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母の手について
透希は考えてた。
透希:母さんの手。どうしてあんなにもキレイで優しいんだろうか?
小さい頃 抱いてもらってる時、手や腕がすごく気持ち良かったような覚えがある。
泣いた時には、優しく頭をなでてくれたり指で涙を拭いてくれたり。
風邪で熱が出た時は、手のひらを額に乗せて様子を見てくれた。
悪いことをした時には、いつもと違って厳しい手でおしりを叩かれた。
もちろんオレだけではなく、兄ちゃん姉ちゃんも。
父さんの具合が悪い時も、ちゃんと様子を見てるし。
透希:そうやって何年も家庭に、家族に愛を降り注いで来たんだな
本当に・・がと・
ありが・・
恥ずかしくて言えねーっ




