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ドワーフ体型「ワイ」ドワーフに転生する  作者: 夏野菜カレー


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3/5

3話

炉の火がゴウゴウと唸っとる。


ワイは折れた剣を作業台の上に置いた。

刃の断面をじっと見る。


「……ひどい折れ方やな」


剣の中の鉄の流れが、なんとなく分かる気がする。

どこが弱くて、どこが歪んどるかも見える。


ワイは指で断面をなぞった。


「魔物とやり合ったんか?」


冒険者の一人――背の高い剣士がうなずく。


「ああ……魔王軍の幹部や」


鍛冶場の空気が一瞬止まる。


ジジイが低い声で言った。


「……魔王軍やと?」


剣士は悔しそうに拳を握る。


「仲間もやられた。武器もこの通りや」


ワイは折れた剣を持ち上げる。


重い。

でも、悪い剣やない。


「ええ剣やったんやろな」


剣士は驚いた顔をする。


「……分かるのか?」


「なんとなくや」


ワイは炉の前に立つ。


火を強くする。

赤い炎が大きく揺れる。


「直すだけやったら意味ない」


ハンマーを握る。


「魔王軍と戦うなら、もっと強い剣がいるやろ」


ジジイが腕を組む。


「お前……できるんか?」


ワイはニヤッと笑った。


「ワイに任せとき」


剣を炉の中へ入れる。


しばらくすると、刃が赤く染まった。


ワイはそれを取り出し――


ガンッ!!


ハンマーを振り下ろす。


火花が散る。


ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!


鍛冶場に鉄を打つ音が響く。


不思議と、叩く場所が全部分かる。

どこを打てば強くなるか、体が覚えとるみたいや。


気づけば、ワイは夢中になっとった。


そして――


最後の一撃。


ガンッ!!


静かになる鍛冶場。


ワイは剣を水に入れる。


ジュウウウウ……


蒸気が立ち上る。


しばらくして、ワイは剣を持ち上げた。


「できたで」


剣士が受け取る。


そして軽く振った瞬間――


「……軽い!」


目を見開く。


「しかも、魔力の通りが全然違う!」


後ろでジジイがボソッと言った。


「……とんでもないもん作りよったな」


ワイは肩を回す。


「まぁこんなもんやろ」


そのときや。


外からドタドタと足音が聞こえた。


バンッ!!


鍛冶場の扉が開く。


兵士が叫んだ。


「大変だ!!」


「町の外に魔王軍の魔物が現れた!」


鍛冶場の空気が一瞬で凍る。


剣士はワイの作った剣を握る。


そしてワイを見る。


「……あんたの剣、試してくる」


ワイは腕を組んだ。


「折るなよ」


剣士はニヤッと笑う。


「折れるかよ」


そう言って、冒険者たちは走っていった。


ワイは炉の火を見つめる。


「……魔王軍か」


ジジイがワイを見る。


「お前、どうする?」


ワイはハンマーを肩に担いだ。


「決まっとるやろ」


ニヤリと笑う。


「ワイの武器が通じるか、見に行くわ」


こうしてワイは――


初めて魔王軍と関わることになる。

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