野郎的指導
サードタウンウラヌスへの旅路は順調に進む。
祈祷スキルで遭遇率を下げているものの、レイドで移動しているからたまに戦闘にはなるが、ダルク達とイクト達が主体となって倒し、ルナとアルテミスはチクチク攻撃して経験値を稼ぐ。
「うははっ、ほんとーにかーいー軍団やるねー。特にミコトちゃん、サイコーにクールだし」
「イクト君もなかなかっすよ。色々と変化させて、多彩じゃないっすか」
「見た目からは想像ができない、ネレアちゃんの戦い方が、どうしても気になるよ」
アンデッドを召喚して前衛へ向かわせ、後方から魔法で支援や攻撃をするミコト。
相手や状況によって手足を変え、時には飛行もする変幻自在なイクト。
そして鎖分銅を振り回し、上から叩きつけ、横から薙ぎ払い、正面からぶつけ、時には相手に巻き付けてぶん回して地面へ叩きつけるネレア。
うん、確かに幼女な見た目で豪快な戦い方をする、ネレアが一番気になるかも。
「かったよ、ますたぁ」
「しょーり」
「他愛もないんだよ」
でも嬉しそうに戻ってきたら、全員褒める。
「セイリュウも、お疲れさん」
「この辺りのモンスターなら大した相手じゃないから、疲れてないよ」
次いで彼女を労う。
彼女の可愛い笑み、プライスレス。
「トーマ、トライホーンブルの肉が手に入ったから渡すわね」
「こっちも手に入ったから渡す」
「おっ、サンキュー」
メェナとルナから入手した肉を受け取り、お礼を言う。
どっちもロースか、何に使おう。
「残念、私は手に入らなかったわ」
「トーマお兄さん、その量で足りますか?」
「俺も入手したから、なんとかなるだろう」
肉が手に入らなくて残念そうにするカグラと、量に不安を覚えるアルテミスをフォローする。
俺が入手したのも同じロースだし、同じ料理を作るには問題無い。
えっ、セイリュウも肉が手に入った?
しかもそれもロースとか、今日はロース祭りか。
「ちくしょー! 肉が、肉が手に入らなかったー!」
肉を入手できず騒いでいる、揚げ物狂いの幼馴染は放置でよしっと。
とりあえず戦闘は済んだから、移動を再開。
次のサードタウンウラヌスまでの距離は、残り半分というところか。
時間的に考えて、そこで昼飯かな。
「この調子なら、今日中にフォースタウンハーフムーンへ着きそうね」
「時間に余裕もできそうだし、ハーフムーンに着いたら町を見て回る? それとも生産活動する?」
「お店見て回ろー! どんな素材売っているのかとか、どんな服売っているのかとか!」
「それでしたら、何組かに分かれて行動しませんか?」
時間を確認したカグラの呟きにダルクが提案し、それにマーウが乗っかってアルテミスがさらに提案をする。
他の皆から反対意見は出ず、俺としても飯のために使える時間を取れるのは助かるから、その案が採用になった。
「だったらディーパクト、店を巡って食材を見に行かないか? 魚貝類が色々あって、見ているだけでも楽しいぞ」
「マジっすか!? 行くっす!」
挙手して同行を希望するディーパクトに、真似してイクト達も一緒に行くと手を挙げる。
いや、俺のテイムモンスターのお前達は強制的に同行だから、そんなことしなくても大丈夫だぞ。
とはいえ、そんな様子が微笑ましい光景には違いなく、皆がつられて笑っている。
このまま何事も無く、先の町へ着けるといいなと思っていたら、前方に戦闘をしている集団が見えてきた。
正確には分からないが十人以上いそうだけど、巨大な虎みたいなモンスターと戦っているのは六人だけ。
他は距離を取って立ち、戦っている六人へ声を飛ばしている。
「あら、戦闘中みたいね。邪魔しないように、避けて行きましょう」
特に苦戦している様子も無く、他に仲間もいるみたいだからと、メェナの言う通り邪魔にならないよう迂回する。
さりげなくそっちを見ると、いるのは全員男で距離を取っている面々がしているのは、ちゃんとした応援。
「弱い人を強いモンスターにぶつけて、イジメているわけじゃないみたいだね」
ホッとした様子のセイリュウの呟きに、そんなことをする人もいるのかと呆れを覚える。
まあ、そうでないならいいんだけど、なんてことを思いながら応援している一団を見ると、その中の二人がこっちに気づいて目が合った。
挨拶ぐらいはした方がいいかなと、会釈を――。
「おいお前ら! 勝手に入ってくんな!」
「ここは俺達の狩場だぞ!」
しようとしたら、なんか因縁をつけられた。
気が弱いむらさめと、相手が年上の男達だからかディーパクトとアルテミスの体がビクッと跳ねる。
勝手に入るってどういうことだ、それと狩場ってなに。
「あー、気にしないで。移動中に通りかかっただけだからさ」
「邪魔したのなら、ごめんなさいね。すぐに出ていくわ」
冷めた目をしたダルクとメェナが軽くあしらおうとするから、関わらない方がいいんだろう。
「トーマ君、面倒そうな人達だからこのまま行くよ」
隣から小声で伝えてくれたセイリュウに頷いて返し、ムッとしているイクト達に行くぞと声を掛け、先へ進む。
「なんだその態度は。狩場とは知らずに邪魔して申し訳ありません、通らせていただきます、だろうが」
そっちのその態度こそ、なんなんだ。
どうして通りかかっただけで、そんなにへりくだった言い方をしなくちゃならない。
波風立てずに通り過ぎようとしているんだから、そっちから波風立てるのは止めてくれ。
厄介だから足早にこの場を去ろうとすると、男達の仲間が行く手を遮る。
こいつら、いつの間に。
「待てよ、迷惑かけておいて無視とはいただけないな。詫びに何か置いていけよ」
「迷惑もなにも、すぐに出ていくって言ったじゃないか」
「はぁっ? 俺達に逆らうつもりか?」
ダルクめ、余計なことを。
ここは逆らわず上手く宥めて退散の一手だろうが。
そうこうしているうちに戦闘をしていた奴らまで来て、面白そうなことしているなと言ってニヤニヤ笑い、少し不味い雰囲気になってきた。
逃げようにも、いつの間にか囲まれている。
完全に囲まれた訳じゃないし、プレイヤー同士の勝負は拒否してあるが、俺も含めて非戦闘員が四人もいるこっちの方が不利だ。
「なんだ、女ばっかりじゃねぇか」
「しかもなかなか見た目が良いのが揃ってやがる」
「俺達と遊んでくれたら、許してやってもいいぜ」
「ガキと男は、金かアイテムを寄こしたら許してやるよ」
こいつら全員、こんなのか。
胸のデカい巫女さんがいいとか、露出の多い狼の子にしようとか、遊ぶならギャルだろやっぱとか、こっちにも聞こえるように言っているからダルク達も不快な表情をしている。
「なんだその顔、俺達と遊ぶのが嫌なのか?」
「俺達はあの野郎塾に所属しているんだ。付き合っておいて、損は無いぞ」
はぁっ? こんな連中が野郎塾のメンバー?
組織が大きくなって人数が増えれば、末端まで完全に掌握するのは無理と分かっている。
しかし、こんな連中が塾長の下にいるなんて。
「さあ、分かったら女達は俺達と一緒に来な」
「楽しーく遊ぼうぜ」
下品な笑い声を上げる連中を睨むが、人数の利があるせいか向こうは意に介さない。
不安な表情で寄り添うセイリュウの背中に手を回し、戦えなくともいざという時は守れるようにする。
ダルクとメェナとイクト達は臨戦態勢を取り、マーウとルナとアルテミスとディーパクトは不快そうな表情を浮かべ、むらさめはビクビクと怯え、カグラは俺達の陰に隠れてステータス画面を表示させて何かの操作をしていた。
ひょっとして、GMコールか?
そうだな、これは明らかにGMコールしていい案件だ。
「くおらぁっ! 貴様ら、なにをやっておるか!」
あとはコールをするだけ、というところで大声が響き渡り、それに驚いてカグラの手が止まった。
直後に男達の表情から笑みは消え、引きつったり強張ったりと不味い状況に出くわしたようなものへ一変する。
こっちも突然の大声に驚き、誰かと周囲を見回す。
「や、やべぇ、ゴリ髭教官だ」
「ひぃぃ、マジかよ」
戦っていた連中の背後を見た男達が怯えているから、俺達も少し移動してそっちを見ると、三人の男性プレイヤーがこっちへ近づいて来ていた。
先頭を歩くのは、古ぼけた軍服風の服を着て竹刀を持つ、髭もじゃでゴリラみたいな顔つきの男性プレイヤー。
あの人は前に一度見たことがある。
確か野郎塾のメンバーで、塾長がゴリ髭とか呼んでいた五里蔵って人だ。
その後ろにはマントを羽織った精悍な顔つきの男性プレイヤーと、シルクハットを被ったタキシード姿で鼻の下あたりに髭を伸ばす胡散臭そうなマジシャンのような男性プレイヤーがいる。
五里蔵の後ろに続いているってことは、あの二人も野郎塾のメンバーなんだろうか。
「貴様ら~。自主的に訓練をしに行ったと聞いて、殊勝な心掛けと思い様子を見に来てみれば、何してやがる!」
怒る五里蔵が地面を竹刀で叩くと、男達から「ヒィッ」って悲鳴が上がった。
「塾長からの訓示を忘れたか! 己の欲に溺れるべからず! 野郎塾の名を無暗に利用するべからず! 誇りは持てども驕るべからず! 貴様らは己を驕り、自らのきたねぇ欲望を満たすためだけに、野郎塾の名を利用した。教官として見逃すわけにはいかん!」
詰め寄る五里蔵に男達はビクビク震えるだけで、反論も反抗もしない。
さらに五里蔵の後ろにいた二人が進み出て、片方が「この状況では言い逃れできまい」と告げると、一斉に頭を下げた。
『申し訳ありませんでしたー!』
「いまさら謝っても許すわけがねぇだろう! 全員、その場に座れー!」
『はいぃぃぃぃっ!』
再び竹刀を叩きつける五里蔵に言われるがまま、男達が地面に正座すると説教が始まる。
俺達はどうするべきかと顔を見合わせると、精悍な顔つきの男性プレイヤーから手招きされ、胡散臭そうなマジシャンからは「皆さん、こちらへ」と声を掛けられる。
このまま立っていてもなんだから、地面に正座する男達の間を抜け、少し離れた位置にいる二人の下へ向かう。
「お前達、うちの塾生達が悪かったな」
「同じ塾生として、彼らに代わり謝罪しましょう。申し訳ありませんでした」
あっ、良かった。この二人はまともな人達だった。
「いえいえ、こちらこそ助けてくれてありがとうございます」
真っ先にお礼を告げたカグラに続き、俺達もお礼を告げていく。
イクト達もちゃんとお礼を言い、互いに自己紹介をすることにした。
まずは俺達の方からすると、塾長から俺やダルク達の話を聞いていたようで再度謝られた。
「俺は野郎塾塾生会が一人、名はAKという」
「同じく野郎塾塾生会の一人、公爵Dと申します」
どっちも名前が英語表記なのか。
というか塾生会ってなんだ。
「あの、野郎塾は知っているけど塾生会って?」
手を上げたダルクが尋ねるとAKが教えてくれた。
塾生会とは、野郎塾における生徒会のようなもの。
塾長、五里蔵やリョーチョウやフドーといった教官、それに次ぐ塾生達の中から選ばれた精鋭の集まりで、説教をされている塾生達とは格が違うとのことだ。
格ってレベルとかそういうのか?
「つまり、それだけ高レベルってこと?」
「いいえ、違います。レベルだけならば、私達塾生会に匹敵する塾生は多くいます」
「我々塾生会に所属する者達は、レベルの差をもひっくり返すほどの戦闘技能を持っている者達。レベルだけで測れる単純な強さだけでは、塾生会の一員にはなれん」
興味深そうなルナの質問を公爵Dが否定し、AKが説明をする。
レベルによって上がった能力によるゴリ押しは駄目で、他にも色々な要素が必要ってことか。
ただ、戦闘はしていないから、どんな要素が必要なのか分からない。
「言い訳になってしまいますが、彼らは第二陣から入塾した新入りでしてね。まだ教育が行き届いていなかったようです。そのせいで、大変失礼しました」
「教育係を任された我々の至らないばかりに、申し訳なかった」
責任者のような立場なら、ここまで謝罪するのも納得だ。
だけど、ここでなあなあにするのは良くないし、これからしっかり教育するよう伝えておいた。
「――よって、貴様らのような愚か者には特別訓練を受けてもらう! AK、公爵D! これより野郎塾名物、冥道紅蓮凶歩を行う、準備せい!」
「「はっ!」」
な、なんだって?
めいどうぐれんきょうほ?
五里蔵に呼ばれたAKと公爵Dが返事をして、アイテムボックスから色々と取り出す。
自分がやるわけじゃないのに、なんだかいやーな予感がする。
皆で何が起きるのか見守っていると、立たされた男達は定食が載せられるくらいのお盆を両手で持たされ、それぞれのお盆の上に油で満たされた丼と蝋燭が二つずつ、互い違いに置かれた。
「きょ、教官殿、これは一体!?」
「ふっふっふっ、貴様らの耳は節穴か。これぞ野郎塾名物、冥道紅蓮凶歩!」
再度その名を告げた五里蔵により、説明が始まる。
冥道紅蓮凶歩
それはかつて僧侶や武道家によって行われていた精神訓練。
陰陽を司る白と黒の勾玉のように、油で満たされた丼と火が付いた蝋燭を二つずつ互い違いに盆へ載せ、盆が手以外の個所に触れないよう持って二本の蝋燭の火が消えるまで野外を歩き続ける。
手元に集中して足下への注意が疎かになって躓いたり、緊張や疲労から腕が震えたり、何かの拍子に丼と蝋燭を倒せば目の前が紅蓮の炎に包まれるのは必定。
己の体勢の維持だけでなく、周囲にも気を配らなくてはならない、まさに極限の精神修業。
成し遂げた者は険しい冥府への道を抜けたとして、畏敬の念を送られたという。
この訓練は現代における競歩やウォーキングの起源とされ、一種の体幹トレーニングとしてごく一部で未だに続いているとの噂もある。
なんというか、本当なのか嘘なのかよく分からない。
ありえなさそうなんだけど、ひょっとしたら実際に行われていそうな、そういう妙な説得力がある。
「実在した訓練方法なのでしょうか?」
「さあ?」
アルテミスとディーパクト、これに関しては深く考えない方がいいぞ。
「ていうーか、あれだけの数のお盆と丼と蝋燭、なんで持ってんの?」
「全部の丼を満たすだけの油も、何故持っているんだろう」
「常に持ち歩いているのかな? でもなんのために?」
訓練とは別の疑問をマーウとルナが口にして、むらさめもどうしてか分からず首を傾げる。
そうだよな、なんであんなものが当たり前のように用意されているんだろう。
「この訓練を乗り越えられた奴は、それで勘弁してやろう。だがしかーし! 失敗した者にはまた別途、特別訓練を課すものとする」
別途特別訓練と言われ、男達の表情が引きつる。
「全員の蝋燭に火を点けたら開始とするが、不正しないようわしらが見張るため全員で同じ方向へ歩くべし。また、この訓練は野外を歩くものなので、町の中へ入ることは禁ずる」
町の中へ入れないのなら、モンスターと遭遇したらどうすればいいんだ。
「お、おっす! 教官殿! この状態で町の外を歩いている最中にモンスターと遭遇したら、どうすればよいのでありましょうか!」
「バカ野郎! そんなもん、貴様らでなんとかしやがれ! 言っておくが、わしらは身に降りかかる火の粉しか、払う気はねぇからな!」
厳しいと言うべきか酷いと言うべきか。
困惑した様子の男達は、助けを求めるようにAKと公爵Dへ顔を向ける。
「教官のおっしゃる通りだ」
「難しいことではありませんよ。丼も蝋燭も倒すことなく、撃退するか逃げれば良いのです」
その通りではあるが、逃げるのはともかく、どうすればあの状態でモンスターを撃退できるんだ。
だけどあのAKと公爵Dからは、それをやってのけそうな雰囲気がある。
そうこうしているうちに五里蔵の手で蝋燭に火がつけられていき、全ての蝋燭に火が点った。
「よーし、冥道紅蓮凶歩、開始!」
竹刀を地面に叩きつけた五里蔵の合図で、男達が一斉に同じ方向へ歩き出す。
「お前達、迷惑を掛けたな。これはせめてもの詫びだ」
近づいて来た五里蔵は告げてステータス画面を開くと、こっちへ金と素材が送られてきた。
できれば武器を渡したかったが、俺達に合う物が手持ちに無いとのことで、これで勘弁してほしいとのことだ。
全員で内容を確認して、文句は無いと伝えると改めて謝罪をして、五里蔵は見張りのため男達の下へ向かう。
「では、俺達もこれで失礼する」
「また機会があれば、会いましょう」
見張りに同行するAKと公爵Dも、そう言い残して男達の下へ向かう。
それを見送った俺達は、気を取り直してサードタウンウラヌスへ向けて出発する。
「まったくもー! お詫びは貰ったけど、あいつらムカつくよ!」
「あのやらしー目を思い出すだけで、寒気がするんだけど!」
ダルクとマーウが、さっきの出来事におかんむりだ。
これはしばらく放置して、ガス抜きをさせた方がいいか。
「精々、あの意味不明な訓練で地獄を見ればいいのよ」
「本当に嫌ね、ああいう下種な人達は」
メェナとカグラも恨み節を口にしている。
というかカグラが下種なんて言葉を使うとは、相当怒っているな。
「ああいうのがいうのは、悲しいところっすね」
「MMOあるあるだけど、実際に体験すると、嫌だね」
「嘆かわしいことですね」
ディーパクトとむらさめとアルテミスも、うんざりした様子を見せている。
「セイリュウはあとで、なにがなんでも守ってくれそうだった旦那様に慰めてもらうといい」
「だだだ、旦那様!?」
あんな事があったのに、ルナはマイペースか。
でもって不快そうだった顔を真っ赤にして驚くセイリュウが可愛い。
今すぐ慰めてもいいが、確実にからかわれそうだよな。
とはいえ嫌な事があった直後なのは確かだから、「何事も無くて良かったな」と声を掛けて頭を撫でてやった。
結果、セイリュウは真っ赤になって沈黙し、ダルク達からはニヤニヤ笑顔を向けられた。
「マスター、今回の件を塾長さんへ伝えることを提案するんだよ」
「そうだよ、ますたぁ。じゅくちょうさんに、あのひとたちしかってもらおう!」
「じゅーちょーさんに、めっ! してもらーの」
ミコトの提案にイクトとネレアが賛同すると、ダルク達もそれに同意する。
そうだな、五里蔵からも伝わるとはいえ、こっちからも伝えておこう。
というわけで、今回の件を全て包み隠さず書き、既に五里蔵達から謝罪と詫びを受け取った旨も添えたメッセージを塾長へ送った。
返信はすぐに届き、謝罪とその者達への制裁は任せておけとあった。
「さーて、これで少し溜飲が下がったけど、まだ気分が悪いからお昼はたっぷり食べるぞー!」
いやダルクよ、お前は気分が良かろうが悪かろうがたっぷり食うだろう。
「ちなみにお昼は何にする予定?」
「チャーハンでも作ろうと思っていたが、トライホーンブルの肉が手に入ったし牛丼みたいなものを作ろうと思う。紅ショウガは無いけどな」
『イエーイ!』
メェナからの質問に答えると、何人かが喜んでハイタッチを交わす。
早くて美味いの代表格だし、そこまで難しくないからディーパクトにも教えやすい。
そのディーパクトには、乾燥野菜出汁のスープでも作ってもらうかな。
あっ、そういえば狩場ってなに?
ふんふん、経験値とかを稼ぐための場所を指す用語で、独占するのは好ましくない行為なのか。




