第3話何それ美味しいんですか?
その日。私は夢を見た。白馬の王子さまが私を迎えにくる夢だ。
顔は、冬香君らしくない。誰だ?目を細め顔を覗く。
「えっぽん?」
と私は声を上げる。いやいやいや、今は多様性の時代だけど私は違います。多分だけど。LGBTQではない。Lがレズビアン?Gがゲイ?Bがビヨンセ?いやビヨンセは歌手でしょ、ば、バイセクシャルとかじゃなかった?Tがトランスジェンダー?Qは?だっけと少し考えていると白馬の王子さまが
「どうしたんだい?」
と首をかしげる。がいや、ぽんにしか見えないの私だけ?いやそんなはずあるの?白馬の王子さまがぽんに似た人物だったてだけかな?
「なんでもないです。お名前聞いても?」
と私が恋愛漫画で身につけたお嬢様喋りで話す。そうすると白馬の王子様が摩訶不思議そうな顔で
「私の名前を知らないだと」
と怒りながら言ってくるが、ぽんにしか見えない。見えないものはしょうがないでしょ。ここは正直に言うしかない。
「歩様ですよね?」
と私は言う。そうすると王子が と言うところで終わってしまった。でもこれで決心がついた。私には多分だけど冬香君ではない白馬の王子様がくるはず!うん多分だけどいや絶対。いやきてもらわないと困ります。私はベットにくるまりもう一度夢の続きを寝ようとするのだが時限爆弾がなってしまう。私はイヤイヤベットから抜け出し学校ジャージに着替えて、外へランニングへ行く。これでも一応運動部である私にとって体力作りというのは大切なのだ。
朝の少し冷たい空気 川の流れる音 小鳥の声全てが美しく尊い存在に感じてしまう。あーなんて幸せなんだろう。隣にしつこくこっちに質問を持ちかけてくる人がいなければもっと幸せだった。と思ってしまうが隣に一人、人がいると思うだけで少し安心する。そんなことを考えている間にいつもの中継地点の神社に着く。
「よーし。まーちゃんのためにおみくじ代とお賽銭持って来てやったぞ!」
とぽんが小袋を見せながらいう。すごく嬉しい正直言ってまだ少し迷ってしまっている自分がいる。それで少しおみくじを引いてみるのもいいと少し思っていた。
「ぽん。嬉しいけどお賽銭代とおみくじ代は自分で出さないとだめでしょ?」
と私がジャージのポケットから百円玉と十円玉と五円玉を出しぽんに見せる。
「なんだー。まーちゃんわかってるんじゃん。なんで十円と五円なの?」
とぽんが笑う。綺麗すぎる。こりゃー落ちちゃういますよね。と心の中で少し思いながらぽんの質問に答える。
「十分ご縁がありますように。ってことなんだってお母さんが言ってたんだ」
と私が少し胸を張りながらいう。
「へー面白いね。私もそうしよっかな〜」
と言って小袋から十円玉と五円玉を出す。二人で真ん中を歩かないようにして賽銭箱の前に立つ。
「トントンチャ」
とさい銭を投げ入れると音がなる。頭を深く二回下げ。
「パン。パン」
と二拍手するそれから胸の前に手を合わせ日頃の感謝を伝え、聞いて欲しいことを頭の中で。いつもお守りいただきありがとうございます。今恋愛のことで迷っていることがございます。どうか教えていただけると嬉しいです。と唱えもう一度深く頭を下げる。ぽんが終わったのを見計らって大きな鈴を鳴らすと
「ワカラン。ワカラン」
と音がなる。いやわからないって神様ここでじゃなくても。こうやって聞こえたのは私だけ?少しそう思いもう一回鳴らしてみるが同じ音しか鳴らない。 無茶な質問してすみませんでした。でもここで答えが出なくもおみくじをやるから。ぽんは、ウキウキしながら階段を降りおみくじのところまで行く
「おみくじ二人ぶんお願いしま〜す。何が出るかな。あ、二十二だ。やったー吉だ(喜)」
と言って私におみくじの棒の入った入れ物を差し出す。
「100?100なんてあるの?」
と私が首を傾げているとぽんが私に100の紙を差し出す。
「う〜んと最凶?何それ美味しいんですか?」




