ダブルス
今回短いですが許してください
次は土曜日だったがもちろんソフトテニス部は練習だ
「さぁ、これから試合展開だ、今日はダブルスで練習をするぞ」
新野が次々にペアとメンバーを発表していく
「次、Dコート、羅泉・蒼園ペア…」
その時おどろいた
確かに心のどこかで試合には出るような気がしてた
「よろしく、蒼園♪」
試合の時の威圧感はなく、優しかった。まぁ、当たり前か
「相手は功刀・白羽ペアだ」
どちらも聞いたことのない名前だ
「よろしく、俺は2年の功刀 大城、こっちが」
そういって功刀がとなりの人間を指さす
「俺も2年、白羽 隼也よろしく」
自己紹介が終わり、各ポジションにつく
「ふぅ、あ、そうだ、あのふたり結構強いよ」
羅泉がいった
「あ、はい…」
蒼園にとっては羅泉のほうが脅威に見えていた
蒼園ペアサーブで5ゲームで試合が始まった(先に3ゲームとったペアの勝ち)
「はっ!」
蒼園がサーブを打つ
「よーし、やる…ぞ……」
白羽を襲うスローモーション感覚
気づくとボールは白羽の後ろに
「ふぅ、とばしてきますよ」
「気をつけろ大城、あれ、強いぜ」
「あぁ…」
功刀が構える、そこからは威圧を感じる
「はっ!」
同じように蒼園がサーブを入れる
(しまった、羅泉先輩と被って限界能力察知を使えなかった)
功刀が鋭いレシーブを返し前に詰める
そこからは少しラリーが続いていた
全てのポイントで限界能力察知を使うわけにはいかないのである
何故か、それは限界能力察知を使用することによってコースを割り出してもそれを実行するのはなかなかの筋力を使う
高校生でまだ体が出来上がっていない蒼園にはそれは連続で使用できる技ではないのだ
(仕方ない、使うしか…)
そう思った時だった
「白羽!!」
「おう!!」
白羽と功刀がふたりで前に詰める
「これは…ダブル前衛!?」
ダブル前衛、それは前に前衛、後ろに後衛がつく基本フォーメーションとちがって、ふたりが前に詰めることによって超攻撃型にするフォーメーションだ
「蒼園!気をつけろ」
羅泉が言うが蒼園は既に警戒していた
「限界能力察知で…」
白羽の反応できないコースを割り出してそこに打った蒼園
「白羽が動かないなら、俺は取ればいい」
功刀が白羽の前に出てボレーを決める
「な…に……」
そう、これがダブルスの特徴、そしてそのダブルスを活かした蒼園の限界能力察知封じである
蒼園の能力はひとりに限定して行うもの
それをダブルス前衛でペアとの距離を近づけて片方が反応できないボールをもう片方が打つ
「これが俺たちのテニスだ!」
「うっ……」
その後ゲームを取られゲームカウント0-1、白羽ペアサーブとなった
「はぁ…はぁ、くそっ」
「蒼園、もう一度限界能力察知を使ってくれ」
「清忠先輩?」
「ちょっとね…」
少し戸惑いながらも蒼園はレシーブをする
「やるぞ白羽!」
「おう!」
ロブを上げるとふたりは前につく
「くっ、やけくそだ」
蒼園が限界能力察知を使用して功刀にボールを打つ
(俺は動けない…だが!)
功刀の前に白羽が現れる
「俺が打てば問題ない!!」
白羽がボレーを打った……しかしそこには
「ふぅ、ラッキー」
羅泉がボレーをボレーで返す
「い、今何が…」
「羅泉先輩、天才の閃きはずるいですよ」
「ふふ、ごめんごめん」
功刀先輩の言った天才の閃きとはなんだろう
「先輩、今のは…」
「おぉ、俺が変わりに説明してやるよ、あれは羅泉先輩の能力、天才の閃き、能力というよりその場その場で効果は変わるんだけどな」
「効果が変わる?」
「あぁ、相手、それから自分または自分のペアの技、状態、それらを見て自分のできる100%のプレーを発動できる、最強能力さ」
「な、なんだそれ…」
その後、蒼園たちが試合に勝利したのだが…
「結局俺の出番なし…はぁ」
蒼園は一人で落ち込んでいた
「そんなことないよ、頑張ってたさ」
羅泉がフォローするが余計落ち込むばかり
「あ、それと僕が気になってたんだけど、君のその限界能力察知って1試合何回まで使えるの?」
「あー、確かめたことないです」
「そっか…」
実はもう一つ羅泉に能力があると知っているのは極一部の人間であった
蒼園「てか、またキャラ紹介やらないってほんとですか?」
羅泉「うん、なんか作者がテニス行くから忙しいんだって」
蒼園「そういえば作者って高校三年生ですよね」
羅泉「うん、らしいね」
蒼園「受験勉強してるんですかね?」
作者「……。」