ラブレター
小雪:今日1時間目なんだっけ?
夏綺:数学だね
小雪:嫌ー
夏綺:私も
小雪:だよねー、本当に、ん?
机の中に手紙が入ってた
夏綺:何それ
小雪:何だろう?んーと
広げて読んでみると
花よりもキレイで美しいあなたは、私をとりこにしました。私は、あなたが好きです。今日の放課後、屋上で待ってます。
小雪:いっ、これはラブレターというやつ?
夏綺:うそっ、誰から?
小雪:書いてない、うわー誰だろ
夏綺:誰だろーね、この文どう?
小雪:センス無いっ
給食の時間
夏綺:放課後 行くの?
小雪:うん、送り主が気になるから、それを確認するだけ
夏綺:小雪ちゃんって好きな男子いるの?
小雪:いないから
そして、放課後。小雪は、鼓動を走らせながら屋上へ行った
扉を開けると、1人の男子生徒が立っていた。その生徒は、隣のクラスの横山凱武[ヨコヤマカイム]だった。
小雪:あっ、横山くん?
横山:内木さん、僕は…
小雪:・・・
横山:あなたが好きです。
小雪:あぁ、何と言ったらいいか
好きでもない男の気持ちの受け止めても…
横山:内木さんは、僕をどう思う?
小雪:どう?って、ただの同級生
横山:好きでは、ない?
小雪:はい
横山:そうか。分かった
小雪:ん?
横山:やっぱり、両思いとは限らないよね。ありがとう内木さん
小雪:え?
横山:好きってことが伝えれただけで満足です。目を合わせて話せてよかった。
小雪:あぁ、はい
横山:それじゃ
帰宅
小雪:ただいま
透希:遅かったね
小雪:うん
その日、夜ご飯も進まなかった。
小雪:お兄ちゃん
紅麻:あ?
小雪:女子に告白したことある?
紅麻:いや、ないけど。どうした?
小雪:んー
容伽:紅麻ー、風呂は?
紅麻:まだ入らない
容伽:どうした、2人で
今日あったことを説明した
容伽:お前モテるなー
紅麻:そうか、告白されたのか
容伽:でも、ゆきはそいつのこと好きでも何でもないから振ったんでしょ?
小雪:うん
容伽:ふーん
紅麻:だったら、それでいいじゃん。何でゆきが落ち込んでんの?
小雪:分かんない、けど何て言うか、横山くんの気持ちがよく伝わってくるというか
紅麻:振られた相手の気持ちが分かるってことかな?
小雪:そうなのかな?
容伽:でも男って、振られたら振られたで気持ちよく諦めて、また他の女を好きになって、立ち直るんじゃね?
紅麻:そうそう、だから悩むことないよ
小雪:ほんと?
容伽:うん
紅麻:オレたちが言うから間違いないさ。
容伽:男ってそんなもんだよ。
小雪:分かった、ありがとう。あー頭 痛い
容伽:おいおい、そんなに悩むなよ?