北木 雫登場
もう一回!
そんなこんなでグタグダしている少し前……。
「異世界転生テンプレチートキタコレ乙ーーーーーーーーー!!」
真っ白な部屋で、北木 雫はハイテンションになっていた。
つい先ほどいじめられていたはずなのだが、そんな気配は微塵どころか全くの零だ。
「いぃやったっぁぁぁぁぁ!!遂に私の時代が来たぁぁぁ!!……、い、いや、あの人の方が私よりも上か……!!それもそうか、私とは次元が違う」
なぜか急に冷静になった雫は、自分を庇ってくれた人の事を思い出す。
彼は、転生系の話に関してはもはや並ぶ者はいないと言えるほどの人物だ。
まずは落ち着いて、今の状況の処理。その上で、自分のとるべき行動を決める
彼から聞いた転生時の行動のコツを思い出し、状況の判断をする。
「四枚のパネル、右上の……時計かな?言語がわからないし、ここはうかつには動けない。まずは文字の理解。これが時計かどうかの確認が優先かな」
彼と全く同じ思考で、時計を読み解く。
残り一時間半だと理解した雫は、思考を始める。
「これは制限時間か。つまり、ここはスキルか何かを得られる場所。言語取得系のスキルが必要になる」
ならばと必死に考え始め、最終的に
「言語系スキルを表示!!」
と叫んだのはそれから十五分ほど経ってからだった。
目の前に表示されたスキル項目から、雫は異世界で生きていくために必要なレベルを上回っているものを表示させ、その中から5000Pのスキルを取ったのだった。
北上 雫
特殊スキル 精霊契約
才能スキル
魔力超回復
契約強化
精霊魔術
精霊友好
ステータス強化Lv3
技能スキル
(8)
精霊術Lv1
交渉術Lv1
魔法術Lv1
解体術Lv1
移動速度上昇Lv1
観察Lv1
料理Lv1
治癒魔術Lv1
ステータス 筋力 103 (上限 267)
魔力 137 (上限 234)
知力 129 (上限 223)
霊力 209 (上限 372)
注:本来霊力は非表示ですが、あなたは精霊との契約が可能なので表示します。通常、一般人の霊力は有りません。精霊の使役力とその力の変換効率を示します。
「うーん、49309Pって少ないのかな?まあいいや。キャラ名とかはリアル基準でいいし、これで良しっと。何して待ってようかな」
雫は残っている時間を見て、特殊スキルの検証を行うことにした。
「えーっと、とりあえず、私と契約してry え……なんか出てきた」
例の魔法少女系定番の台詞(アレンジ付)を言い終えた瞬間、白い箱の中の空間が、よじれた。
目の前でその歪みは形を変えながら、少しずつ人の形をとっていく。
最後には、半透明の、真っ白な服をまとった小さな少女になった。
『ふぅ、こんにちわ。私は空間の精霊、エレナ。あなたが私を呼んだのよね?』
「私は雫。まさか本当に精霊が出てくるとは思わなかったけどね」
驚きながらも、見事な順応性を発揮して少女の質問に答える雫。
『へえ、何も知らずに私を呼んだわけ?驚いたわ』
「それはありがとう。で、契約か何かを結ぶのよね?何をすればいいの?」
『へ?それも知らないの?えっと、なんというか……その……』
頬を赤く染めながら、もじもじとする精霊の少女はかわいかったが、視界に入った時計の表示が十分を切っていたため、雫は少し焦りながら問い詰める。
「ねえ、あまり時間がないの。できれば早く言ってほしいんだけど」
『……キ、キスよ』
「え?……え!?」
雫は雫で、かなりの災難に見舞われることとなったのである。
北木雫はこの話の第二主人公です。
雫は、ソフィアの弟子みたいなものです。
異世界にもしも転移したら、などという議題が上るほどに長く話す間柄でしたが、あくまでも親友的な関係でした。




