人助け
季節は夏。服装は夏服へと完全移行し、今日もカッターシャツを手に持ち学校へ行きます。
透希:・・・
小雪:とーきー
透希:おう
小雪:カッターシャツ着なよ
透希:いい
小雪:あーそう
夏綺:おはよう
紡季:おはようございます
小雪:おはよう
透希:おはようございます
小雪:あー、夏綺ちゃんのとこはいいなー。紡季くんしっかりした格好で学校 来てるから。見てようちのバカ弟を
透希:誰がバカだっ
小雪:あっ、ごめんアホ透希
透希:てっめえ
夏綺:こらっ、お姉さんに向かって「てめぇ」はないでしょっ
透希:すいませんっ
夏綺:透希くんが小雪ちゃんの言うこと聞かないからバカとか言われるんじゃない?
小雪:そうよ、紡季くんのこと見習いなさい
透希:わかったよ、シャツさえ着ればいいんだろ?
はおっただけ
小雪:まあ、それで許してやる
透希:はい
夏綺:小雪ちゃんと透希くんって性格が正反対ね。真面目さんと不良くんって感じ
紡季:不良って姉ちゃん
透希:いいよ紡季くん、うち四人兄弟だけど、二つに分かれてるから。長男と姉ちゃんは真面目、次男とオレは不良。そういうことだから。
夏綺:そうなの?
小雪:うん、確かにそんな感じ。
紡季:けど、学校や他人には迷惑かけてないよ。逆にいいことしてるから。
夏綺:いいこと?
紡季:僕たちがまだ友達になる前
1年前
田島:お前、先生に言ったろ!
紡季:・・・
矢山:下 見てねぇでこっち見ろよ
紡季:うぅ
透希:おい、お前ら
田島:んー?
透希:その子が何したよ?放してやれよ
田島:お前に関係ねぇだろ
透希:何があったか言えよ、言えないことじゃないだろ?
矢山:だからお前が知る必要ねーっつーの。オレらと、こいつだけの問題だから
透希:じゃあオレにも関係あるぜ、その子はオレの友達だからよ
紡季:えっ
田島:てめぇ、調子にのってんじゃねぇ
透希:おっと、何で殴りかかる?
田島と喧嘩する透希、紡季くんを脅す矢山。
透希:ぬっ、くたばれっ
田島:何が友達だっ、カッコつけやがって
透希:友達を助けるのは当たり前だろがっ、てめぇら自分らより弱いやついじめて恥ずかしくねぇのか?
矢山:「僕の間違いでした」って先生に言ってこいよ
紡季:・・・
透希:(まずいな、こっちを相手にしてたら安田くんを助けられない)
そんな危機的状況の時、一人の男が現れた。
水川:おい矢山
矢山:水川
水川:いじめか?
矢山:違う。こいつ、証拠もないのにオレたちにカツアゲされたって先生に言ったんだ。
水川:カツアゲかー。矢山たちは安田から金を取ったのか?
矢山:取ってねぇよ
水川:安田は矢山たちに金を取られたのか?
矢山:取ってねぇよな?
水川:おいっ、今は安田に聞いてんだっ!安田、いくら取られた?
安田:さっ、3000円
水川:矢山、今すぐ返せ
矢山:返すわけないだろ
水川:てめぇ、自分より弱いやつ相手にして金 取るとかバカじゃねぇか?
こちらでも喧嘩が始まった
透希:いい加減 諦めろ
田島:あぁ?
水川:てめぇらがやってることはシャバすぎなんだよっ
矢山:弱い方が悪いんだよ
水川:言っとくけど弱いのはお前らの方だぞ、明らかに自分より格下な相手を脅して、アホだ
透希:死ぬほど恥ずかしいぜっ
喧嘩は、約2時間にわたった
矢山:ぐっ
田島:ちくしょう
透希:ほら、今すぐ取った金 出せ
田島:今は、ない
透希:何?安田くんがどんな思いしてるのか分からねぇのか!
水川:まあ、待てよ。無いとこからは取れないからな。今すぐとは言わないから、必ず返せよ?
田島:おう
水川:ぴったり3000円だぞ!いいな?
田島、矢山:分かった
松永:先生ー、こっちで喧嘩が
先生:お前たち四人、喧嘩したのか?
水川:喧嘩はしてません
透希:その田島と矢山がカツアゲしたそうだから、金を返すようにと叱ってたんです
水川:暴力で解決はしてません
透希、水川:なぁ?
田島:は、はい
矢山:そうです、全部オレたち二人が悪いんです
先生:そうか、じゃあ職員室へ来なさい。安田くんも詳しい話しを聞かせて
紡季:はい
透希:ふー、よかった
水川:松永、先生 呼んで来てくれてありがとな。
松永:あっ、うん
透希:水川、お前っていいやつなんだな
水川:何 言ってやがる
透希:見直したぜ、いじめっ子だったお前が人助けするとはな
水川:助ける他ねーだろ。お前も、強くなったんじゃね?
透希:んなことねーよ
紡季:水川くん、内木くん、助けてくれて本当にありがとう。
透希:いいよ、気にしないで
紡季:松永くんもありがとう
松永:いいよ
水川:よし、今日からオレたちは仲間だ。内木、オレとつるまねえか?
透希:あぁ、諒
水川:紡季と舜も、オレらと一緒に行動すれば、悪いやつに目つけられても守ってやれるからな。
この日から透希、諒、紡季、舜は仲間になったのだ
翌週、金は紡季の元へ返ってきた。
紡季:そんなことがあったんだよ
夏綺:そうか、そんなことがあったのね。
透希:ほっとくわけに行きませんから
夏綺:ありがとう。
小雪:すごいじゃん、あんたがこんな
透希:あっ
思い出した
水川:あー、オレたちが仲良くなったきっかけは、あの時か
松永:そうだったね
紡季:そうそう
透希:忘れてたな
普通 忘れるかー?