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3人目(2)

予定より投稿が1日遅れてしまいました(>_<)

 スタジオを出ると時刻は正午を少し過ぎたところで、3人は駅近くにあるファミレスで昼食を食べることにした。

全国にチェーン展開するその店は、週末ということもあって家族連れや制服を着た中高生など多くの人で賑わっており、席に案内されるまで30分近くかかった。

 「由香里さんはファミレスとかに来ることあるんですか?」

 やっと席に着き、メニューを眺めながら秀太が言う。何故かデザートコーナーのページを開いている。

 「ええ、よく来ますよ。マクドナルドだって行きますとも」

 そう答える由香里の目線の先はビッグハンバーグ。千尋が手元のメニューでみてみると1300キロカロリーを超えていた。

 結局千尋はカルボナーラを、由香里はそのままビッグハンバーグにライスセット、秀太はフライドポテトとチョコバナナパフェを注文した。

 若いウェイトレスは注文を繰り返した後に「パフェは食事と一緒に持って来てください」と秀太に声をかけられ、「はぁ」といぶかしげに返事を返した。

 「どんな食事……」

 呆れて言った千尋の言葉など秀太は気づきもせず、注文が終わってもまだメニューのデザートコーナーを眺めながら「やっぱこっちが良かったかな……」などと呟いていた。

 目の前に運ばれてきた由香里注文のビッグハンバーグは、メニューで見るよりもっとビッグだった。

しかしこの細い体に入り切るんだろうか、という千尋の心配をよそに由香里はどんどんハンバーグを小さくしていく。

 「おふたりは、普段どんな風に練習をしているんです?」

 「千尋の家の近所にある木村楽器店というところで。えっとH線のR駅です。基本的に2人で合わせるのは週末に。僕はアパート暮らしだから弱音器つけても夜は練習できなくて、ほとんど毎日学校帰りにそこのスタジオを貸してもらっていますけど。それで時々千尋もやって来て平日に合わせることもあります」

 秀太がフライドポテトを手に答える。パフェはまだ来ない。

 「じゃあ私も週末は空いているので、そこに参加させてもらいます。ステージ用のキーボードも持っているので、ピアノがないスタジオでも大丈夫です」

 「重くないですか?」

 千尋が訊く。カルボナーラは既に食べ終えた。

 「いえ。高梨、えっとさっきの運転手です、がいますから」

 さすがはお嬢様だ。

 3人でフライドポテトの皿を空にしたところで、秀太のパフェがやっと運ばれてきた。

普通なら「『食事と一緒にもってきて』っていったのに」と文句のひとつも出てきそうな所だが、秀太は笑顔でパフェを受け取り「わぉ」と小さく声を上げた。

 「野菜とかちゃんと食べてるの?」

 本来、年上の大学生に向かって言うことはあまりないであろう言葉が、つい口から出る。

 「うん、まあ」

 たぶん嘘だ。千尋はチョコバナナパフェを嬉しそうに食べる秀太を見て、なんでこんな食生活をしていて太らないんだろうかと真剣に悩む。

ひょっとしたら甘いものばっかり食べているから、こんな外見なのだろうか。スイーツ美容法などというものが科学的に証明されれば全国の女性たちにとってそんな楽な方法他に無いのだが。

太らないといえば由香里もそうだ。あれだけの量を食べて、あんなに細い体をしているのは何か秘密があるのだろうか。機会があったら今度訊いてみたい。

そんなことを考えている千尋に耳に、「千尋?」という秀太の言葉が急に入って来て、ふと我に返る。

 「そんなにじっと見つめられると恥ずかしいな」

 「ご、ごめん!」

 慌てて目をそらした。そんな千尋の様子を見て由香里が笑い、秀太はスプーンを口にくわえたまま不思議そうな顔をしていた。

次回は7月31日(日)投稿予定です_(._.)_

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