神話における主神の飼っている鷹であり、主神の魂の一部とも言われている。

夕食の時刻に主神に、下界で何が起こっていたのかを話す役割を持った、目のような存在である。

二、三度と辺りを旋回し、ユキを抱えて逃げるローブを見つけ、後を追った。


全く無表情のままのソフィアは、ローブの死体の装備をはぎ取る。


予想通り、その姿はほとんどユキと同じだった。



腐敗した国家において、軍隊の生産はかなり重要な義務だ。

しかし、兵士クラスは徴兵で、あるいは孤児を使うことでどうにかなるだろう。

ただ、指揮官や、あるいは特殊部隊のメンバーともなると、相当な実力を持った人物でなくてはならない。そんな人物は、そう簡単に手に入るものではない。

そこで考えられたのが、『クローン』である。

素体となるある程度強力な生き物を見つけて、魔法でその体を弄繰り回す。

そうすることで、大量の実力者が手に入るのである。

しかもクローンでできた兵士は赤ん坊である。

思想をコントロールするための教育をすれば、狂信的なまでの忠誠心を植え付けることができる。

素体となった人物の脳は壊れるか、あるいは簡単なことしかでき無くなるが、それを指導している人物たちにしてみれば知った事ではなかった。

優良な力さえ持っていれば、十分だったのである。


しかしもちろん、そのような非人道的な計画は、他国に気づかれてしまうと非難を浴びる。

もっと言えば、技術を公開しろと言うことだ。

そのために、聖女・・は王都に、特別な研究施設を作った。

そこで生産される兵士は、その国の大きな戦力となった。


そんな効率のいい作り方をしていた研究施設から、一人の少女が脱出した。

地理や魔法についてなどの知識を一通り入れた後、思想教育を施す前に逃げられたため、聖女は直ちに捕まえるように命じた。

そしてどうやって逃げ出したかを調べた。


結果、少女の素体となった女が、彼女を抱えて逃げたということが分かった。

頭の中を精査した結果、冒険者ギルドに身を寄せるように教えたことがわかり、直ちに追わせた。


少女を見つけ、さらにもう一人の、強力な力を持った少女が隣にいると知った間者は、その事実を伝えた。

聖女は、その少女をとらえるよりも、逃げ出した方の少女をとらえるようにと命じた。


追跡部隊として編成されたのが、逃げ出した、『ユキ』と名乗っている少女と同じ素体から作り出した二人である。

経験を積ませるために選んだのである。

流石に街中で殺すわけにもいかないため、他の『クローン』も含めた複数の部隊に追わせながら泳がせた。

少女たちが森の中に入っていくところを見た二人組は、出てくるところを襲うために待ち伏せていたのである。


襲撃した結果を伝える暇もなく、一人が死んだもののどうにか『ユキ』を捕まえて、近くにあった帝国と協定を結んでいる山賊の元へ移動した。


そこで見た光景は、あまりにも酷い物だった。


しかし、特殊部隊の一員がその程度で動揺するはずもない。

すぐさま頭と会うべく、移動を開始した。

来週はテスト真っ最中なので更新できるか分かりません。

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