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名も無き世界 異世界編  作者: 有加田 慧条
そして物語が始まる
2/26

それと、ある男

連続投稿なので短いです。

ごめんなさい!!

それ( ・  ・)は、彼が白い箱の中で行ったこと全てを見ていた。

特に女性化して元に戻れないことに気が付いた彼の表情は見ものだった。




そして


――――唐突に、何の前触れもなく、それ( ・  ・)の存在する空間に裂け目ができた。


「よお、異世界に面白い少年を送ったか?」


裂け目から現れた人物の前で、それ( ・  ・)は煙のようにぶれ、目の前の人物の形を取った。


「また相変わらず、英雄の気質を漁ってたのか?」


侵入者と全く同じ声がそれ( ・  ・)から発せられる。


「漁るとは失礼な。面白いやつの話を見るのは俺の生きがいだし、それに俺のいる世界に送ったろ?

こちとら忙しいんでね、問題を増やしてほしくないんだ」


二人の、姿だけは全く同じ人物の会話。彼女へと変えられた彼が見れば、さぞかし喜んだろう。


「その目、いっそ潰してやろうか?」


冗談とも、本気ともとれるその声に、おびえることもなく侵入者は答えた。


「ははっ、そんなことすれば、二つの世界の均衡が崩れるぞ?二つの〈地球〉を中心にそれぞれ広がる三十五の世界、お前の力で俺の目玉をつぶしたら亀裂が一体いくつ走るかな?」


豪快不遜かつ意味不明なその言い分に、それ( ・  ・)は答えた。


「それはこちらの望むところではないな。しかし、送ってしまったものは仕方がない。諦めてくれ」


ため息をつき、不遜な侵入者は裂け目へと戻る。


「分かったよ、同じことを知るときは声をかけろ。それで今回は許す」

「気を付けよう」


侵入者は返事を聞き届けると、その空間から裂け目を通って出ていった。

意味不明な単語の応酬の後、侵入者が去った空間で、それ|《 ・  ・》は再び元の姿に戻った。


彼女らは一体どのような物語を綴ってくれるのか。それ( ・  ・)は期待に胸を躍らせた。

次の投稿は日曜日か月曜日です!

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