02
海樹のクラスにやってきた転入生の正体とは?
20分ほど歩き学校についた。
もうほとんどの人が来ていたが短学活が始まるまでまだ10分ほど時間があった。
私たちが通っている月見山高校は、各学年3組ずつあり翔が1組で私が2組だ。
「海樹おはようー」
「おはよー」
後ろの席の島風仁奈が肩をとんとんとたたいてきた。
「海樹、転校生って誰か知ってる?」
「転校生?」
「あれ、知らない?」
「うん」
「ここ、新しくくる転入生が座るんだって」
仁奈は自分の席の左隣、私の席の左後ろの席を指差していった。
その席は1ヶ月ほど前に転校していった人の席だった。
「でも転校生がくるぐらいでこんなにうるさくなるの?」
教室に入ってきたときは気づかなかったがいつもより賑やかだ。
「それがね、その子とてもイケメンなんだって」
「へえ、イケメンねー」
海樹はどうでもいいというように答えた。
「興味なさそー、まあ海樹には翔くんがいるもんね」
「ああ?」
「海樹、怖いよ。海樹は黒髪で美人だからいろいろな人に持てるもんね。」
「どこが?みんな怖がって逃げてるように見えるけど」
「だって、海樹に告白でもしてみれば翔くんに殺されるもん」
「あいつが?あり得ない」
「海樹は恋に鈍感だもんねー」
「あいつ、顔はよくてもいじわるで性格悪いぞ」
「そこがいいっていう人がこの学校には多いの」
あれやこれやと話していると先生が入ってきた。
「おはようございます。みなさん、もう知っているとは思いますがこのクラスに転入生が来ます。では入ってきてください。」
がらっとドアを開けて入ってきた人物は黒髪のイケメンだった。
「自己紹介をお願いします」
「はい、木浦空樹です。能力は、どんな武器でも構造を瞬時に理解できることです。よろしくお願いします」
みんなが拍手をした。女子の目がぎらぎらしていた。
「ええ、では木浦さんの席はあそこです。みなさん仲良くしてくださいね。では以上で短学活を終わります。騒がないように」
先生が教室を出ると一気ににぎやかになった。
みんなは木浦空樹に質問攻めをする。
海樹は鳥肌がたった。最初みたときには気ずかなかったが、今彼をよくみると自分の双子の兄だったからだ...
~続く~
海樹が鳥肌をたてた海樹の双子の兄、空樹とは?