風のエチュード
掲載日:2026/07/20
越えてゆける風の耳を、その瞳を
越えてゆけるその背を、息を
その存在を心が自然に追うだけの物語
君との一瞬に落ちる木の葉の夢をみていた
木々は会話をして風に乗せてゆくエチュード
何億年前から繰り返されている営みのように
地下茎を走るひとつの流星
あなたという樹になってゆく
そのひとつの星の力に導かれ
星座の森に棲む その静けさの中で眠り
迷いながらも その森の神秘の中で
菌糸の網目に護られて
原生林の営みに安らぐひとつの種子
ひとつの細胞として
ダム、国有林の抱える危険を
越えてゆける風の耳を、その瞳を
越えてゆけるその背を、息を
その存在を心が自然に追う物語
君との一瞬に香り立つ木の葉の夢をみていた




