ゆぅ姉さんから教わる
由子:すっかり秋ね
透希:そうだねー、寒くなっちゃうからイヤだな
気付けば、もう10月になっていた
由子:もう10月か。早くなーい?
透希:早いっすよね、今年は時が過ぎるのが早く感じる
容伽 帰宅
容伽:透希、この前 頼んだフィギュアの代金ってよ、返してくれるよな?
透希:あ?あー、オレが払うの?
容伽:当たり前だろがっ、お前、金があるから買ったんだろ?5000円 返せや
透希:うそー、5000円なんて持ってないぜー?
容伽:お前さぁ、5000円が大金って分かってんだろ?
透希:あぁ、うん
容伽:まぁいい、今回はオレが買ってやったことにするけど、次からは小遣いが貯まったらオレに言えっ、分かったかっ!
透希:はい・・・
容伽兄に怒られ、オレは一人、自分の部屋へ
透希:(兄ちゃんに怒られちゃったよ)
少し涙が出た。泣いていたら部屋の扉が開いた。
透希:(わっ、やばいぞ、誰か来た)
由子:とーき、ショック受けてんのかい?
透希:いや、そんなことない
由子:よぅくんが言ったことの意味 分かった?
透希:まぁ
由子:よぅくんはね、生きていくために仕事してお金もらってるの。ここの家って元々よぅくん1人の家だけど、今は私と透希もいて3人で住んでるじゃん?だから今のよぅくんは自分よりも、自分が愛する人のために働いてくれてるのよ。私と弟のあなたに、いつも元気でいてほしいっていう思いが、あの人にはあるんだよ。
透希:うん
由子:透希の欲しい物ばかりにお金 使うわけにはいかないし、5000円って、やっぱり大金じゃん?それに、フィギュアの代金を「オレが払うの?」って言ったよね?よぅくんが払うのが当然みたいな感じに聞こえたんだよね。よぅくんは、それについても怒ったんじゃないかな?透希も一応、世話になってるんだから、いろいろ考えたら?
ゆぅ姉さんからの優しい説教で、兄に感謝する気持ちをおぼえた
透希:そうですね、オレの考えが甘かったです。何だか、いろいろ分かってきた感じです。
由子:よぅくん、透希のこと許してないわけじゃないから、今度から気を付ければいいよ
透希:うん、分かりました
由子さんって、本当にいい人だ。母性がありすぎる。