合わないはずがない
昼時になって作業館へやってきたダルク達。
四人は作っておいた親子飯と、小皿によそったザワークラウトを食べて喜んでる。
俺とイクトも味見の分を引いたハーフサイズの親子飯とザワークラウトを食べ、イクトは味見で食べたのに笑顔で美味しいを連呼してる。
「イクト君の言う通り、この親子丼美味しいや」
よく言うよ。
飯を見るなり、苦労して課題をやった幼馴染を労わるための揚げ物が無いのはなんでだ、って騒いでたくせに。
食いだした途端にこれだもんな。
「何言ってるのよ。親子丼の醍醐味は、卵と鶏肉と出汁とご飯の一体感。ダルクの場合、肉が入っていればいいだけじゃない」
「そりゃ肉は最高だからね。いや、究極で至高だよ」
尤もらしいことを言ってるメェナだけど、その親子飯に前に俺が作った七味的な物を改良した辛さ激マシマシ版を一面に振りかけて真っ赤にして食べてるから、一体感を感じられてるのか甚だ疑問だ。
あと、辛さを一体感に加えないのは辛さは味じゃなくて刺激だからか?
「でも本当、こういうのを食べてるとお米が欲しくなるわね」
「お米はどこにあるの」
カグラの意見には同意するし、麺好きのセイリュウでも米に飢えてるのか。
「まーまー、その分は現実で食べればいいじゃん」
それを言ったらおしまいだって、ダルク。
そもそも現実はゲーム内と違って際限なく食べられないし、なにより食べた分が腹回りに影響するだろ。
「そんな訳にはいかないでしょ」
「うふふ、現実でそうやったら後が大変じゃない」
「ただでさえプニプニなのに」
頼むセイリュウ、そういうことをポツリと呟いて腹の肉を確かめないでくれ。
飯を作ってる身としては、なんだかそうなった原因の一端みたいで悪い気がしてくるから。
「ますたぁ、おこめってなに? おいしいの?」
期待の眼差しを向けるイクトに肯定の返事をしたいけど、口の周りに刻み麺がいくつも付いてるのが気になる。
「誰も取らないから、落ち着いて食え」
「んん……」
スプーンを置いて口周りを布巾で拭いてやる。
よし、綺麗になったな。
「米は美味いぞ。まだ見つかってないけどな」
「? みつかってないのに、なんでおいしいってわかるの?」
しまった、今のは失言だった。
首を傾げて純粋な眼差しで矛盾点を突かれた。
これはどう答えたものか。
ダルクは食べるのに夢中で援護する気は無し、セイリュウとメェナはサッと顔を逸らして逃げ、カグラはニコニコしながらうふふと笑うだけで何もしてくれそうにない。
再度イクトを見ると、早く教えてと言わんばかりにこっちをジッと見てる。
これはもう、俺が自分でなんとかするしかない。
思いつけ、思いつけ。何か良い返事を。
「……そういうものだからだ」
いや、なんでこの答えを口にしたんだ俺!
「ダッハッハッハッハッ!」
そこ笑うな!
堪えてるカグラとセイリュウとメェナはいいとして、笑うんじゃないダルク!
ただでさえアホな返答して恥ずかしいのに、余計恥ずかしいわ!
今の俺、絶対に顔が真っ赤になってるって自覚できるくらい恥ずかしいわ!
「? よくわかんない」
そう口にしたイクトは興味を失ったのか、残り少ない親子飯を食べるのを再開した。
「トーマ、今のおじさん達に伝えていい?」
「……今のを言いふらした奴には、二度と好物を作らない」
「「「「横暴! そして職権乱用!」」」」
なんとでも言え。
こんな恥ずかしいこと、口外されて堪るか!
あと、これって職権乱用になるのか?
*****
あの出来事は人質ならぬ飯質の甲斐あって口留めに成功。
昼飯を食ったダルク達は、食べた分の卵を獲ってくると言ってロックコケッコを狩りに行った。
それを見送り、この後で補充される予定の卵でマヨネーズ作りにとりかかる。
「がんばれますたぁ」
楽しそうに応援してくれるイクトには悪いけど、今はそれに応えてる余裕が無い。
だって人力! 人力でマヨネーズ作りしてるんだぞ!
前に作った時もそうだったけど、やっぱりこれって気軽に人力で作るものじゃない。
「マヨ――」
「やっぱり大変――」
「せめてハンドミキサーが――」
野次馬の誰かが呟いた通り、ハンドミキサーが心の底から切実に欲しい。
やってるのは、卵に油と塩と酢のようになったサンの実の果汁を加えて混ぜるだけ。
だけどその混ぜるのが大変なんだよぉぉっ!
調理スキルが無いダルク達に手伝ってもらって失敗したら目も当てられないし、同様の理由でイクトにやらせるのも論外だ。
だからここは俺がやるしかないんだ。主に意地と気合いと根性で!
昭和理論がなんだ、こちとら昭和の真っ只中を生きてきて祖父ちゃんが師匠の一人なんだよ!
「ますたぁ、しろくなってきたよ」
よし、このまま一気にマヨネーズを仕上げてやるぜ!
とまあ、あまりのマヨネーズ作りの大変さに変なテンションにはなったものの無事にマヨネーズは完成。
もしもチェーンクエストの続きで行く魔道具屋にミキサーのような撹拌できる道具があったら、絶対に買っておこう。
マヨネーズを作る度にこれは本当に疲れる。
肉体的には疲れてなくても、精神的に疲れる。
「おいしい! まよねぇず、おいしい!」
そうか、良かったなイクト。
でもたくさん作ったからって、あまり指で取って舐めないでくれ。
可愛そうだけど取り上げてアイテムボックスへ回収したら、ちょっと休憩。
「ますたぁ。もうごはん、つくらないの?」
「いや、休んだら作る」
今はマヨネーズ作りの疲れを取らせてくれ。
というわけで小休止だけど、その間に今夜のお疲れさま会兼イクトの歓迎会で出す料理を考える。
膝の上に座ったイクトが足をプラプラさせて遊びながら、楽しそうに微妙な鼻歌を歌ってるのは気にしない。
そして料理を考えてる最中に思った。
シープン一家へ届けると約束したトマトクリームスープと、約束はしてないけど届けようと思ってるチーズ入り牛乳パンを多めに作って、シープン一家の分を除いて出せばいいんじゃないかと。
問題は材料がどれだけあるか。
早速アイテムボックス内を調べると、スープに使う野菜と小麦粉の量が心もとない。
一旦作業館を出て、ギルドへ材料を調達しに行こう。
そう思った直後に重大な事に気づいた。
「そうだ、チーズが無いんだ」
「? ちいず?」
あの時はシープン家の台所にあったチーズを使っただけで、どこかで購入したわけじゃない。
当然手元にも無いし、そもそもどこにも売ってない。
なら作るのはどうかと思ってステータス画面から検索を掛けて調べたものの、とても今から作って間に合うはずがない。
第一、上手く作れる自信が無い。
なら方向転換だ、チーズ以外で牛乳パンに合うものを考えよう。
用意した食材やアイテムボックスにある食材を確認してると、ある物が目に止まった。
「これか……。うん、これでいこう」
「ますたぁ、どうしたの?」
「イクト、ちょっと材料を買いに行くぞ」
「うん!」
膝の上に座るイクトに快く了承してもらい、作業台の上を片付けてイクトが使ってた踏み台を返したら一旦作業館から退館し、材料調達のため料理ギルドへ向かう。
道中、イクトに手を繋がれたため周囲から生暖かい視線を浴びはしたものの、無事に料理ギルドへ到着。
辺りをキョロキョロするイクトを伴い受付で食材を買い足そうとしたら、おばさん職員から貢献度が上がって新しい食材や調理器具等が買えるようになったと言われたから、何が増えたのか早速チェックする。
今回は主に肉類が充実したようで、タックルラビットの各部位の肉や蛇系のモンスターや狼系のモンスターの肉が増えてる。
野菜で増えたのはグリンピースだけで、調味料は増えてない。
新しく買える調理器具は調理用のハサミとトング、食器は丼が追加。
って、ここで丼が登場かよ!
先にギルドへ来てれば、親子飯じゃなくて親子丼になったのに!
ちょうどいいから買い足す食材と合わせて人数分の丼と初見のグリンピースを購入し、ついでにまだ提供してなかった分のオリジナルレシピを提供しておいた。
「お買い上げ、ありがとうございます」
さて、作業館に戻って料理の再開だ。
行きと同様、イクトに手を繋がれて作業館へ戻って作業台と魔力オーブンを借りて作業台へ。
さっきとは違う台だけど、設備と使い勝手は同じだから問題無い。
「戻って――」
「今度は何を――」
「イクト君可愛い――」
「手繋いで――」
「親子か兄弟――」
準備を整えてイクトに踏み台を用意してやったら、トマトクリームスープと牛乳パンの調理開始。
まずはスープの出汁を取りつつ、牛乳パンにチーズの代わりに加える物の準備に掛かろう。
取り出すのは複数のコンの実。
これを塩茹でして潰し、さっき苦労して作ったマヨネーズと和えて生地乗せて焼く。
乳製品とトウモロコシは基本的に合うし、コーンマヨパンは定番だから牛乳パンに加えても不味くはならないだろう。
それとは別に出汁用の干し肉も取り出したら、二つの大きな鍋に水を張ってコンロの火に掛け、お湯の準備をしてる間に爆発防止のために皮へ切れ込みを入れていく。
「ますたぁ、それなに?」
踏み台に乗って調理を見てるイクトが、初めて見るコンの実に興味を示した。
「凄く甘くなる木の実だ」
「あまいのっ⁉ たのしみ!」
楽しみと言われたら期待に応えなくちゃな。
全てのコンの実へ切れ込みを入れたら一方の鍋へ入れて塩を加えて茹で、もう一方の鍋にはスープの出汁を取るために干し肉を入れる。
この間にスープへ加える野菜を切っておこう。
ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、カブの実と葉、さらにヘタを取って切り分けたトマトはボウルで潰す。
「ますたぁ、あまいのぷくぷくゆらゆらしてる」
甘いのぷくぷくゆらゆら?
ああ、コンの実を茹でてるお湯に気泡が出てきて揺れてるのか。
ちょうど茹で上がった頃合いだから、バットに網をセットしてトングでコンの実を取り出す。
「まだ熱いから触るなよ」
「はーい」
イクトへ注意を促しながらコンの実をバットの網の上に乗せ、お湯を落としつつ少し冷ます。
茹で汁は流しへ捨てたら、スープを作ってる方の鍋から灰汁を取る。
それが済んだらボウルとすり鉢を用意して、手で触れられるぐらいには冷めたコンの実の皮を手で剥き、すり鉢へ入れて食感を残すため粗く潰していく。
「あまいの、ぐちゃぐちゃにしちゃうの?」
「そうだ」
普通のトウモロコシならそのまま使うけど、コンの実は大きいから細かく切り分けるか潰さなきゃパンに加えられないからな。
「ほら、ちょっと味見してみ」
粗く潰したコンの実をスプーンで取って差し出すと、イクトは躊躇なく食べる。
塩茹でしたから味は感じられるはずだけど、テイムモンスターはその辺どうなんだ?
「あまい! おいしー!」
触覚とレッサーパンダ耳をピンと立たせて喜んでるし、細かいことは気にしなくていっか。
コンの実を粗く潰したら、別にボウルを用意して潰した際に出た果汁を移す。
それを終えたら一旦鍋の方へ行き、浮いてる灰汁を取ってパン作りに戻る。
次は生地に加える牛乳とコンの実の果汁の割合を決めるためコップを出し、ボウルを傾けてコンの実の果汁をコップの三分の一ほど注ぎ入れ、牛乳も同量注ぎ入れてスプーンで混ぜて味見。
うん、コンの実の果汁の甘さと牛乳のまろやかさがピッタリで、これだけでも飲み物として出せそうだ。
「ますたぁ! いくとも、いくとも!」
はいはい、ちょっと待ってな。
同じのを作ってやったら一気にゴクゴクと飲み干し、目と表情を輝かせて美味しいと叫ぶ。
そういう反応をされると作りがいがあるよ。
「なにあれ」
「下手なジュースより美味しそうじゃない?」
「それより出汁の香りが――」
今度は割合を変えて試飲。
牛乳多めだとまろやかさが勝ってコンの実の果汁の甘さが弱まって、コンの実の果汁多めだと牛乳の風味をあまり感じられない。
これは同量ずつが良さそうだから、それでパン生地作りに取り掛かろう。
ボウルへ小麦粉を入れて牛乳とコンの実の果汁を同量ずつ注ぎ、少量の塩と砂糖を加えて生地を作る。
「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅぎゅ~♪」
イクトが体を揺らしながら歌う微妙な歌をBGMに生地をこね、まとまってなめらかになったらバターを加えてさらにこねる。
ツヤが出てきたら発酵スキルで膨らませ、再度こねてガス抜きをしたら生地を分けてバットに並べる。
このまま生地を寝かせてる間にスープの調理を進めよう。
鍋に浮いてる灰汁を取り、味を確認したら良い具合だから出汁の干し肉を取り出して火力を弱め、潰したトマトと牛乳を加えてお玉で混ぜて馴染ませる。
干し肉は具材にも使うから切り分け、カブの葉以外の野菜と一緒に鍋へ入れて煮込む。
「ますたぁ、スープおいしそう」
「まだ出来てないから、少し待ってくれ」
煮込んでる間にパン作りの続きだ。
すり鉢にある粗く潰したコンの実にマヨネーズを加えてスプーンで混ぜ合わせ、寝かせておいた生地を広げて平たい形にしてコンの実のマヨネーズ和えを乗せる。
それを二つ作ったら発酵スキルで二次発酵させ、借りてきた魔力オーブンで焼く。
焼いてる間にパンの材料を一旦アイテムボックスへ入れたり、スープの灰汁取りをしたりカブの葉を加えて軽くかき混ぜたりして待つ。
「ますたぁ、いいにおいする!」
鼻をひくつかせて匂いを嗅ぎながら、魔力オーブンを凝視するイクトがなんか子供っぽくて可愛い。
いや、一応子供か。
卵から産まれて数日程度の。
「なにあれ。幼い弟みたいで可愛い」
「普通に子供じゃん」
「聞いてた以上なんだけど」
だよな、イクトはたまに息子可愛いと思うけど基本的に弟可愛いよな。
周囲の声に同意しつつスープを混ぜ、小皿にスープとニンジンを取って味見。
ん、良い味だ。
「イクト、スープ味見するか?」
「する!」
魔力オーブンへ向いてた顔をこっち向け、眩しい笑顔を見せてくれる。
そんなイクトへ、ジャガイモとタマネギとスープを乗せた小皿を渡す。
「熱いから気をつけてな」
「うん! ふー、ふー」
息を吹きかける姿に周囲の女性プレイヤー達から可愛いと声が上がり、同時に作業失敗の小さい爆発が何度か起きる。
だけどイクトはスープの方が気になるのか反応せず、冷ましたスープを飲んだ。
「おいしい!」
満面の笑顔と美味しいの一言って、何度見聞きしても本当に良い。
美味い料理を作れてるって実感できて、とても嬉しい。
そんな気分に浸りながらスープを混ぜてると、魔力オーブンから焼き上がりの音が鳴った。
「どら?」
スープを煮てる火を最弱にしてから離れてオーブンを開けると、小麦やバターの香りに交じってコンの実の甘い香りとマヨネーズの香りが広がった。
「ふわー!」
匂いだけでイクトが大興奮してる。
「これが飯テロ、なのか?」
「コンの実って、こんなに甘い香りするの?」
「パン屋へ行くぞ! コーン系のを買い漁るんだ!」
「わー! 鍛冶ミスった!」
周りの騒がしい声は聞き流し、オーブンから二つのパンを取り出す。
平型のパンに乗せたコンの実のマヨネーズ和えがフツフツと沸騰して、まさしく焼きたてだ。
これに息を吹きかけて冷まし、ちょうだいちょうだいと手を伸ばすイクトへ一つ渡す。
コンマヨ牛乳パン 調理者:プレイヤー・トーマ
レア度:2 品質:7 完成度:89
効果:満腹度回復11%
魔力+2【2時間】 運+2【2時間】
水を使わず牛乳とコンの実の果汁で生地を作ったパン
粗く潰したコンの実のマヨネーズ和えが乗せられてる
パンはふんわり、マヨネーズはトロリ、コンの実はシャキシャキ
食感の三重奏が生み出す味わいに牛乳の風味がピッタリです
「おいっしー!」
情報を確認してる間にイクトが食べていて、飛び跳ねながら触覚とレッサーパンダ耳を激しく動かしてる。
美味しいと言って貰えた上に良い反応をしてくれてるのに、なんか毒見させたようで悪い気になりながら一口。
おお、確かに美味い。
パンのふんわりとコンの実のマヨネーズ和えのトロトロとシャクシャクが合わさって、噛んでるだけで楽しい。
そしてなにより、下手な菓子パンと違って自然な甘さだから食べやすい。
「チーズよりこっちの方が良いかも」
表示された情報や数値とは関係無く、そう思う。
というか待てよ。
潰したコンの実をマヨネーズで和えるんじゃなくて、削ったチーズを乗せてもいいかも。
スーパーやコンビニにあるような、ピザパンみたいな感じで。
チーズが手に入ったら、試してみるのも有りだな。
「ますたぁ、もういっこ! もういっこつくって!」
そう言われても、これから作るのは今夜のお疲れさま会兼イクトの歓迎会で出すパンだから、一個といえど言われるがまま作って差し出すことはできない。
「駄目」
だからこそきっぱりと断る。
するとイクトはガーンって擬音でもさせてそうな表情になり、直後にしがみ付いてきた。
「おねがい、ますたぁ……」
目をウルウルさせて上目遣いしても駄目。
これはイクトだけに食べさせる物じゃなくて、皆で食べる物だ。
「今夜食べられるから、我慢しろ」
「……はぁい」
触覚とレッサーパンダ耳を力無くペタンとさせて、雨に濡れてる捨てられた子犬みたいな顔された。
でも駄目なものは駄目だ。
いくらイクトの頼みでも、特別にもう一個作ることはできない。
せいぜい、まだ一口しか食べてない俺のパンを半分にして口を付けてない方を分けてやるぐらいだ。
「ほら、これで我慢してくれ」
「わぁい!」
口を付けてない側の半分を差し出すと、ペタンとしてた触覚とレッサーパンダ耳をピンッと立たせて喜んでパンを受け取り、とても美味そうに食べだした。
さて、シープン一家に渡すのと今夜のお疲れさま会兼イクトの歓迎会に出すため、トマトクリームスープとコンマヨ牛乳パンを量産するか。




