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名も無き世界 異世界編  作者: 有加田 慧条
そして物語が始まる
1/26

始まる物語

よろしくお願いします!!

とある場所、とある時間、とある世界。


人の概念では神が最も近いその存在は、彼を見下ろしていた。

見下ろしていたというと正確ではなく、覗き見ていたの方が適切かもしれないが。

ともかく、それ( ・  ・)はいつものように、いじめというものを受けている者を庇っている彼を見ていた。

それ( ・  ・)にとって、人の生活とは娯楽であった。

故に、幾度となく誰かを異世界へと転生させたり、戦争を起こさせたりしていた。


そして、それ( ・  ・)は、彼を異世界へと送ることに決めた。

ついでに周りの、彼が庇っている少年と、その少年にいじめというものをしている者たちと一緒に。


その世界から彼の力で移動させられる35の世界の中で勇者を必要としている場所を探し、そして、何のためらいもなく、彼らを異世界へと送った。



「…………。ここは、どこだ?」


彼は、距離も何もわからない真っ白い箱の中のような場所にいた。

彼は、それ( ・  ・)のことなど知る由もないので、オタク仲間である隣の奴を庇った瞬間にどこかに送られたようにしか思えなかった。


「まずは、情報整理からか」


彼は、ある経緯から、突発的な事態に対してはかなり冷静に対応できる上に、異世界転生ものの読み物を大量に読み込んでいたため、今自分がどのような状況にあるか、薄々感づいていた。


もっとも、いじめをしている相手に対してはほとんど興味がなかったため、相手が短絡的だということを知ってからはほとんど相手にしていない事が原因でますますいじめが酷くなっていることに対しては、全く気が付いていなかったことを考えると、賢いとは言えないかもしれない。


「たぶん、異世界転生のチートがもらえるような状況なんだな?なら、これ( ・  ・)がそれなんだろうが……」


彼は、目の前に浮かんでいるように見える四つのパネルのようなものと、視界の右上にある五つの文字のような何かを観察した。


読めない文字で、少なくとも彼の知っている日本語を始めとする数か国語ではない。

これは異世界のものだと推測する。


彼には、まず右上の五つに見える文字は、時計に見えた。

一秒ごとに右端の文字が変わっているように見えるため、秒と分と時間を示しているようだと思った。


日本の時計表示に準じているとすると、右から二つ目の数字が、おそらく秒単位だろうとあてを付ける。


彼は、三分ほどかけて、0から9までの数字に対応する文字を見つけ、時刻は日本基準であることを知った。


「すると、後一時間四十分くらいか。で、この四枚のパネルは、定番スキル集か何かか……?メイジとか剣士とか――――ああ、そうか!」


ふと、考え込んでいた彼は叫び声をあげる。


「異世界言語理解が可能になるスキルを習得!」


その声が白い箱の中で響き終わると、彼の目の前に浮いていたパネルが時計らしきものを除き、すべて消える。

そののちに、一つのパネルが何もないはずの空間に浮かび上がる。


五つの文字列に、ボタンらしきものが一つから三つずつ付いている。


彼は文字列の中に、数字があることに気が付いた。


「一番上から……7500、2500、500、300、300か。ん?」


彼はパネルの右上にある数字の列に気が付いた。

54729と書かれているその数字を見て、一つの推測を口にする。


「もしかして、これはスキルポイントなのか?なら……、この中の上位互換を残して消せ」


彼の言葉で、一番上にあった7500のものだけ残し、すべてが消えた。


「なんだか高い気もするが……、やっぱり必要になりそうだな」


彼は少し悩んだものの、文字列の隣にあるボタンを押す。すると、三つのボタンが出現した。


「YESとNOと、残り一つはなんだ?」


彼はとりあえず、右側のボタンを押してみた。

すると、パネルの右上にあった数字が減り、彼は一瞬意識が飛んだような気がした。

頭を振り、パネルに向かい合うと、なんとそこにある文字列が理解できた。

日本語で読めるのではなく、簡単な英語の文章を翻訳しながら読んでいるような感じだったが、彼にとってはそれで十分だった。


「全言語理解、7500pを取得しました、ホームに移動しますか、か」


彼がホームに移動するのボタンを押すと、



47229p   名前 無し  エディット


特殊スキル  神話召喚


才能スキル 獲得済み 全言語理解  7500p


技能スキル 


ステータス 筋力  42 (上限  72)

      魔力 184 (上限 158)

      知力 124 (上限 119)


注:全ての技能が技能スキルとして表示されるとは限りません。ある程度の力を持っていることを保証する目安であって、スキルがなくともスキル所持者を超えた行動をすることは可能です。


注:ステータスはスキルによってのみ上限が上がります。鍛えることで伸びますが、上限までになると、一切上昇しなくなりますのでお気を付け下さい。


注:技能スキルは最大でLv3まで上昇しますが、才能スキルは上昇しません。


注:この部屋を出ると、原則スキルの再設定はできません。



「って、名無しだったのか……」


彼は名前の欄を触って自分の名前を入力しようとするが、何の反応もない。

そこで隣にあったエディットのボタンを押すと、今の自分の体形がホログラムのように浮かび上がった。

少しやせ気味で身少し長が低いだけの彼の体は、特に何の変哲もない一般高校生のそれだった。

無数にあるボタンを眺めていると、性別変換というボタンを見つけた。


「女性化か……。興味がないと言えば嘘になるが……。一回やってみるか」


そのボタンを押すと、彼の体が光り始めた


「いだだだだだだだああああ!!し、死ぬっ、いや死なないのかぐああああああ!!」


五分間かけて彼の体は彼の体は縮み、十歳くらいの少女のものになった。

痛みのあまり滝のように流れる汗をぬぐい、目線の位置に合わせてくれるパネルに感心しながらふと意識に入った時計を見ると、残り一時間を切っていた。


彼改め彼女は、慌ててスキルを探し始め、結果として、自分が少女の体であることを忘れてしまっていた。


残り五分の時点でスキルを選び終わると、彼女のステータスはこのようになっていた。


79p   名前 無し  エディット


特殊スキル  神話召喚


才能スキル  

       全言語理解      7500p

       知覚強化Lv3    10000p 

       スキル枠増加Lv3  12000p 

       ステータス強化Lv1  3000p

        超回復        10000p

     

未獲得    

       魔力強化Lv1     7500p  Lv2 +5000p   Lv3 +5000p

       知能強化Lv1     7500p  Lv2 +5000p   Lv3 +5000p

       筋力強化Lv1     7500p  Lv2 +5000p   Lv3 +5000p

       多重思考Lv1     7500p  Lv2 +5000p   Lv3 +5000p

       影の薄さLv1     1000p  Lv2 +1000p   Lv3 +1000p


技能スキル  

(9)

       片手剣術Lv1   1500p

       魔法術Lv1    1500p

       身体強化LV1    500p

       技巧強化Lv1   1000p

       接近格闘術Lv1  1000p

       観察Lv1     1000p

       体力増加Lv1    500p

       三次元立体移動Lv1 200p

       跳躍強化Lv1    200p


スキル枠増加 

(5)

       隠密Lv1    750p

       暗殺術Lv1  1000p  

       一閃Lv1   1000p  

       交渉術Lv1  1000p

       解体術Lv1   500p


未獲得    言語Lv1  2500p  Lv2 +3000 Lv3 +3500

       家事Lv1  2500p  Lv2 +3000 Lv3 +3500   


ステータススキル 筋力  82 (上限 172)

         魔力 184 (上限 258)

         知力 124 (上限 219)



ちなみにスキル取得時の三つめのボタンは保留であり、ホームに未獲得として移動できるものだった。

それを活用し、ほぼ無数の数のスキルの中から必要そうなものと興味のあるものを取り出し、取得した。


いくつかのスキルから暗殺者向けにも見えるが、これはいざというときに役に立ちそうだから取得したのであって、彼はあくまでも自分の自由に生きるつもりであった。


「もうそろそろ転移か、名前を決めよう――――ん?」


そこで、彼女は自分が女性であることを思い出した。そして、残り時間を見る。

そこには、残り三分三十秒と表示されていた。


「…………」


彼女の額を汗が伝う。

性転換している最中に時間切れになれば一体何が起こるのかわからないが、彼女にはそれを試すだけの度胸はなかった。


「し、仕方がないな、うん。女性として生きることになるんだな、あははははははは……」


彼女は軽く現実逃避をした後、自分自身の名前を決めなければならないことに気が付いた。


「本当に仕方がないか。名前か……」


彼は、一瞬考えたのち、その大量のネーミング辞典の記憶の中から、二つの名前を選び出す。


「ソフィアかノルン……叡智か運命か」


彼女は、どこかの漫画の主人公のように人生は自分で切り開くものだと考えていたため、即座に名前の欄にソフィアと打ち込んだ。

(意味は大体合ってる程度ではあるが)


「よし、楽しみますか!!」


異世界転生の前段階に見事に順応した(元)彼は、その姿を少女のものに変えながらも元気に叫び、異世界へと運ばれた。


これから、よろしくお願いします!!


間違いや矛盾等有りましたら、どんどんどうぞ!(震え声

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