墓参り
夏になると、毎年 必ず行く墓参り。若くして亡くなった伯父さんのお墓へ。
まずは伯母さんの家へ行きます。
透希:こんにちはー
雷清:はーい、いらっしゃい
牙獅:義姉さん、お世話になります。
雷清:はーい、どうぞ
白地雷清[シラチラキヨ]さんは、母さんの姉です。
莉詁:水 持った?
容伽:持った
紅麻:手袋もいるか?
お墓は、雷清さんの家の近くにあります。歩いて20秒、もう家の中から墓が見えてます。
拝み、掃除。
小雪:草 取ろう
透希:あまりないけどね
小雪:ほとんど雷清さんがやってるからねー
透希:やっぱり、自分の弟の墓だから、常に綺麗にしてんだ
紅麻:墓石って文字が掘ってあるけど、これって何を使って掘るんだろう?
容伽:知らねー、けどコケがたまるよなー
紅麻:本当、綺麗にするのに苦労するんだよ
容伽:ここは綺麗にしないんだな、伯母さんは
雷清:お掃除ありがとうね
容伽:あー、いやいや。伯父さん喜ぶかな?
雷清:喜ぶよ、オジサンもありがとうって思ってるよ。
掃除終了
透希:刄さんってどんな人だったのかな?
オレたちの伯父、白地刄[シラチヤイバ]さんは、白地家の長男で、雷清さんの弟であり、母さんの兄。10代の時に亡くなったらしいから、オレら4兄弟と父さんは会ったことがない。
透希:ん?
母さんが雷清さんの腕にしがみついてるとこを目にした。悲しいんだな。
紅麻:あれ、母さんまたしがみついてる
透希:去年もそうだったっけ?
紅麻:いや、去年は違うけど何年か
前そうだった。いつだったかな?
透希:オレは覚えてないわ
紅麻:よーが、qsp持ってきたか?
容伽:あるぜ、何やる?
兄貴たちはゲーム
雷清:りよって何歳になったんだっけ?
莉詁:47だけど
雷清:じゃあ私は51か
牙獅:じゃあって、自分の歳 忘れてたんですか?
雷清:うん。
牙獅:はっはは
大人たちは縁側でお話し
透希:・・・・
オレと小雪は何したらいいんだろう?
小雪:とーき、バレーやる?
透希:やる
やっぱりオレらはバレーだ。
雷清:よし、飯にすっか。
夜ご飯
容伽:今日は誰が縁側の近くで寝る?
紅麻:遠慮
透希:イヤかも
小雪:私も
容伽:何だよ、みんなイヤかよ
小雪:容伽兄でいいじゃん
紅麻:そう、お前でいい
透希:うんうん
容伽:おーいっ
オレたちが寝る部屋は、墓がすぐ近くに見える。だから縁側付近は一番 怖い場所だ。
容伽:冗談じゃねーよ全く。
透希:喧嘩が強い男でも、お化けには勝てないか?
容伽:いや、それは知らん。お化けと戦ったことないから。けど怖いんだよ、お前らも分かるだろ?
紅麻:縁側の方に背を向けると、背後からやられることも
小雪:かと言って縁側の方を向くなら、正面から
透希:天井の方を向いて寝てたら、幽霊が舞ってて
容伽:どこから来るか分からないし、寝れんぜ
雷清:あのね、ウチにお化けなんて入らないから
容伽:けどー
雷清:そんなに怖いならオバサンと寝るかい?
紅麻:そうしろー
容伽:寝ないから
牙獅:けど、夏なんだから怖がりながら夜を過ごすのもいいんじゃないか?
莉詁:そうだ
夜になって、外はすっかり暗くなりました。
透希:姉ちゃん、肝だめししにお墓 行かない?
小雪:えー、ヤダー
透希:行かないのー?
小雪:お兄ちゃんたちと行ったら?
透希:無理だよ、兄ちゃんたちゲームやってるから
小雪:あ、そうか
透希:行こうよー
小雪:もう、しょうがないなー、ついてってやるよ。
真っ暗なお墓へ入りました
透希:やばー、怖い
小雪:お前が行こうって言ったんでしょう?
透希:火の玉とかいないのかな?
小雪:いたらいいよねー、あれ死んだ人の魂でしょ?
透希:そうなん?
小雪:らしいよ
透希:ほー。姉ちゃん、もし真っ白の着物を着てて、真っ白な顔で、目が無い女の人が墓石裏から出てきたらどうする?
小雪:ちょっと怖いこと言わないでよ
透希:怖いよねー、オレ自分で言って怖くなってきた
小雪:バカじゃん
透希:ここの墓、結構 広いんだよなー
小雪:本当にお化けが出たら私のこと守ってよ?
透希:何 言ってんの?姉が弟を守るんだろ?
小雪:肝だめしに誘った方が責任 取りなさいよ?
透希:何、本当に、お化けが出ると、思ってんの?
小雪:思って、ない、出ないで欲しい
気付いたら、オレたち二人は手を繋ぎながら歩いてた。
透希:さて、来た道を帰ろう
小雪:ちょっと、しがみつかないで
透希:やっぱり、死者の魂なんて見えないのかな?
小雪:火の玉?
透希:うん、魂ってことは、火の玉しゃべるのかな?
小雪:どうなんだろう?
透希:けど刄さんの魂が飛んでたとしても、刄さん子供の時に亡くなってるから魂も子供のままなのかな?
小雪:そうかもね、亡くなったら成長しないだろうし。
透希:そうだよねー。ん?あっ?
小雪:何よ?
透希:姉ちゃん、オレ今、光りが見えた
小雪:光り?蛍じゃないの?
透希:いや、蛍にしては大きかったし、なんと言うか、火?
小雪:何、火?火って、あっ、私も見えた
透希:でしょ?姉ちゃん、オレの盾になって歩いて
小雪:イーヤー怖いっ、あんたが盾になってよ
透希:ううー、どうしよう。あっ、でも火の玉ってことは誰かの魂?
小雪:魂?
透希:落ち着いて、とにかく家へ向かおう。
小雪:うん
家へ向かうほど火がよく見え、火の数が増える。
小雪:あぁ、もうすぐ
透希:あれ?火が墓の外で飛んでる?
ゴーーーーー
容伽:おう、どこ行ってたんだよ?
紅麻:来たか、打ち上げやろうぜ
オレたちが見ていた火は、花火だった。
透希:何だ、花火か
小雪:はっはは
容伽:よーし打ち上げるぜ
シュッ、パーン
透希:おー
容伽:いいねいいねー
小雪:花火も星もキレイ
紅麻:さて、みんな線香花火を
容伽:おう、やろうぜ
紅麻:最初に落ちた人が、ね。
容伽:ん?何だよ
紅麻:着けるぞー
容伽:おい、言えよー
オレたち4人、線香花火の勝負が始まった。最初に落ちたら何だろう?
ズッズズ、バチバチ、バチバチバチ
ポン
紅麻:あーっ、オレが最初かよ?
容伽:はっは、こういうのは言い出したやつが始めに落ちるんだよ
紅麻:あーあ、もう
小雪:あっ、落ちた
容伽:おっと、オレも落ちた
透希:オレの勝ち?
小雪:最初に落ちたら何?
紅麻:それはなー
容伽:最初に落ちた人は3人に賞金1万ずつ
紅麻:違うわバカっ、最初に落ちた人が、縁側付近で寝るっていうこと
透希:あー、そうか
容伽:なるほど、ということで順番は?
紅麻:縁側付近からオレ、小雪、容伽、壁際に透希だな。
透希:やったー
紅麻:オレが縁側かよ
小雪:私お兄ちゃん2人に挟まれて寝るんかい?
容伽:蹴ったらごめんな?
小雪:いや、蹴らないでよ?
透希:オレもね
花火の後は風呂に入って、その後は眠くなったら寝ると
毎年オレたち4人は同じ部屋で寝る。普段は一緒に寝ないから、何だか緊張します。
結局お化けも幽霊も出ることなく、寝られました。
次の日
雷清:お化け出なかったでしょ?
紅麻:出なかった
家の近くにお墓があるからといって、お化けが出るというわけではないのだ




