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名も無き世界 異世界編  作者: 有加田 慧条
『雷剣』蠢動
20/26

『雷剣』と戦闘

久しぶりの更新ですみません。


「『一閃』!」


瞬間速度で言えば、剣の先端は音速の約三倍。


C級であっても致命打となりうるこの居合い抜きは、真後ろから放たれた。


下っ端盗賊に変装し、完璧な演技で頭に疑問すら抱かせなかった『雷剣』は、

しかし、この技が避けられることが分かっていた。

この頭は、B級の上位。つまり勇者や英雄とも並ぶであろう、大人物なのだ。


事前に調べ上げた情報からは、あまり大したことは分からなかったが、C級を抱える山賊の頭としてふさわしい実力を備え持っているのは間違いない。


そして、僅かに掠っただけの剣戟は、無意味に空を切った。


「ここは、早々にカタをつけるに限るからな。足を止めるから一撃で頼む」

「分かった。しかし、奥の手を使われれば相当に厄介なことになるでござろう?」

「まあ、そこはスピードアタッカー二人で瞬間的に撃破すれば、問題ないだろ

あ、あとは、できることなら殺さないでくれ。重要な情報を知ってるはずだからな」

「無茶な注文を……」



だからこそ。

B級にふさわしい実力を持っているからこそ、頭は奥の手を出すことに何のためらいもなかった。

不意打ちとはいえ掠ったこの剣技は、とても舐めて掛かって良いものではない。

さらに、あたりには侍がいる可能性が大きい。

正直、幹部クラスでも殆どが、自分よりも大きく劣った力しか持っていないからだ。

仮に二手に分かれて戦っていても、他のメンバーでは足止めにすらならないだろう。

そう考えた。


「『剛力無双』!!」


一時的に筋力を数十倍に引き上げる。

この技は持続時間と効果が反比例であり、今回頭は三十分闘える状態にした。

ただし、それでも岩をも砕くなどと言う範囲では収まらないが。

更には防御力すらも跳ね上がり、騎士の突きを指一本で受け止めたこともあるほどだ。


「んん?奥の手が契約術式じゃないってことは、あれは提供されたものだったのか?」


余裕をかます『雷剣』を相手に、飛びかかり一気に殺そうとする。


しかし、速い。

奥の手を使った頭の、その数倍の速さで攪乱する。


左腕の拳を叩き込むが、するりと左へかわされる。

そのままなぎ払うように肘を打ち込むが、仰け反りで攻撃範囲から逃れられる。

左足で踏み込み、仰け反りから体勢を立て直そうとしている『雷剣』に、渾身の右ストレートを打つが、急に沈み込まれて外れる。

一撃一撃がドラゴンに脳震盪を起こさせるほどの威力があり、最後の右ストレートはドラゴンだろうがなんだろうが、当たれば一撃必殺である。

しかし、掠りすらしない状況に、頭は周りが少しずつ見えなくなっていく。

侍の危険度を、後回しにしてしまったのである。


業を煮やした頭は、地面を殴りつけた。

まるで漫画の一コマのように、一瞬地面が大きく揺れ、『雷剣』に大きな隙が生まれる。


ついでに地面に大きい罅が入り、殴ったところにいたっては、綺麗に拳のあとが残っている。


出来た大きい隙に、ショルダータックルをかまそうとした瞬間、無防備すぎる頭の腹に、

斬撃がぶち込まれた。


完全に気配をけし、二人の頭上で隙をうかがっていた二席の一撃である。

まるでそれが当然であるかのように吸い込まれる刀を、頭はただ見ていることしか出来なかった。

体を動かせないもっとも危険なタイミングを見事に突いた二席の、剣技の技術の完成度の高さが伺える。


臓器などの急所を突くこともできたが、手加減をして、心臓のほんの僅か手前で止めた。


「ぐおおっ!?」


よろめき、しかしまだ倒れない頭の顔に、


「『轟拳』!」


雷をまとった『雷剣』の拳が叩き込まれ、今度こそ頭は倒れた。


「救出対象の救出に成功、捕獲対象の捕縛完了、これにて任務達成っと」

「どうやってあの拳の連撃をかわしたのだ?あまりにも速過ぎたが」

「まあ、速さが専門な俺には、回避に徹すればさして難しくは無いな。もっとも、あのままだとジリ貧で、殺すしかなくなってたが」

「ふむ、流石でござる」

「それに、あいつにはまだ、さらに奥の手があったと思うぜ?出させずに捕まえた俺たちの完勝だな。後は、姫様に戦果報告をするから、場所を移動しようや」


確かに、と二席は辺りを見回す。

あたりには血や骨など、人体を構成する大体のものが剥き出しになっている。

この部屋の景色は、とても姫様に見せていいようなものではない。

『雷剣』は意外と気が利く人物であると、二席は思った。



「頭の捕縛に成功した。一応強かったが、筋力強化型だったから、捕まえとくのなら何とかなるよな?」

「また無茶……。物理攻撃無効化用の檻を作るのに、どれほどの金と時間がかかるのか、知っておるじゃろう」

「お前ならできる!ということで、転送するぞ」

「はぁ、ちょっと待っておれ。係りの者に伝えておく」


山賊のねぐらとなっていた鉱山から出てきた二人は、『雷剣』の持っていたマジックアイテムを使い、外部と連絡を取っていた。


どうやら相手は、彼の仕える国の人物のようで、詳しい話をした後、がんじがらめにしてある山賊の、頭とその他数名を転送しようとしているようだ。

これからは一週間に一度の更新になります。

よろしくお願いします!

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