着てみて
小雪:と、お、き
透希:あぁ?
小雪がピンクのカーディガンを持ってオレの部屋に入って来た。
透希:何だよ?
小雪:これ、着てみてよ
透希:何でだよ?
小雪:ねえ、着てよっ
透希:絶対に着ないからな
小雪が走って近づいてきた
透希:うわっ、やめろー。お前こんなことしてみろ?
小雪:どうなるんだよ
飛びかかって来て、くすぐり責めに
透希:あぁはは、イヤ、あふふふ、やだ、やめてくれっ
小雪:着るか?
オレは、ふざけてこう言った
透希:着ねーよバーカ
小雪:うあっ。よくそんな言葉が出たな
さらにくすぐりの嵐が
透希:あーひひひひ、やめっ、死ぬ、死ぬ、やめてください
小雪:お前がくすぐりに弱いってこと知ってんだからね
透希:わかった、着る着る、着ますから許してお姉ちゃーんっ
ギブアップ
透希:は、はあ。そんなに着て欲しいのかよ
着させられた
小雪:あれ、意外と似合ってるし
透希:うそだー?
小雪:マジよ、悔しい
男子に女物のピンクのカーディガンを着せれば変な格好になると思ってた小雪だったが、裏目に出た。
透希:おめぇはそんなこと考えてやがったか
小雪:残念
透希:残念だったねー、はっはっは
小雪:何 笑ってんの?何 笑ってんの?
透希:ちょっ、やだよ?くすぐらないでよ?
小雪:くすぐらないから後ろ向け
透希:(背中にパンチかキックでもする気か?)
オレは腕を組み、何でも来いという気持ちで立っていた
小雪:せーのっ
バコッ
透希:いたたたっ、痛い、どこ蹴ってんだっ
尻を蹴られた
透希:自分の部屋へ帰れアホっ
小雪:カーディガンあげるー
姉は、なぜかルンルン気分で部屋を出て行った
透希:あの野郎、調子に乗りやがって
オレ、ピンクが似合うのか。拒んでいたが、受け入れたら逆に良い結果になっちゃったな。
透希:ん?カーディガンくれる?
姉の部屋へ行った
透希:ゆきちゃんよ、カーディガンもらっちまったら、学校に着ていく物が減るんじゃないの?
小雪:いや、べつに良いが
透希:いいのかよっ
小雪:気に入らなければ返してくれても良いよ?
透希:あ、いや、もらっとく
姉から物をもらうことも少々ある
透希:これで、ピンクは鬼嫁とカーディガンか。というか、今6月だからこれもらっても着れないぞ