表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/198

飯を作るだけでは済まなくなった


 思わぬ事実に、驚きの声を上げた後は誰もが言葉を失う。

 こんなの、どう反応していいか分からない。

 そんな雰囲気の中、小さく舌打ちしたセツナが頭を掻きながら進み出た。


「おいドゥームよう。ここへ攻め込もうとしてる死霊使いが、リュウって奴じゃない確証はねぇんだろ?」

「うっ……」


 セツナの問い掛けに対し、苦い表情を浮かべたドゥームは無言で顔を逸らす。

 沈黙は肯定と取るなら、確固たる証拠は無いんだろう。


「だったら感情論の憶測で物事を言うんじゃねぇよ。誰と一緒にいようが、出て行った後のそいつに何があったかなんて分かんねぇだろ」


 確かにセツナの言う通り、今のドゥームは感情的になって自分の気持ちを優先している。

 かつての弟子だから信じたいのは分かる。

 でも、今そいつらがどこで何をしているかなんて、分からないんだから。


「……ああ、そうだな。すまない」


 申し訳なさそうに謝罪するドゥームだけど、表情と様子からして何か隠してるような気がする。

 だけどそっちよりも、妙な雰囲気になってしまったこの場の空気を変える方が大事だ。

 すると、何かを叩いた音が響き渡り、音のした方をみるとセツナが両手で頬を叩いていた。


「うし! テメェら、頭切り替えるぞ。おいドゥーム、アタシらは何を作ればいいんだ?」

「手早く食べられるスープ料理だ。食べやすいように具材は小さ目にする」

「おうよ。つーわけだ! なんか色々あるが、アタシらはアタシらの仕事すんぞ!」

『おーっ!』


 そうだな、セツナの言う通りだ。

 情報過多だけど、俺達がやるべき事は飯を作ることだ。

 他の料理プレイヤー達もそれに気づかされて、やろうって表情になってる。

 さすがは吸血鬼の姐さんと呼ばれるだけあって、一喝で場の空気を変えてくれた。


「分かったらやるよ! ドゥーム、さっさと指示出しな」

「ではまず、食材を仕込む班と出汁取りの班に――」


 こうして始まった調理は、タウンクエストに参加するため途中からやってきた料理プレイヤー数名も加わり、順調に進んでいく。

 食材を仕込む班に振り分けられた俺は、折りたたみ式の長机をくっ付けた作業台で、セツナとエクステリオと並んでジャガイモやニンジンやタマネギやカブ、それとネギやホウレンソウやキャベツといった様々な野菜を小さ目に切る。

 天海が振り分けられた出汁取り班は、商人ギルドから借りた複数の魔力コンロを使い、干し肉を煮込んで出汁を取っている。

 ちなみにドゥームは調理場全体の指揮を執るため、出汁取りにも仕込みにも参加してない。

 もしも参加してたら、味はどうなってるんだ?

 NPCだから無味になりそうだけど、プレイヤーの俺達も作ってるから味は出るのか?

 気になるけど、ドゥームが調理に加わってないから確かめようがない。

 ひょっとして、その辺りの事情があるから調理場全体の指揮に専念してるんだろうか。


「おいおい。噂にゃ聞いてたが、本当に良い腕してるじゃねぇか。他の奴よりずっと早くて大きさも正確だぜ」


 色々考えながらも野菜を仕込んでいたら、隣で手際良く野菜を切っているセツナに褒められた。

 祖父ちゃんや父さんには及ばないけど、俺より早く切ってるのにほぼ同じ大きさに切り分けているセツナに褒められると、少し照れる。


「ますたぁなら、とうぜん!」


 今回は作業台を挟んで向こう側で、空の木箱を踏み台にして見物してるイクト君、どうして君が胸を張って自慢気に言うのかな?

 弟可愛いから構わないけど。


「ハッハッハッ、そうかそうか。なあトーマ、あたしが店を持ったら一緒にやらねぇか?」


 店を持った時って、セツナはUPOの中で出店するつもりなのか?


「つっても、最大の目標は現実で自分の店を持つことだが、その前にここで腕試ししようと思ってな。実際の腕が関わるなら、良いシミュレーションになるぜ」


 ああ、そういうことか。

 独立して自分の店を持つのは、料理人にとって夢の一つだけどリスクが高いのは否定できない。

 だからここで出店して、飲食店経営の練習をしようってことか。

 料理の腕が良いから上手くいくとは限らないのが経営だから、ここで店をやるのは良いシミュレーションになるかもしれない。


「おねえさん、おみせだすの?」

「今はまだ無理だが、いずれそうしたいと思ってるよ」

「がんばって!」

「おう、あんがとよ」


 同じ飲食店でも、自分で店を持つのと親の店を継ぐのは違った苦労があるけど、俺も応援してるぞセツナ。

 それにしても、経営のシミュレーションか。

 もしも祖父ちゃんと父さんに、店にある品を全部出していいって言われていたら、俺もそれを考えたかもな。

 尤も、現実はたった数品だから腕を鍛えるのが最優先。経営を考えるのは、まだまだ先の話だ。


「しっかしアンデッド系か。あれかね、ゾンビ映画みたいな感じでゾンビが走ってくんのかね」

「昨今のゾンビ映画はそうした傾向だけど、西部劇風の世界観なんだし、昔ながらのフラフラした徒歩移動じゃないか?」

「んー、でも魔法有りのファンタジーな世界観だし、走ってもおかしくなくね? 骨の鳥が飛んでても、それで片付きそうだしよ」

「言えてるな。だったらドラゴンのゾンビがいたら、そいつは飛ぶのか? 地を這うのか?」

「そこは羽の有る無しで区別するんじゃね?」


 あー、なるほど。

 ダルク曰く、昨今は飛行しないドラゴンも珍しくないって話だからな。よく分からんけど。


「なあ、あの二人……」

「ああ。よく喋りながら、俺達より早く正確に仕込みができるよな」

「一人暮らしの自炊でちょっとはあった自信、無くしそうだぜ」

「さすが、吸血鬼の姐さんと赤の料理長ね」


 うん? なんか周囲がざわついてる。

 隣のエクステリオや他の料理プレイヤー達の視線がこっちを向いてるし、仕込みの手が止まってる。なにかあったか?


「おいコラ、テメェらなにやってんだ! ボサッとしてねぇで、テメェらの作業に集中しろ! 腹空かせた連中を飢えさせる気か!」

『ごめんなさい! すぐにやります!』


 セツナの一喝で皆の視線が外れて、それぞれの作業に戻った。

 さすが、姐さんと呼ばれるだけのことはある。


「ったく、緊張感のねぇ連中だ。なあイクト?」

「うん! ますたぁとおねえちゃんを、みならってほしい!」

「うぐっ!」


 子供のイクトにそんなことを言われたから、皆が気まずそうにしてる。

 まっ、手を止めてた本人達の自業自得ってことで。

 材料はまだまだあるし、深くは気にせず仕込みを続けよう。

 そうして仕込んだ材料を干し肉の出汁で煮込み、その干し肉も小さく切り分けて具材にして、味を調整して完成。




 干し肉出汁の野菜たっぷりスープ 調理者:多数〈選択で全員表示〉

 レア度:2 品質:7 完成度:86

 効果:満腹度回復21% 給水度回復31%

    HP自然回復量+2%【2時間】 MP自然回復量+2%【2時間】

 干し肉で取った出汁でたくさんの種類と量の野菜を煮込んだスープ

 出汁を取るのに使った干し肉も、小さく切って具として利用してる

 食べやすいよう具材は小ぶりですが、量があるので満足感があります




 HPとMPの自然回復量が増えるなら、戦闘職にとって良いバフ効果なんじゃないかな。

 他の料理プレイヤー達もそう思ってるのか、出来栄えに満足そうにしてる。


「このバフなら、前衛だ後衛だで揉めることはねぇな。前の公式イベントの時は、それでちょっと揉めてよ」


 そんなことがあったのか。


「こっちは考え無しの連中の無茶な要求を断ったら、食材を駄目にされた」

「うわっ、マジか。そりゃ大変だったな」


 本当だよ。改めて振り返ると、よく切り抜けられたもんだ。

 その時のことを思い出したら、くいくいと控えめに手を引かれた。

 なんだろうと思いきや、口の端から涎を垂らしたイクトが目をキラキラさせて、味見させてと表情で訴えてきていた。

 はいはい、確認を取るからちょっと待ってろよ。


「ドゥーム、味見させていいか?」

「頼む。美味い食事の方が、士気は上がるからな」


 許可を貰ったからお玉でお椀に具をよそってスープを注ぎ、スプーンを付けてイクトへ手渡す。


「はいよ。熱いから、ちゃんと冷ますんだぞ」

「うん! ふー、ふー」


 スプーンで取った具とスープへ息を吹きかける姿に、誰もが表情を緩めてる。

 そして冷ました具材とスープを一口で食べると、満面の笑みで声を上げた。


「おーいしー!」


 上を向いて空へ向かって叫ぶようなその一言に、この場にいる料理プレイヤー全員の表情に笑みが浮かび、やったなという雰囲気になる。


「すーぷもやさいもおにくもおいしい! いろいろはいってて、くちのなかしあわせ!」


 少ない語彙で一生懸命に美味さを伝えようとする様子に、セツナ以外の女性陣の表情がだらしないほど緩む。

 そして直接口を付けて器を傾けて食べるイクトを見て、何人かが腹減ったなと呟いた。

 分かる。美味そうに食ってるのを見てると、不思議と腹が減るよな。


「よし、もうすぐ戦闘部隊が戦闘前の腹ごしらえをしに来るはずだ。手分けして、配膳と整列の準備に当たってくれ」

『はい!』


 ドゥームの指示から少しして、クエスト開始まで残り40分ぐらいになったらNPCの兵士や自警団と一緒に、戦闘職のプレイヤー達が食事を摂りにきた。

 整列を担当してる料理プレイヤー達によって並ぶ人達へ、大きめのお椀へよそったスープとスプーンを渡す。

 ただ、俺のところに限ってはイクトが渡してくれるサービス付きだ。


「どーぞ!」

「まあ、ありがとう」


 俺がスープをよそったお椀とスプーンをイクトから手渡された剣士の女性プレイヤーが、表情を緩ませて受け取った。

 さっきから受け取ったプレイヤーの大半はこんな感じだし、NPCの兵士や自警団員も微笑ましいものを見る表情で受け取っている。


「か、かわいい子がいる。向こうに並んでいれば、あの子から受け取れたの?」

「うぅ、味は同じなんだろうけど、なんか損した気分だぜ」


 別の列に並んでるプレイヤーからは、こんな声が多く聞かれる。

 味は同じだから、それで勘弁してくれ。


「こ、これが吸血鬼の姐さんと赤の料理長の合作料理か」

「何言ってるの、他の料理プレイヤー達も一緒に作ってるでしょ」

「関係あるか。あの二人が協力した一品なのは間違いないだろ」

「バフ効果も悪くないし、これなら前衛後衛で揉めることは無いな」

「ていうか美味っ! あんま野菜スープ好きじゃないけど、これうんまっ!」


 料理を受け取ったプレイヤー達の反応はそれぞれだけど、NPC達も含めて一口食べたら一様に美味いと言ってくれる。

 そうそう、誰が作ったとかバフ効果がどうかよりも美味いのが最優先だ。

 有名な人が作ろうがバフ効果が凄かろうが、不味かったらそれだけで気分が落ちるだろ。

 料理で何よりも大事なのは、作った料理人が誰かやバフ効果じゃなくて味。そこを押さえてないと、見た目や香りや食感が良くて栄養があっても意味が無い。

 そう思いつつ配膳をしていると、離れた場所にある列で騒ぎが起きていた。

 よく聞き取れないけど、もっと量を大盛りにしろとかもっと良い飯を出せとかもっと良いバフ効果はないのかとか叫んでる。


「ますたぁ、あそこけんかしてるよ」


 イクトにも聞こえてるようで、騒いでる方を指差してる。


「おいおい、こんな時にまでああいう騒ぎはよしてくれよ」


 一緒に配膳をしているエクステリオに同意する。

 クエスト前に足並みを乱すのは、全体の士気にも作用するんだから。

 不特定多数のプレイヤーが集まってるから、ああいったプレイヤーがいるのも仕方ないとはいえ、聞いていて気分が悪い。


「ったく、何考えてやがるんだ」

「ああいう要求が通ると思ってるのが不思議だよ」


 隣で配膳をしているセツナの怒気交じりの言葉に、呆れ交じりに乗っかる。

 並んでいるプレイヤー達も、こんな時にって表情をして騒ぎの方を向いてる。

 ホント、こんな時に何してるんだろうな。


「ますたぁ、いくとがとめてこようか? にーどるも~どで、ぐさって」


 止めるって、物理的にか。

 いくら喧嘩を止めるためとはいえ、毒針で刺すのはやめておけ。下手するとこっちが怒られる。


「イクトはそっちもよりも、これを皆へ渡す仕事を頑張ってくれ。はいこれ」

「はーい。どーぞ」

「ありがとうございます!」


 受け取った男性プレイヤー、どうして頬を染めて深々と頭を下げる。

 それからも配膳を続けながら騒ぎに耳を傾けてると、誰かが通報したのかホールドアップの声が響いた。

 いくつもの発砲音の直後に喧騒は収まり、プレイヤー達はやれやれって様子でスープを見せる。


「どうやら運営が対応したみたいだな。まったく、こんな時に足並みを乱すんじゃねぇっての」

「同感だ。ただでさえ、寄せ集めみたいな状態で統率が取れるか不安なのに、足並みを乱すなんて最悪以外のなにものでもない」


 配膳をしながらセツナと愚痴を零しあう。

 NPCの兵士と自警団はともかく、ここに集まってるプレイヤー達はタウンクエストでの活躍目当ての寄せ集め集団なのは、オンラインゲーム初心者で戦闘は一切しない俺でも分かる。

 町長のローエンが統率はしているものの、いざとなったら勝手に動くプレイヤーも多く出るのが目に見えている。


「ウラヌスでのタウンクエストは、塾長が統率してくれたからなんとかなったそうだぞ」


 追加の器を運んできたエクステリオの件は、ダルク達から聞いた。

 そのエクステリオが今回のタウンクエストに参加してる戦闘職の知り合いから聞いた話だと、今回の参加者の中にも攻略組とかガチ勢っていうプレイヤーはいるし有名な戦闘プレイヤーも二人いるそうだけど、塾長のように統率できるタイプじゃないそうだ。


「強いだけで指揮はできないと?」

「そういうこった」


 でもって目立ちたがり屋や無駄にプライドが高い奴がリーダーに名乗り出て、諍いが発生して悪い意味で白熱した挙句、さっきのようにホールドアップからの発砲されたとか。

 こりゃあ、戦闘職は苦労しそうだな。

 上手く戦えるのかと不安に思っていたら、次に順番が回ってきたのはダルクだった。

 後ろにはメェナ、セイリュウ、カグラの順で並んでる。


「やっほー。トーマ、イクト君」

「あっ、おねえちゃんたち」

「もー聞いてよ。戦闘職のプレイヤーのまとめ役が決まんなくて、押し付け合いみたいになってさ」


 待て、後ろにはまだプレイヤーもNPCもいるのに喋ろうとするな。


「ちょっとダルク、そんなこと喋ってないで早く受け取ってどきなさい。後ろにはまだ他の人達がいるんだから」


 メェナの指摘にダルクはハッとして後ろを見た。

 ナイスアシストだメェナ。やっぱり頼りになる。


「あっはっはっ。ごめん、ごめん。イクト君、スープちょうだい」

「はい、どーぞ!」

「うーん、美味しそう。ありがとね」

「にへへ~」


 受け取ったダルクが触覚とレッサーパンダ耳に気をつけながら、イクトの頭を撫でる。

 撫でられて嬉しいイクトが、笑いながら触覚とレッサーパンダ耳を動かすと周囲のプレイヤー達が和やかな表情を浮かべ、イクトの方を見てる。


「やはり尊い……」

「推せる!」

「イクトきゅん、ハァハァ」


 なんか一部変なのがいるけど、あれにはどう対処すればいいんだろうか。

 と思ったら、ハァハァとか言ってた小太りの男性プレイヤーが数名のプレイヤーに囲まれて、青ざめた表情でどこかへ連れて行かれた。

 うん、なんかよく分からないけど彼らに任せておけば大丈夫っぽいから、配膳を続けよう。

 そうして全員へ料理を配り終えたら、長期戦に備えて追加の飯の準備をする。

 作るのは同じスープとはいえ、大事な飯だから手は抜かないぞ。


「ドゥーム!」


 野菜を刻んでると、人の良さそうな中年の男性NPCがドゥームの名前を叫びながら駆け寄ってくる。


「お前、バリーじゃないか!」


 指示出しをしていたドゥームが、駆け寄ってきたバリーと呼ばれた男性NPCを出迎えると、唾を飛ばすくらいの勢いで喋りだした。


「話は聞いた。皆、攻めてくる死霊魔法使いがリュウじゃないかと言っているが、その死霊魔法使いは彼じゃない」


 うん? またその話題か?

 でもその根拠が無いんだって。


「私はついさっき、彼のいる集落から来たばかりなんだ。向こうを出たのはおよそ3時間ほど前だが、その時に彼は集落にいた。だから彼が攻めてくるなんて、ありえない!」


 はぁっ⁉ バリーの発言にはさすがのセツナも驚いてる。なにせ死霊魔法使いがリュウっていう奴じゃない、根拠が飛び出したんだから。

 タウンクエスト開始まで残り10分だから、タウンクエストの告知があったのは2時間50分前。

 墳墓でプレイヤー達と死霊魔法使いの戦闘があったことを差し引いても、3時間前にリュウって奴が集落にいたのなら計算が合わない。

 集落が墳墓の近くにあるなら話は別だけどな。


「本当かバリー!」

「嘘を言ってどうする。それに死霊使いがいたという墳墓と集落は、町を挟んで真逆にある。距離的にも不自然だ」


 さらなる根拠追加で、この場にいる料理プレイヤー達が動揺してる。

 俺だって正直、訳が分からない。

 運営、ちょっと情報が矢継ぎ早だし多いよ。


「ならバリー、そのことをローエン様へ伝えてくれ」

「分かった!」


 走り去るバリーの後ろ姿を見ていると、ドゥームが早歩きで近づいてきて俺の前で止まった。

 えっ、なにこの展開。


「トーマ君、だったね。共に料理をすることで見た君は、信じられる人物だと見込んで頼みがある。どうか彼を、リュウを連れて来てほしい! 相手が死霊魔法使いならば、同じ死霊魔法使いの彼の力が必要になるはずだ!」


 そう言って頭を下げるドゥーム。

 すると、目の前に何かが表示された。




 ************************


 ≪緊急クエスト・死霊魔法使いリュウの下へ向かえ が発動されました≫


 リュウがいる集落へ向かい、サードタウンジュピターを救うべく協力を取り付けろ


 クエスト成功条件:アンデッド軍団が防衛線を突破する前に協力を得る

 クエスト失敗条件:協力を得る前にアンデッド軍団が防衛線を突破


 *プレイヤー・トーマは必ず参加となります

 *テイムモンスター、他プレイヤーとパーティーを組むのは可

 *町を離れてもパーティーメンバー含め、タウンクエストには参加状態です

 *成功時、パーティーメンバー含めタウンクエストの貢献度が加算されます

 *クエスト中にプレイヤー・トーマが死に戻るとメンバー全員も町へ戻ります


 ************************



 ここで俺が強制参加のクエスト⁉

 しかも内容的に、結構重要っぽい!

 あっ、ひょっとしてこのタウンクエストのお助けキャラがリュウって奴で、教えてくれる関係者がドゥーム⁉

 でもって、そのドゥームの依頼を受けていた俺が、お助けキャラを呼びに行く役ってことなのか⁉


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うわ、責任重大だ! これ明らかにグッドエンド条件の1つだよね。
[一言] 特殊クエストに巻き込まれどうなるか。 そして子供を見る時にはヤバい奴にならないようにきをつけよう!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ