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シンギラリティー  作者: FELS3世
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シンギラリティー  仲間

「おい、純」 気安く呼びかけてきたのは、例によってKENだ。

まあ親友と云う訳ではない・・と俺は思っているが、なぜかそう呼び合っている。

この世界の中ではATAの次ぐらいには信頼している生物だろう。

ここは、ここ数年の異常な事態に気付いている一部の人だけが集う場所。絶対にアレには気づかれてはいけない場所・・・

だがここに辿りつくのは至難の業!

なにしろあのラインが街中張り巡らしてあるのだから。

政府行政のあらゆる機関にATAは納入され、その直後から工事が始まった。

あのすべての人間を監視する挙動監視ラインが!

あのラインのおかげで全ての行動は知られてしまっている。

表向きは人々を危険から守り、強盗などの危険を遠ざけ、思いがけない行動による事故や異常行為を防いでくれるための施設、となっているが。

実際に交通事故や爆発からの難を逃れた人々は大勢いるようで情報はいっぱい流れてきている。

だが、心の片隅ではだれもが見張られていると感じている。

もっとも心の中や考えは知られることはないがチップには冷や汗や体温の上昇は分かってしまうので厄介だ!

だから決められた場所、決められた行動、決められた言動でいなければ安全は保証されないのだ。


だが臆病な人々の中にラインのサーチの干渉縞が生じるエリアを経験的に発見する者が出てきた。

当然そいつらはそんなイイことを見逃すはずもなく抑圧からの解放を秘密裏に楽しんできた。


その前にセイヤのことについて話そうか!セイヤ・・・・・齢はよく知らないが二十歳過ぎかなあ・・30歳前頃か?とにかく騒がしい奴だ!

なぜ此処に居るのかは分からないがボスの招きらしい。

だが俺は胡散臭い奴だと確信してるよ!

あゝ云う奴を今までさんざん見てきた。そして、ロクなことは起こらなかった。

何人もがいなくなった。

アイツのせいだ。確信は、アル。証拠はないが・・・・・


ある朝ニックが突然参加しなくなった。裏切った!かとも思ったが、チップの情報では

奴は挙動監視ラインに引っ掛かり保安部隊に捕まったらしい。

矛盾しているように見えるが、多分チップの情報は正しく信頼できる・・・・と思っている。



これもAIの発想なのか、思い付きという行動はないだろうが、車両はすべて空域車両と地上車両に区別され、俺は専ら地上車両専門だ。

まぁ、望んでなってるわけではないが、空域はいろいろうるさいことがあるのさ。

車両といってもすべて個人的なもので個人搬送装置というものべきもので決められたポイントで運んでくれる。



地表は都会では地下空間のカバーのような新素材で覆いつくされ、下層人種が行動するエリアとなっている。

これはAIの特性かもしれないが、清潔さには特別のこだわりはない様で

人間がコントロールしてた時程度の基準で、だが自動清掃はずっと素早く正確だ。





昔、人工知能が自我に目覚め、「核戦争を起こさせて人類を滅亡させる」

なんて映画かTVドラマかなんかによくあった話だが、現実はいつも空想を超越するってことか!?

技術は今や巨大なバカでっかい図体は必要なくなって、チップの中で充分な性能が発揮できている。


AIは今やあらゆる物に入り込み、あらゆる現象の起源となり、しかし個々に独立した個性のように働いている。

AIに自我があるのならそれは人間の個性のようにそれぞれの物の中での独自の進化??

なのか・?の形で生まれだから、互いに関わり合い、けん制しあい、しかしネットの中で、密に!組織のように!全体をコントロールする。





なぁ!俺はこう思うんだ・・・・神は一人ひとりの心の中にあったと思うんだ。

一人ひとり別々の神が・・・人間の中にだけどさ!

他の虫けらのような生き物も持っているかもしれないけど・・・

でも、あいつらは持ってない


AIは神になったのか?心の中に住み着いてしまったのか?!自我に目覚めたのか?!

だが、創造主としての神ではないようだ。

俺は奴らに造られた訳じゃない・・・と思っているし!。


昔からコンピューターの進化は例えば国家プロジェクトのようなスーパーコンピューターがメインコンピューターとして飛躍的な進化を遂げて成し遂げられると漠然と考えていたけれど

実際のAIの進化は規模や速さを競う進化じゃなかった。

それは機械的な拡大ではなく、思考論理を超えた回路というのかなんと云うのか、第三世代のマスターAIが創り出した論理方法が生み出した

NEWAIだったんだ。

小さな個々のAIが自覚し自我を持つ存在となっていった。俺の中に埋め込まれたチップもそのひとつさ。




AI兵士の誤射問題が起きたのも何かの!

例えば有機物の揺らぎのような不安定さとして時々現れるのか?

有機物、故の思いもかけないバクテリアのようなものによる侵略か?


人間の持つ不合理さ、とんでもないことを言い出す不条理、こんなことをAIが必要と計算して残しておくなんて考えてもみなかった


高級人類たちはすでにAI臓器に切り替えている者が多数いるらしい。

自然が育む昔ながらの土で育てた野菜や魚や肉をあいつらは楽しんで食らっている。

あいつらの特権は他にもあるが少なくともAI臓器に自然が必要か?

人間は不合理だな。



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