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姐さんと出会う


 スープへ餃子を加えてしばらく煮込んだら鍋の火を止め、お玉で餃子一つとスープ少量とそら豆二つを小皿によそって箸で餃子を二つに切る。

 うん、中にまで火が通ってるな。

 それでいて煮込み過ぎで皮が溶けてる様子も無いし、そら豆も柔らかくなってる。





 野菜たっぷりオーク肉のスープ餃子 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:2 品質:6 完成度:83

 効果:満腹度回復24% 給水度回復17%

    HP最大量+20【1時間】

 茹でたのではなくスープで煮込んだオーク肉の餃子

 餃子の餡だけでなくスープにも野菜がふんだんに使われてる

 そのためオーク肉の脂がしつこくなく、ほどよいこってり感になってます




 肝心の味は……よし、良い出来だ。

 スープは大人しい味わいだけど、餃子に使ってるオーク肉の強さにはちょうどいいし、野菜多めの餡と野菜出汁のスープだから下手をすればくどく感じるオーク肉が食べやすい。

 一煮込みしたお陰で餃子とスープに一体感があって、ちぐはぐ感も無い。

 餃子半分とそら豆一つとスープ一口で味を確認したら、残りは隣でちょうだいと言わんばかりに両手を揃えて出してるイクトへ渡す。


「わーい!」

「トーマ、僕にもちょうだい」


 笑顔で両手を出したダルクはスルーして、肉まんの状態を確認する。


「もーっ、イクト君ばっかりずるい!」

「おーいしー!」


 ずるいと言いつつも、試食して美味しいと喜ぶイクトから奪ったり鍋からこっそり取ったりはしない。

 さすがにそれくらいは弁えてるか。

 で、肉まんの方はどうかな。

 時間的にはしっかり蒸したから、出来を確認するため蒸篭の蓋を取ると湯気が一気に吹き出た。


「わっ! けむりがぶわっ、した!」


 煙じゃなくて湯気だぞ、イクト。

 外見は見事に蒸し上がってるようだけど、中の方はどうだろうか。

 熱いだろうからトングで一つ取って小皿へ移し、それを作業台の上に置いたら蒸篭の蓋をして火を弱めておく。


「「あっつー!」」


 なんだっ!?

 急な悲鳴に振り向くと、ダルクが右手に息を吹きかけてイクトが涙目で右手を押さえてる。


「ますたぁ! あれ、とてもあつい! いくとのて、もえちゃう!」


 涙目になって右手を見せながら、左手で肉まんを指差すイクトの言葉でようやく分かった。

 こっそり肉まんの試食をしようとして、まだ熱々の状態なのに触ったんだと。

 蒸籠から出したばかりなんだから、熱いに決まってるって。

 だけどイクトは分かってないだろうし、注意しておかなかった俺のミスだな。


「大丈夫だ、熱いだけだから燃えないぞ」


 とはいえ放っておくわけにはいかないから、流しで無限水瓶から柄杓ですくった水を何度も掛けて冷やしてやる。


「イクト君はともかく、ダルクは何やってるのよ」

「だって美味しそうだったんだもん!」

「もう。蒸したてで熱いのは分かってるでしょ?」

「誘惑に負けて、つい!」


 呆れるメェナとカグラに反論するダルクに悪びれた様子は無い。

 イクトの手へ水を掛け続ける俺の傍へ寄ってきたセイリュウによると、俺の気が蒸籠の方へ向いてる隙に二人でアイコンタクトを交わし、素早く取ろうとしたそうだ。

 まったく、なにをやってるんだか。


「あ、あの、その子、大丈夫ですかっ?」

「火傷状態とかになってませんか⁉」


 呆れてるところへ一組の男女が寄ってきた。

 イクトのことを心配してくれてるようだけど、火傷状態っていうのがあるのか。

 右手へ水を掛けるのをセイリュウに代わってもらい、念のためステータス画面を開いてイクトの状態を確認。

 うん、火傷にはなってない。


「大丈夫だ、火傷にはなってない」

「そうですか、良かった」

「なら一安心です」


 ホッとした様子の男女は、失礼しましたと言い残して去って行った。

 それにしても、自分のテイムモンスターでもないのに心配してくれるなんて良い人達だな。


「ねぇ、あの人達ってひょっとしてイクト君の」

「ファンなんでしょうね」

「どこにいたんだろうね」


 男女を見送った後、柄杓をセイリュウから返してもらってイクトへ尋ねる。


「どうだイクト、もう大丈夫か?」

「うん、もうあつくない」


 ならばよし。

 水を掛け続けて濡れた手を布巾で拭いてやる。


「注意しなかった俺も悪かったけど、勝手に食べようとしたイクトも悪いぞ」

「ごめんなさい。はんせい」


 そう言って作業台の淵に手を置いて頭を下げた。

 ちょっと待て、それ誰に教わった? それとも元々備わってた知識か?


「分かったならいい。だけど罰として、今回の試食は無しな」

「はぁい」


 残念そうに落ち込むイクトだけど、これも躾だ。


「それと悪びれた様子の無いダルクは罰として、朝飯のスープ餃子は餃子が一個だけでスープと具材の量を減らして配膳する。無論、おかわりは許さない」

「えーっ⁉」


 どうして驚くんだ。至極当然の処置じゃないか。

 せめて謝ってれば、量を減らしておかわりは一回だけで勘弁してやったのに。


「ごめんなさいごめんなさい! 本気でマジで真剣にごめんなさい!」


 ジャンピング土下座、とでも言おうか。

 飛び跳ねて着地しながら土下座を決め、ごめんなさいの度に頭を上げては下げてを繰り返してる。


「駄目だ。いまさら謝っても遅い。ちゃんと謝ったイクトへの示しをつけるため、きっちり罰を受けてくれ」


 満腹度も給水度も回復するんだし、問題無いだろ。


「うわぁぁぁぁんっ!」


 自業自得なんだから泣くんじゃない。

 しかも大衆の面前だから、周りのプレイヤー達が注目してざわざしてるぞ。

 カグラ達も呆れたり苦笑いしたりして助ける気は無さそうだから、潔く諦めるんだな。

 まったく、同じことを何度やったら学習するんだか。

 さて、肉まんも少し冷めただろうし味見しよう。

 皿の上に置いた肉まんに触れ、騒ぐほどの熱さじゃないのを確認したら両手で二つに割って中を確認。

 しっかり熱が通っていて赤い部分は見当たらず、良い香りが湯気と一緒に襲ってきた。




 オーク肉まん 調理者:プレイヤー・トーマ

 レア度:2 品質:7 完成度:88

 効果:満腹度回復30%

    体力+2【2時間】 腕力+2【2時間】

 ガツンと響くオーク肉の旨味が絶品の肉まん

 あふれる肉汁と脂は厚めの皮がしっかり包んで一滴も逃さない

 タマネギとシイタケが肉の旨味をそっと支えてくれてる、縁の下の力持ち




 見た目と情報は問題無し。

 次は味を確認するため、右手に持った方へかぶりつく。

 あっつっ、でも凄く美味い。

 ほっほっと息を吐きながら味わうその味は、まさしくオーク肉の旨味による洪水だ。

 皮に包まれて外へ出られなかった肉汁と脂が口の中へ広がって、肉の旨味を十二分に味わわせてくれる。

 その皮の内側の方には肉汁と脂が染みてるから、噛むと肉からだけでなく皮からも旨味が溢れる。

 それでいて肉の強い味を皮が中和して、タマネギとシイタケのお陰で味が単調になってない。

 美味すぎると一つで飽きるけど、これはそんなことを感じない良い出来だ。


「コンビニへ――」

「まだ売ってるか――」

「この際、スーパーのでも――」


 試食として半分を食べ終わった後、残る半分に目を向ける。

 普段ならイクトへ渡すところだけど、さっきのつまみ食い未遂で今回の試食は無しにしたから渡さない。

 ダルクと一緒に凄く食べたそうにこっちを見てるものの、駄目なものは駄目だ。

 というわけで残る半分はこうしよう。


「カグラ、セイリュウ、メェナ。じゃんけんで勝ったら、これの試食役を任せる」

「「「じゃーんけーん!」」」


 じゃんけんの勝者に残り半分を渡すと言った瞬間に、三人はじゃんけんを始めた。

 どんな反応速度してるの、君達。


「勝ったあぁぁぁっ!」


 勝利したのはカグラが。

 あまりの嬉しさに飛び跳ねて、装備が変わっても存在感の強い胸が揺れてる。

 そこからは素早く目を逸らして、寄ってきたカグラへ残り半分の肉まんを手渡すと美味そうに食べだした。


「はぁ、美味しい。お昼にはこれがいくつも食べられるのね」


 恍惚の笑みを浮かべるカグラに、イクトとダルクだけでなくメェナもセイリュウも周囲の野次馬達も羨ましそうにしてる。

 さて、完成したから火を消して蒸籠ごとアイテムボックスへ入れておこう。

 そしたら人数分のお椀を用意して、お玉でスープ餃子を注ぐ。

 ただし宣言通り、ダルクの分だけは餃子が一個だけでスープも具材も少なめっと。


「ほら、朝飯にするから座れ」


 配膳をしながら着席を促すと、バタバタとそれぞれの席に着く。

 それぞれの前にスプーンとスープ餃子入りのお椀を置くと、悲しそうなダルク以外は表情がほころぶ。


「おかわりはあるからな、ダルク以外は遠慮無く食ってくれ」

「うぅ~」


 睨んでも駄目、ダルクは餃子一個で量少なめでおかわり無しだ。

 どうしてもって言うのなら、死蔵してた携帯食料を進呈しよう。

 いらない? じゃあ黙って野菜スープを食え。

 こうしてダルクだけ楽しくない朝飯が始まり、ダルク以外が何度もおかわりしたことでスープ餃子入りの鍋は空になった。


「あー! お昼は肉まんをたらふく食べてやるー!」


 そう叫ぶダルクを横目に見つつ後片付けを済ませたら、作業館から退館。

 新たな目的地であるサードタウンジュピターへ向けて出発する。



 *****



 サードタウンマーズを出発してしばらく経った。

 途中でモンスターとの戦闘を何度か挟みつつ移動する俺達は、現在密林の中を歩いてる。

 目的地のサードタウンジュピターへ行くにはここを通る必要があるから、それ自体は構わない。

 でも湿度が高くて蒸し暑いのは、どうにかならないものか。


「もー、なんでこういう蒸し暑い場所があるのさ。早く抜け出したいよ」


 蒸し暑いのが嫌いなダルクが、朝飯の件もあってブツブツ文句を言ってる。


「掲示板によると、これでもサードタウンジュピターから南下した所にある湿原よりマシらしいわよ」

「噓でしょ? これより蒸し暑い場所があるの?」

「ここよりずっと南だもの」


 カグラの説明にダルクがうんざりした表情を浮かべた。

 今のところそっちへ行く用事はないんだから、そんな顔するなよ。


「イクト君は大丈夫? 暑くない?」

「へっちゃらー!」


 手を繋いでるイクトは蒸し暑さをものともしておらず、楽しそうにしてる。

 虫が混ざってると、このくらいの蒸し暑さは平気なのか?


「こう蒸し暑いと辛い物が食べたいわね」

「なんでさっ⁉」


 辛い物が苦手なダルクが辛い物好きなメェナの発言に強く反応した。


「蒸し暑い地域は汗を掻きにくいから、新陳代謝が上手く働かないんだ。だからそれを促すため、辛い物を食って汗を掻くって食文化があるんだよ」

「さすがはトーマ、分かってるじゃない。だから辛い物が食べたいのよ」


 メェナの場合、そういうのとは関係無しに辛い物を食いたがるだろ。

 しかもかなりの辛さを。


「そうだ。ポッコロとゆーららんから貰った野菜の中に唐辛子があるから、次の飯作りの時に泡辣椒(パオラージャオ)でも作ってやろうか?」

「なにそれ、どういう料理?」

「一言で表すなら、唐辛子を塩水で漬け込んだ発酵食品だ」


 興味を示したメェナへ簡潔に説明をする。

 唐辛子は軽く茹でるか生のまま使うか、漬け込むのは塩水だけか酒や香辛料を加えるか。

 その辺りで作り方が分かれてるものの、唐辛子を塩水に漬け込むって点は一緒だ。


「作って作って! 食べてみたい!」

「分かったよ」

「いやっほー!」

「わーい!」


 肯定するとメェナは目を輝かせてはしゃぎだし、それにつられてイクトも喜びだした。

 イクト、お前は絶対にどういうものか分かってないだろ。

 そしてダルクは浮かない顔をして、カグラとセイリュウは苦笑いを浮かべてる。

 安心しろ、メェナ以外にはそのままの状態では出さないから。


「あっ、気配察知が反応したわ。この先にモンスターが五体とプレイヤーが六人いるわ」


 メェナからの警告に緩んでた空気が引き締まった。

 警戒しながら進むと、デカいトカゲのモンスター五体と戦う六人のプレイヤーの後ろ姿が見えてきた。


「見たところ、ちょっと苦戦してるみたいね」

「戦ってるのは前衛二人と後衛二人。最後尾の二人は戦闘に参加してないわね」


 確かに戦況はプレイヤー側が劣勢にある。

 前衛は盾とランスで戦う男性プレイヤーと両手で持つ大剣で戦う少年プレイヤー、後衛は魔法を放つ男性プレイヤーと弓矢で戦う女性プレイヤー。

 五体のデカいトカゲとの戦闘はこの四人がしてて、最後尾にいる二人は距離を置いて様子を眺めてる。

 だけどその二人というのが、片やスカジャンを羽織ってお玉を持つ金髪の女性プレイヤー、片や丈の長いスカートと黒いセーラー服にマスクを付けてハサミを持つ茶髪の少女プレイヤー。

 どちらも気が強そうな顔つきしてるし、見た目だけで判断すれば強そうなのに参戦する気配を見せず、持ってる物に至ってはお玉とハサミという謎の装備だ。


「ねえ、手助けする?」

「そうね。でもその前に、確認を取りましょう」

「じゃあ僕が。おーい、手助けいる?」


 代表してダルクが声を掛けると、スカジャン女性とスケバン少女と後衛の二人がこっちを向いた。


「お、お願いします!」

「僕達の後ろの二人は戦えないんです!」


 あんな見た目で戦えないのか。

 まっ、戦う気すら無い俺が言えたことじゃないけど。


「了解! トーマ、イクト君の力も借りるよ」

「分かった。イクト、行ってこい。気をつけてな」

「はーい。ふらいも~ど!」


 元気よく返事をしたイクトは背中から蛾の羽を生やして飛翔した。


「よし、いっくよー!」

「「「「おーっ!」」」」


 駆け出したダルク達とイクトの背中を見つつ、戦えないって言われたスカジャン女性とスケバン少女の下へ向かう。

 おっ、近くで見て気づいたけどスカジャン女性は耳が長くて瞳は赤なのか。


「どうも。戦えない同士、一緒にいさせてもらいます」


 挨拶をしたらスケバン少女が睨んできた。

 だけどスカジャン女性の雰囲気がとても怖いから、睨まれた程度じゃなんとも思わない。

 実際に会ったことはないけど、その筋の人ってこういう雰囲気なのかって感じ。


「はぁ? アンタ男のくせに戦えないんッスか? 連れの女や子供にだけ戦わせて、自分は高みの見物とは良いご身分ッスね」


 睨みながら顔を近づけてきた。

 こういうのをメンチをきるって言うのかな。


「やめなミュウリン。初対面の相手に、そういう印象の悪い態度取るんじゃないよ」


 おぉっ、スカジャン女性が仲裁に入ってくれた。

 そしてスケバン少女、見た目と態度の割に名前は可愛い系か。


「ですけど姐御」


 このスカジャン女性ほど姐御って呼び方が合う人とは、今まで会ったことがない。

 ついでにタバコが似合いそうだし、お玉よりも金属バットや鉄パイプが似合いそうだ。

 だけど一番似合いそうなのは、着物にドスかな。


「けどもなにもないよ。第一、いまどき男のくせにとか女のくせになんて言うんじゃないよ。男だろうが女だろうが、やりたいようにやるのが一番さ」

「……うす」


 スケバン少女の何倍も迫力があるスカジャン女性が睨みに、スケバン少女は大人しく頷いた。


「連れが悪いね、少年。ほら、ちゃんと詫び入れな」

「うす。失礼なこと言って悪かったッス」


 素直に頭を下げるスケバン少女の姿に、二人の間の上下関係というか力関係がはっきり表れてる。


「いや、気にしないでください」

「年上相手だからって、敬語はいいよ。アタシはそういう堅苦しいのが嫌いなんだ。それにここはゲームなんだし、気楽にやろうや」


 なら、遠慮なくそうさせてもらおう。


「そういうことなら素の口調でいかせてもらう」

「ああ、全然構わないよ」


 どうやら見た目ほど怖い人じゃ無さそうだ。

 一安心してると戦闘が終了したようで、イクトのお陰で入ってきた経験値が表示された。

 ダルク達はハイタッチを交わしあい、スカジャン女性とスケバン少女の仲間達はホッとしてる。


「いやー、助かったぜ。あいつら固いし連れの火魔法が効きにくいから死に戻りを覚悟してたんだ。ホント、サンキューな」


 合流するためスカジャン女性とスケバン少女と一緒に近づくと、盾とランスで戦ってた男性プレイヤーがダルクへお礼を言ってる。


「ふふん、気にしないでいいよ」

「とーぜんのことしただけ!」


 とか言いながら胸を張って偉そうにするんじゃない。

 イクトも、そんなダルクの真似はしなくていいぞ。


「あの、その子ってこの前の公式イベントで試練をクリアしたら手に入る子ですよね?」


 弓矢で戦ってた女性プレイヤーがイクトをガン見して、喜色満面の笑みを浮かべてる。


「そうですよ。そこにいる私達の仲間の子なんです」


 カグラ、そういう言い方をすると俺の子供みたいだぞ。

 いや、俺が卵から孵したんだからそうとも言えるか?

 注目がこっちを向いた中、少年プレイヤーがハッとした様子を見せた。


「公式イベントの試練クリアで手に入る子を連れたサラマンダー。まさか、赤の料理長って呼ばれてるトーマさんですかっ!?」

「「「「えっ!?」」」」


 うわー、その呼ばれ方されるの久々だな。

 俺に気づいた少年プレイヤーは目を輝かせ、スカジャン女性以外のプレイヤー達は驚きの反応を見せる。


「ほう。アンタが噂の」


 スカジャン女性がニヤッと笑ったけど、妙に雰囲気があってちょっと怖い。


「まさか有名な料理プレイヤーが二人揃うなんて、感激です!」


 有名な料理プレイヤーが二人?

 もう一人は……あっ、ひょっとしてスカジャン女性がお玉を持ってたのって。

 顔を向けるとスカジャン女性はニヤリとした笑みを浮かべたまま、左手を腰に当てて右手の親指で自分を指した。


「アタシの名はセツナ。何の因果か吸血鬼の姐さんなんて呼ばれてる、一介の料理プレイヤーさ」


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― 新着の感想 ―
自分も非戦闘プレイヤーの癖に見下しから入るとは随分器のダサい成人女性だなw しかも自分のパーティーは二人も非戦闘員がいて戦いに関してはより脚を引っ張ってると言うのにwwww
[一言] 怒られて反省できて偉い。 他の子もこんな感じで交流して関係性を作ってたりするんですかね?
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