日常生活
UPO開始から初めての平日となる月曜日。
いつも通り昼営業のための仕込みを手伝ったら、朝飯を食って高校へ向けて出発。
「おっはよー! トーマ!」
「ごほっ!?」
通学に使うバスに乗るためバス停へ向かう途中、背中を思いっきり叩かれた。
叩かれる直前の声からして早紀に間違いない。
というか、身近にいるのでこんなことをするのは早紀以外にいない。
「お前な。足音も無く忍び寄るなよ」
「だって足音立てたら、トーマ避けるじゃないか」
「当たり前だ」
誰が好き好んで、全力で背中を叩かれるかっての。
「そうそう、トーマがログアウトした後のことを教えるね」
急に話題を方向転換すな。
まあいつものことだからもういいけど、昨日は夜営業の手伝いがあるから先にログアウトして、それからどうなったのやら。
「あの後で、教えてもらった食材は牛乳以外、全部手に入れたよ」
全部いったのかよ。
牛乳は俺じゃないと入手できそうになかったけど、それ以外は全部確保したのか。
バス停でバスを待っている間に聞かされた話によると、オークとリバークラブとコーヒープラントは問題無く倒せたそうだけど、メガリバーロブスターは外見がザリガニだったから長谷がポンコツ化したらしい。
あいつ見た目が似てるロブスターや伊勢海老は平気のくせに、ザリガニだけは駄目だもんな。
「でねでね、コーヒープラントの時は静琉が蔦で逆さ吊りにされちゃってさ、皆で慌てて助け出したよ」
バスに乗ってからも早紀の軽快なトークは止まらない。
こういう時は止めても無駄だから、好きに喋らせとくのがいいと経験上知ってる。
「助けた後で静流が言ってたよ。トーマがいなくて良かったって」
「なんでだ?」
「だってほら、僕達の中で唯一装備がスカートじゃんか。逆さ吊りにされたら、めくれちゃうでしょ?」
なるほど、そういうことか。
でもバスの中で言うな。何人かがこっちを向いたぞ。
「真っ赤になって必死にスカート押さえてる静流、可愛かったよ。ニシシッ」
ゲームとはいえ、友人の危機をそういう風に笑うな。
でも確かに、その場に俺がいなくてよかった。
もしも居合わせてたら、今後の友人関係に支障が出ていたかもしれない。
「ちなみに中がチラッと見えたんだけど、聞きたいかい?」
「いや、そういうのいいから」
全く興味が無いと言ったら嘘になるけど、聞いたら気になって本当に友人関係に支障が出かねない。
「といっても全年齢向けのゲームだからね。めくれちゃっても、どうせ下はスパッツなんだけど」
そういえばそうだった。全年齢向けだから、そういう対策がされてるのを忘れてた。
「あっ、なんかやらしい想像した? トーマのスケベ」
「お前が紛らわしいこと言うからだろ」
ったくこいつは。
ここがバスの中じゃなかったら、もっと大きな声で否定して、そのニヤニヤ顔を浮かべてる頭へチョップを落としてるところだったぞ。
「まあそういう訳で、オーク肉とコーヒー豆と蟹と海老、その他諸々は手に入れたから今夜のログインで料理よろしく」
「はいはい。ちなみに持たせておいたのは残ってるのか?」
「残ってるわけないじゃないか。完食したよ」
無駄に良い笑顔でサムズアップする早紀。だろうと思ったよ。
「牛乳を入手してから調理しても大丈夫か?」
「できれば一品でいいから、先に何か作ってほしい。全部食べちゃった後も遊んで、満腹度がだいぶ減少してるから」
はいはい、そうですか。
「分かったよ。あまり時間を掛けない方がいいか?」
「うん、それでお願い」
「了解。なんか考えとく」
「オッケー、よろしくね。いやー、持つべきものは料理上手の幼馴染だね」
まったくこいつは。
そういえば、その他諸々って何を入手したんだ?
作る料理を考えるために聞いてみると、また鶏肉や卵を大量入手したらしい。
狙いは牛乳と一緒に使いやすい卵で、鶏肉はついで?
だとしても、使う方の身にもなってくれ。あまり多いと使うのに困る。
で、他は何? 教えてもらった茶葉に、能瀬が採取したハーブと木の実と薬草、早紀が川で釣った魚、それとなんだかよく分からないキノコ?
「ハーブなんかと一緒に静流が採取したんだけど、食べられるってこと以外はよく分からないキノコなんだ」
これはあれか、食材目利きがないと豚肉や鶏肉の部位が分からないのと同じで、表示される情報だけだと詳細が見抜けないやつか。
「分かった。今夜のログインで確認する」
「よろしくー!」
まあ、食べられるんだから変なキノコじゃないだろう。
そう自分に言い聞かせてる間も早紀はペラペラ喋り続け、相槌を打ちながら何の食材や調味料が残ってたかを思い出しているうちに、高校最寄りのバス停へ到着。
出くわした友人らと挨拶や雑談を交わしながら教室へ向かい、長谷と能瀬と桐生からもログアウト後のことを聞いたら授業を受けるという、いつも通りの学校生活を今日も送る。
「しっかし、斗真も人が良いよな」
昼休み。学食でラーメンをすすってたら、向かいに座ってカレーを食ってる友人の間宮健にそう言われた。
「なにが」
「杉浦達に付き合って、ネトゲやってるとこがだよ。それともアレか、ゲームの中とはいえ得意の料理で胃袋を掴んで、杉浦達の気を引こうって腹か」
朝に早紀が見せたのと同じ、下心満載のニヤニヤ顔を向けるな。
こいつとは小学校からの付き合いだけど、昔からこういう奴だ。
女子の気を引くことばっかり考えて、やらんでもいいことをやった結果、気を引くどころか逆に距離を置かれる。
そんな滑稽な様子は見ていて面白いから、周りの認識は残念な三枚目って感じだ。
悪い奴ではないんだけど、やることなすことが残念で笑いを誘う。
「斗真君は、そういうこと考えないよ。単に、人がいいだけだよ」
間宮の隣の席できつねうどんを食べながら陰気な様子でオドオド喋るのは、同じく小学校からの付き合いの後藤晋太郎。
外見も言動も完全に陰キャだけど、手先が器用で絵とかプラモ作りが上手い。
中学校時代の美術の授業で、担当教師の頭を何度も抱えさせたほど絵がドヘタな俺としては羨ましい。
プラモだって設計図通りには作れるけど、そこへ塗装とかオリジナル要素を加えると何故か上手くいかず、よく分からない悲惨な物体になってしまう。
「いーや、分かんねぇぞ。斗真だって男だもんな、ちょっとはそんな気あるんじゃねぇの?」
人にスプーンを向けるな、行儀が悪い。
「無いって。というか、そんな不埒な気持ちで料理したくない」
料理を作って、結果的に有名になったり異性の胃袋を掴んだりしたならともかく、それ目当てで料理したくない。
作った料理の味には不思議と料理人の気持ちが表れる。
下心を持って料理すると、それを食べた人に味を通して下心が伝わって不快にさせてしまう。
だから料理をしてる時、妙な気持ちだけは絶対に抱くな。
それが祖父ちゃんから教わった心構えだ。
スポーツで言うところの、気持ちがプレーに表れるとかそういうのだな。
「かー! 真面目か! 斗真お前、真面目か!」
なんか似たような言い方を、UPOで早紀にされたな。
ああ、あれだ。ハズレ依頼を受けた理由を説明した時だ。
「でもさ、斗真君らしいじゃん。昔から料理好きだもんね。そういうことに、使いたくないんだよね」
「晋太郎は理解があって助かる。健、お前との友情は一度ゼロからやり直す必要がありそうだな」
「なんでだよ!? お前と友情を築いたこれまでの長い年月は、一体どうなるんだ!?」
「水泡と帰す」
「無慈悲!? そして晋太郎も、無言で冥福を祈る感じで手を合わせんな!」
こいつは何年経っても弄り甲斐があるな。さすがは残念系三枚目。
それを引き立たせるツッコミを促した晋太郎のリアクションも、実にナイスだ。
「くぅ~。冷たい友情が染みるぜ」
訳の分からないことを口にした健は、カレーをずらしてテーブルに伏せた。
食わないのか? 冷めるぞ。
「で、杉浦さん達とのゲームは、どう?」
「割と楽しんでる」
互いにラーメンときつねうどんをすすりながら、伏せた健は無視して晋太郎と会話する。
「再現度が凄くてさ、本当に料理してるみたいなんだよ」
五感が現実と同じだから、視覚だけでなく味覚も嗅覚も聴覚も触覚も全てが伝わってくる。
料理を切る感触、調理中に聞こえる音や漂ってくる香り、そして味と食感。どれもゲームの中とは思えないほど現実味があった。
「そっか、なら良かったね」
「ああ。良い意味で予想と想像を裏切られて、料理中についテンション上がった」
「それだけ再現度が、高いんだね。最近のVR技術は凄いって聞くけど、本当なんだ」
全くもってその通りだよ。
まさかゲーム内の料理でテンションが上がるとは思わなかった。
そう思いつつ、最後にスープを一口だけすすって完食。
晋太郎の方も同じように、最後にスープを一口すすって完食した。
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさん」
「お前ら、いつまで俺を無視してんの!?」
やっと顔を上げたか。
「なんか用か? 友情が水泡に帰して、関係がゼロからリスタートになった間宮」
「ちょっと待て、それマジで実行するのか? だから晋太郎、無言で冥福を祈るように手を合わせるなって!」
反応が良いから、こいつを面白おかしく弄るのは本当に飽きない。
どうやら晋太郎も同意見のようで、陰気な様子ながらも微笑んでサムズアップしたから、こっちもサムズアップで返した。
「なんだそのダブルサムズアップ!? マジで友情のやり直しを実行しないよな? なぁっ!?」
「どうする、晋太郎」
「えぇっ、そこで僕なの? えっ、えっと……健君の、態度次第? かな?」
「申し訳ありませんでした! どうか友情のリセットだけはご勘弁ください!」
額をテーブルにぶつけるほど頭を下げたよ、こいつ。
いや、マジでぶつけたよガツンと。
お陰でこっちへ注目が集まって、人目に晒されるのが苦手な晋太郎が、椅子の上で膝を抱えて顔を伏せて震えてる。
「……分かったよ、許すから頭上げろ」
これで許さなかったら、こっちが悪者みたいだし。
「本当か! ありがとな!」
顔を上げた健の額は真っ赤になっていた。
割れてないよな? うん、流血はしてないから割れてはいないか。
「ねぇ斗真君、視線はもう逸れた? 皆、こっちを向いてない?」
「まだちょっと向いてる」
「ひいぃぃぃっ……」
晋太郎も晋太郎で、もう少しシャキッとしてくれ。
こんなんじゃ、将来が心配だぞ。
*****
昼休みに瑠維と美蘭と静流、それとクラスメイトの友人二人と学食で食事してたら、大声と何かにぶつかる音がした。
そっちを見たらテーブルに額をぶつけるほど頭を下げた間宮と、椅子の上で膝を抱えて蹲る後藤、それと呆れた表情のトーマがいた。
「なにかと思ったら間宮か」
「うふふ。今回は何をやらかしちゃったのかしらね」
「どうせ女の子関係に決まってる」
だろうね。というか、それしか思い浮かばない。
「顔は悪くないのにねー」
「思考回路がアホ」
気だるそうな口調で喋るのは、ギャルな外見をした友人の山本咲。
高校に入ってから出来た友人で、字は違えど名前が同じなのを切っ掛けに声を掛けてなんとなく意気投合した。
対して平淡な口調で淡々と喋ったのが、咲から紹介された同じ中学出身の友人だっていう狭山月。
月と書いてムーンと読む変わった名前をしてる子で、外見は小柄で前髪ぱっつんな童顔をしてる。
今時そういう名前は珍しくないとはいえ、幼い頃は色々あったようでなかなか心を開いてくれなかったけど、咲がいるお陰で割と早く僕達と馴染んでくれた。
「つーか、桐谷と後藤はよくあのアホとつるんでられるよね。どっちも小学校からの付き合いなんしょ?」
「そうだよ」
サンドイッチを食べる咲にカツ丼をほおばりながら答える。
トーマがいたら、行儀悪いから食べながら喋るなって言うだろうね。
分かってるならやるな、っていうのは言いっこなしで。
「言動はアレだけど悪い奴じゃないからさ。なんかこう、憎めないアホっていうか」
「あー、分かるわー。アホっちゃアホだけど、憎めないよね」
人間的にも学力的にもアホなのは否定しない。
だって、トーマと後藤もそう思ってるだろうし。
「だからといって、男性としてどうかは別問題だけどね。うふふ」
ハンバーグ定食を食べてる美蘭が、鋭い言葉の刃でズバッと言い切った。
まあ僕も同感だし、皆もうんうん頷いてるけどね。
「逆に椅子の上で膝を抱えて縮こまってる後藤君は、もっと堂々とすべき」
「言えてるわね。中学の時から、あんなだったし」
「視線が集まっただけでああなっちゃうのは、ちょっと拙いよね」
鶏そぼろ丼の大盛を食べてる月の意見に、たぬきそばを食べてる瑠維と焼肉定食を食べてる静流が同意した。
「あれはしょうがないよ。ほら、あんな陰気な感じだから小学校の時、標的にされちゃってさ」
「「「「「あー」」」」」
元々気弱なのに、その時の経験が陰気臭さを加速させた。
尤も、後藤を標的にしてた連中のリーダー的存在がトーマに大怪我させた騒動を機に、自然と治まっちゃったけどね。
カツ丼をほおばりながら当時の経緯を説明したら、咲と月はうわぁって表情になった。
「そんなことあったの? ヤバいじゃん、それ」
「早紀はその場に居合わせたの?」
「居合わせたよ。頭から流血してるトーマを見て、死んじゃうって思ってマジ泣きした」
あの時は本当に怖かった。
先生を呼ぶとか救急車を呼ぶとかなんて考えられず、トーマが死んじゃうんじゃないかってことで頭がいっぱいになって、パニクってマジ泣きしたくらいにね。
「改めて聞くと、本当に大事よね」
「後遺症が残らなかったのが、なによりね」
「下手をすれば、料理人を目指せなかったかも」
もしもそうなってたら、トーマはどうなっちゃってたんだろう。
だけど、そんな不幸なもしもの話をしてもしょうがないか。
だってトーマは後遺症もトラウマも無く、普通に生活して料理人を目指してるんだから。
「そーいえばさ。例のネトゲの方はどうなの?」
「めっちゃ楽しんでるよ!」
いずれはガチ勢にガンガン差をつけられるだろうけど、エンジョイ勢の僕達は楽しむのが第一。楽しければそれで良いのさ。
「そっかー。あーしと月は抽選外しちゃったもんね」
「β版も本サービスも外れたから、とても悔しい」
口調は平淡でも月の表情には悔しさが浮かぶ。
悔しい理由は僕らと同じでゲームが好きなのに、UPOをプレイできないからっていうのもあるだろうけど、一番の理由はトーマの作るご飯が食べられないことだろうね。
友達になったばかりの時、親睦会と称して僕の家へ招待して遊んだんだけど、その時のご飯はトーマの家の店へ連れて行っていつも通りトーマに料理してもらったら、月ってば無表情のまま目だけをキラキラさせてた上に味も滅茶苦茶気に入ってたから。
「食べ物は桐谷に頼んだんだよね。どんな料理作ってもらったの?」
「どんなって……」
カツ丼を食べ終えて味噌汁をすすりながら、美欄と静流と瑠維と一緒に作ってもらった料理を順番に説明していく。
いちいち驚いて百面相な反応をする咲に対して、月は表情が乏しいながらも徐々に頬が膨らんできて羨ましいオーラを発する。
へへーん、いいだろー。ゲームの中とはいえ、トーマの料理をたくさん食べられるんだから。
「二次募集には、絶対当たってみせる」
決意を固める月には悪いけど、こればかりは運だから絶対は無いよ。
誰でもUPOをプレイ可能になるのは、いつになるかな。
「あーしも桐谷がゲーム内でどんな料理作るか、ちょっち興味湧いてきたわ」
「今はまだ普通っぽい食材が多いけど、いずれはドラゴンとかリヴァイアサンとかを食べてみたいな」
「あー。そーゆーのはゲームならではだよねー」
「どんな味がするのか、今から楽しみだよ」
まだ序盤なのに気が早いって言われようが構わない。
だって、本当に本気で楽しみなんだもん!
「UPOにヒュドラって出たかしら。戦うのは勿論、食べられるのなら食べてみたいわ」
「私はクラーケンね。ガルーダも興味あるわ」
「私、ミノタウロスがお肉をドロップするなら食べたい」
どのモンスターもUPOに登場するか分からないけど、登場して肉をドロップするなら食べてみたいね。
でも、食べたい筆頭がドラゴンやリヴァイアサンなのは譲らない。
幼馴染ならではの信頼感で、トーマならきっと美味しく調理してくれるって信じてるよ。
おっ、ちょうどそのトーマが食べ終えた器を載せたトレーを手に、間宮と後藤と一緒にこっちへ来てる。
「トーマ、ちょっといいかい?」
「なんだ?」
「今夜のログイン、最初に何を作るか決まった?」
「決まってるぞ」
おぉっ、さすがはトーマ。
美蘭も静流も瑠維も、何を作るのか興味深そうにしてる。
食べられない月はちょっぴり不機嫌そうにしてて、咲に慰められてる。
「それで、何作るの?」
「鶏肉と野菜のピリ辛スタミナ炒めにする。醤油が無いから塩味でな」
それってトーマの家の店で出してるメニューだ。
小さく切った鶏肉を野菜と一緒に炒めて、ニンニクを加えた醤油タレで味付けするやつ。
ピリ辛なのは、輪切りの唐辛子が少し入ってるからだっけ。
それを醤油が無いから塩味にするんだね。
「ちょっと、なんでそんな白米が欲しくなるものを作るのよ」
「うぅぅ……。まだお米は見つかってないのに……」
「もう。そんなのを食べたら、現実でお米を食べたくなっちゃうじゃないの」
言えてる。あれは絶対に白米が欲しくなるメニューだ。
まだトーマはお店で出す許しを得てないけど、おじさんとおじいさんが作ったのを食べたことがあるから分かる。
間違いなくあれは、白米が欲しくなる。
「オーク肉とかリバークラブは使わないの?」
「味が分からないから、最低でも味見が必要だ。時間を掛けてもいいのなら、それを使った料理にするぞ」
それは困る。朝に伝えたけど、前に持たせてくれたご飯を食べ終えた後も遊んでたから、満腹度がだいぶ減ってるんだよね。
「じゃあ、オーク肉とかは後の楽しみにしておくよ」
「そうしてくれ。じゃあ、お先に」
「し、失礼します」
「じゃあな」
トーマが歩き出すと、おどおど頭を下げる後藤とアホっぽい笑みで片手を振る間宮も後に続く。
さぁて、今夜のログインでオーク肉とかをどんな料理にしてくれるのか楽しみだね。
 




