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ドワーフ体型「ワイ」ドワーフに転生する  作者: 夏野菜カレー


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2/5

2話

「ほな、そのハンマー持ってみぃ」


白ヒゲのジジイがそう言って、でかいハンマーをワイに差し出した。


ワイはそれを受け取る。


……重い。


普通なら持ち上げるだけでも大変そうな重さや。

せやけど、不思議と腕にしっくりくる。


「鉄はそこや。適当に叩いてみぃ」


炉の横には真っ赤に焼けた鉄の塊が置いてあった。


ワイはハンマーを構える。


「まぁ、やってみるか」


ガンッ!!


ハンマーが鉄に落ちる。


火花が散る。


その瞬間、ワイは気づいた。


「……あれ?」


体が勝手に動く。


もう一度振り下ろす。


ガンッ!

ガンッ!

ガンッ!


ハンマーを打つたび、鉄の形が整っていく。


叩く場所も、力加減も、全部わかる。


まるで――


ずっと前からやっていたみたいに。


「……なんやこれ」


気づけば、一本の剣の形になっていた。


ワイは汗をぬぐう。


後ろを振り向くと、ジジイが口を開けて固まっとった。


「……お前」


「なんや」


「初めてハンマー握ったんちゃうんか?」


ワイは肩をすくめる。


「ワイもそう思っとる」


ジジイは剣を手に取った。


刃を指でなぞる。


そして、目を見開いた。


「軽い……しかも、刃の通りがええ」


ワイは自分の腕を見る。


丸太みたいな腕。


腹は出とるし、足は短い。


せやけど――


「まぁ、悪くない体やな」


そのときや。


鍛冶場の扉が、ドンッと開いた。


「誰か!鍛冶師はおるか!」


入ってきたのは三人の冒険者やった。


鎧はボロボロ。

血もついとる。


そのうちの一人が、折れた剣を差し出した。


「頼む……これを直してくれ」


ワイはその剣を受け取る。


ずっしり重い。


折れた断面を見る。


「……ほぉ」


魔力の流れが見える。


鉄の質もわかる。


ワイはニヤッと笑った。


「修理は無理やな」


冒険者の顔が曇る。


せやけどワイは続けた。


「せやけど――」


炉の火を見つめる。


ハンマーを肩に担ぐ。


「もっと強い剣に作り直したる」


冒険者たちは顔を見合わせた。


そのときワイはまだ知らんかった。


この剣が――


魔王と戦う戦いの始まりになることを。

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