キャリー開始
今回のログイン二日目の今日は、新しい仲間達を先の町へ連れて行くことになっている。
一つでも先へ進む時間を得るため、晩飯以外はあまり手間をかけられない。
だからといって、手を抜くつもりは無い。
そもそも、手間をかけないのと手を抜くのは大違いだからな。
早めの時間に訪れた作業館の作業台にて、皆に見られながらディーパクトと共に大量の野菜を切っていく。
それがようやく終わり、次は昨日作ったスカルコンドルの骨で取った出汁入りの鍋を火に掛ける。
「ディーパクト、切り分けた野菜をこの出汁で煮てくれ」
「了解っす!」
用意した野菜は、いちょう切りにしたカブとニンジン、薄いくし切りにしたタマネギ、小さめのざく切りにしたキャベツ、薄切りにしたエリンギとシイタケ、ほぐしたエノキ、そして細かく刻んだカブの葉と細切りにしたキャベツの芯。
これらを煮るのはディーパクトに任せ、俺はシクスタウンチャイナの乾物店で買ったローウラを取り出す。
これは現実で言うところのラーロウ、豚肉を塩や香辛料や酒とかに漬け込み、乾燥させて熟成させた後に燻した燻製肉に当たる食材だ。
そのままでも食べれるが、今回はこれを薄切りにして熱したフライパンで焼く。
肉から脂が出るから、油は引かなくても大丈夫。
「ますたぁ、そのおにくなに?」
「前に買ったローウラ、燻製肉だよ」
「こっちにも燻製肉があるんだ」
正面で見物しているイクトの質問に答えると、ルナが興味を示した。
そういえば前に、ベーコンとかハムのような燻製肉が好きって言っていたっけ。
そんなことを思い出しつつ、ディーパクトへ野菜の入れる順番とタイミング、火加減を教えながらローウラを焼く。
合間にお椀へ卵を割り入れ、中身が問題無いのを確認したら、ローウラの焼き加減を見計らって卵をフライパンへ。
「ひょっとして、ベーコンエッグみたいなの作っているの?」
「ああ。ローウラエッグだな」
火加減を調整ながら、むらさめの質問を肯定する。
名前は違えど作り方はベーコンと同じだから、こういう食べ方も有りだ。
卵の焼き加減に注意しつつ、ネレアとマーウとルナとアルテミスとディーパクトから、焼き加減の好みを聞いておく。
むらさめは長い付き合いから、固焼きが好きだと知っているから聞かない。
ふんふん、アルテミスがむらさめと同じで固焼き、ルナとディーパクトが半熟、マーウが半熟と固焼きの間ぐらいね。
ネレアは食べたことが無いから任せるというか、イクトとミコトと同じ固焼きにするか。
「料理長、料理しながら仲間の好みを聞いているのか」
「しかも馬少年にスープ作りを教えながら」
「ていうか、美味しそうな匂いにお腹が減った気分になるわ」
早朝の時間帯だから周囲に人は少ないとはいえ、その少ないプレイヤー達がこっちを見ている。
そんな物欲しそうな目をしても、飯はやらないぞ。
ともあれ卵が焼けたから、フライパンから皿へ移す。
ローウラエッグ 調理者:プレイヤー・トーマ
レア度:6 品質:9 完成度:98
効果:満腹度回復17%
魔力+6【3時間】 器用+6【3時間】
物理攻撃時与ダメージ量増【3時間】
ベーコンやハムではなく、ローウラと共に作った半熟目玉焼き
風味が強いローウラですが、卵と共に食べるとまろやかな味わいに
ローウラの塩気が十分に効いているので、他の味付けは不要です
味見のために俺用として半熟で焼いたが、味はどうだろうか。
ローウラは薄切りにしているから箸で切れ、噛むと薄いながらもしっかりと脂と強い風味が感じらる。
しかもそれがまろやかな卵とよく合って美味い。
どうして味わい的には真逆なのに、燻製肉と卵ってこうも合うんだろう。
さて、味見はここまでにして、じーっとこっちを見ている皆の分を作らなくちゃな。
味見したのはアイテムボックスへ入れ、皆の分を作っていく。
「先輩、このスープの味付けはどうするんっすか?」
「出汁と野菜の味を損なわないよう、軽い醤油風味にする。塩味が足りなければ塩で補強して、最後に胡椒少々だ」
ディーパクトへスープの味付けについて話ながら、ローウラエッグを皆の好みの焼き加減で仕上げていく。
イクト達とメェナとポッコロところころ丸とむらさめとアルテミス用の固焼き。
俺とセイリュウとカグラとゆーららんとルナとディーパクト用の半熟。
マーウ用に固焼きと半熟の間ぐらいの、そしてダルク用の生に近い半熟。
これらを焼いてはアイテムボックスへ入れ、ディーパクトに煮込ませていたスープの味付けをして、二人で味見する。
スカルコンドル出汁の野菜スープ 調理者:プレイヤー・トーマ、ディーパクト
レア度:4 品質:6 完成度:77
効果:満腹度回復4% 給水度回復25%
MP最大量+4【1時間】
スカルコンドルの骨で取った出汁を使った、具沢山の野菜スープ
微かな醤油の風味がスープと野菜の味と良く合う
少量加えた胡椒の刺激によるアクセントが、隠れた味の引き立て役
たっぷりの野菜のお陰で出汁の強さはそのままに、優しくて柔らかな味わいで美味い。
しっかり煮込んだ野菜にもスープの味がしみ込んでいる。
「はぁ、美味いっすね。色々な野菜がたっぷりで、毎日飲みたいっす」
同感だ。店で出す味というより、毎日食べられる家庭の味って感じがする。
さて、味見が済んだからアイテムボックスへ入れて、最後の一品に取り掛かろう。
でないと早く食べたいオーラを放つ、増殖した腹ペコ軍団が騒ぎかねない。
「ディーパクト、このパンを上下に切り分けられるか?」
「上下、っすか? 魚を開くような感じで?」
「そうだ。下の方を厚めにしてな」
「時間を掛けてもいいなら、やれると思うっす」
「なら頼む。切り終わったら、このバターを内側に塗ってくれ」
「了解っす」
ストックしていたパンとバターを渡し、俺は別へ取り掛かる。
昨日セイリュウとアルテミスが採取したハーブを刻み、転送配達で購入したシープン一家のところのチーズを薄切り、ポッコロとゆーららんが育てたエバーグリーンのヘタを取って半月切りにしていく。
ディーパクトの方はパンを切り終わっていたが、まだバターは塗り終わっていない。
焦る様子にゆっくりでいいと伝え、バターを塗ったパンの下側にトマトとチーズを重ねて載せ、ハーブを少し散らして軽く胡椒を振ってパンの上側を載せる。
でもって、魔力オーブンへ入れて加熱。
「サンドイッチかと思ったけど、焼くんだ」
「ということは、それはホットサンドね」
「あら、パニーニじゃないの?」
ダルクの呟きに、メェナとカグラが似たような料理名を述べた。
どっちもパンに具材を挟んで焼く料理だから、判断が難しいよな。
「トーマ君、それはどっち?」
「正直言って、どちらとも言えないな」
セイリュウの質問に首を横に振って答える。
ホットサンドの特徴は、食パンを使ってサクサク食感に仕上げる。
パニーニの特徴は、フォカッチャのようなパンを使ってふんわりもっちり食感にする。
食感で言えばパニーニだとは思うが、使っているパンはコッペパンみたいなパンだし、双方に共通する押し潰して焼くこともせず、パンに軽く焼き目が付いてチーズが溶ければ十分程度にしか考えていないから、どちらとも言えないがピッタリだと思う。
「まっ、深く考えずに美味ければそれでいい、ぐらいの気持ちでいてくれ」
『はーい』
腹ペコ軍団の良い返事がした直後に魔力オーブンが鳴り、中身を取り出す。
ウォームサンド 調理者:プレイヤー・トーマ、ディーパクト
レア度:5 品質:5 完成度:79
効果:満腹度回復14%
魔法被ダメージ量軽減【中・1時間】
コッペパンを使った、焼いたというより温めたサンドイッチ
溶けたチーズと軽くしんなりしたトマトによる、安心感のある定番の美味しさ
挟まれた刻みハーブの香りと微かな苦味が、美味しさの隠れた秘密
説明を読む限り、温かいサンドイッチってことでウォームサンドなんだな。
軽く焼き目が付いたパン、具材を挟んだ淵からは蕩けたチーズが滴りそうで、加熱しすぎていないからトマトがくったりせず形を保ち、微かにハーブの香りが漂うそれを熱さに気をつけながら手に取って味見する。
溶けたチーズ、適度に柔らかくなったトマト、表面が軽くサクッとした温かいパン、それらがバターとハーブの風味と共に口の中で一体になって美味い。
具材の内容から、どことなくピザっぽいのもあって安心感もある。
もう少し時間を掛けてもいいのなら、タマネギやベーコンの代わりのローウラを加えたいところだ。
そうなるとタマネギは火が通りやすいよう、薄切りか細かく刻む。
加熱したことでローウラから脂が出るからバターは無しにして、チーズはしつこくないように薄く削って散りばめて――。
「お兄さーん、さっきの満足そうな笑みで美味しいのは分かりましたけど、その後で考え込まないでください」
「お兄さんはもっと美味しくしたいんでしょうが、今は僕達のご飯を優先でお願いします」
ジト目のゆーららんと困り顔のポッコロに声を掛けられ、ハッとする。
いけない、いけない。つい考え込んでしまった。
味見した食べかけをさっさと食べて片付け、気持ちを切り替えて調理へ戻る。
ディーパクトが切り分けてバターを塗ったパンに具材を挟み、焼いていく。
焼いているこの時間も無駄にしないよう、昼飯に備えて準備をする。
魔力炊飯器の釜に米を入れ、ウォームサンドが焼けたから一旦離れて回収して次のを焼き、釜に水を入れる。
「まーたー、なーでおこめあーってるの?」
「なんでだろーねー」
首を傾げるネレアに、似たような口調でマーウが合わせる。
どことなく喋り方が似ているから、姉妹っぽいな。
「先輩、全部のパンにバター塗ったっす」
「なら具材を挟んで焼くのは任せた。俺は昼飯のため、米の準備をする」
「うっす!」
とはいえ、トマトとチーズとハーブと胡椒の量と焼き時間は教えておく。
勿論、冷めないようアイテムボックスへ入れさせるのも忘れない。
「思ったよりチーズは少なめなんすね」
「溶けたチーズがパンの間から溢れて、持ちにくくなるのを防ぐためだ。少なくした分はバターを塗って味を補強しているんだが、バターとチーズの油分でくどくならないよう分量に注意が必要だ」
「おおぅ、そこまで考えているんっすね」
その通り、美味いからってたっぷり加えればいいわけじゃない。
「なんだかんだ言って、トーマ君は良い先生しているわね」
「カグラの言う通り」
「トーマは面倒見がいいからね。僕には雑に当たるくせに」
「それはダルクちゃんの言動が原因だと思うよ……」
うんうん、セイリュウの言う通り。
お前や健は言動がアレだから、対応も雑になっていくんだよ。
そんなやり取りを聞きつつ、米を洗って魔力炊飯器を起動。
今から炊けば、飯を食っている間に米が炊けるだろう。
ウォームサンドの方も順調に焼けていき、最後の二個が焼きあがったら食う準備へ移る。
全員席に着いてもらい、スープをお椀へ注ぎ、ウォームサンドを載せた皿とローウラエッグを載せた皿を並べ、スプーンや箸を添える。
「それじゃあ、いただきます!」
俺とディーパクトが着席すると、ダルクの音頭で食事開始。
「ちょっとダルク! それは行儀が悪いからやめなさい!」
「えー、いいじゃん別に」
「よくないわよ!」
「キャハハッ! あの二人、ガッコーのまんまじゃん」
「やれやれ」
右手にスプーン、左手にウォームサンドを持ち、スープとウォームサンドを交互に食べるダルク。
これを行儀が悪いとローウラエッグを切り分けるメェナが叱り、その様子にウォームサンドを食べているマーウが爆笑してルナが呆れる。
「うふふ、今日のスープは具沢山ね」
「はい。野菜も甘くて美味しいです」
「あらら、このトマトまだ緑じゃありませんか?」
「これはエバーグリーントマトっていう、完熟しても緑のトマトなんだよ」
スープを啜るカグラとゆーららんはとても良い笑みを浮かべ、ポッコロとアルテミスはウォームサンドを食べながらエバーグリーンについて話し、ころころ丸がモルモル鳴きながらウォームサンドを頬張る。
「たまごとおにく、おいしー!」
「さーどいーちもおーしー」
「このスープの美味しさは出汁だけでなく、具材の野菜も大きく影響しているんだよ。たっぷりの野菜がしっかり煮込まれたことで、出汁単体には無かった甘味が加わって全体を優しい味わいになっているんだよ。さらに野菜には出汁の旨味が含まれて美味しさを増して、最後の胡椒で全体を引き締めて美味しさを際立たせているんだよ」
満面の笑みのイクトとネレアも、食レポ全開のミコトはいつも通りっと。
「……つくづく思うけどさ、ミコトちゃんの食事に関する思考ルーチンってどうなっているの?」
聞くな、ウォームサンドを食べているむらさめ。
俺の方が知りたいくらいだ。
「んー、今日もトーマ君のご飯美味しい」
俺はセイリュウのその反応と笑顔だけで、もう満腹気分だよ。
恥ずかしいから言えないけど。
「今日も料理長の料理、美味しそうね」
「ベーコンエッグにホットサンドに野菜スープなんて、独り身の俺には贅沢な朝飯だぜ」
「あんな朝飯を最後に食ったの、いつだっけ」
周りにいるプレイヤーの誰が言ったか分からないが、体のためにもしっかりした飯を食ってほしい。
無論、現実で。
そう思った食事はスープを数回おかわりされて終わり、後片付けを済ませて途中で炊けたごはんをかき混ぜ、アイテムボックスへ入れたら、畑の手入れに向かうポッコロとゆーららんところころ丸と別れて移動を開始。
最初の目的地は、セカンドタウンウエスト。
そこから西方向へ一直線に進み、最終的にシクスタウンジャパンを目指す。
セカンドタウンサウスやイーストやシクスタウンチャイナといった、行ったことはあるけど進行方向に無い町には後から寄っておき、全員での移動ができるようにしておくそうだ。
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
ダルクを先頭に町の外へ出る。
今回俺達は三パーティーでのレイドを組んでいて、ダルク達戦闘職六人のパーティー、俺とイクト達のパーティー、そしてむらさめとマーウとディーパクトの生産職パーティー。
レイドを組むとモンスターと遭遇しやすくなって移動速度が落ちるけど、そこは町の外へ出る前にカグラが祈祷スキルで遭遇率を下げてくれたから、幾分かはマシになったはず。
既に町の外へ出ているルナとアルテミスは大人しいが、むらさめとマーウとディーパクトは周囲をキョロキョロ見回す。
たまに戦闘をしている、第二陣らしきプレイヤー達を見ながら移動中、こっちにもモンスターが現れた。
祈祷スキルを使ったとはいえ、まったく遭遇しないってわけじゃないからな。
とはいえ、この辺りに出るモンスターならこっちの敵じゃない。
なにせイクト達の戦いぶりを皆に見せるぐらい、余裕があるんだから。
「てーい!」
シザーモードで左手をサソリの鋏に変えたイクトが、飛び掛かって来たタックルラビットの突進を避けながら鋏で挟んで一撃で倒す。
向こうではネレアが余った袖から鎖分銅を伸ばし、ミコトが深淵魔法のダークボールで、それぞれが別々のタックルラビットを一撃で倒している。
「うおー! 先輩の連れている子達、強いじゃないっすか!」
「わはー。かーいー軍団、見た目の割に強いじゃーん」
レベルの差があるとはいえ一撃で倒したから、ディーパクトとマーウが少し興奮した様子を見せる。
「ネレアちゃんって、意外とパワー系なんだね」
この中で一番小柄なネレアが鎖分銅で戦う姿を見たむらさめが、少し驚いた表情を浮かべた。
「イクト君が前衛、ネレアちゃんが中衛、ミコトちゃんが後衛というところでしょうか」
「ダルク達から聞いた話だと、イクト君はかく乱もできて、ミコトちゃんは前衛向けの死霊を召喚できるから、この三体だけでも一つのパーティーとして成立している。つまり今の私達は、実質二つのパーティー分の戦力があるということ。これならキャリーもそう難しくない」
イクト達の戦いぶりを見たアルテミスがそれぞれの役割を判断し、さらにルナが分析を重ねる。
というか、口数の少ないルナがこんなに喋るのは初めてだな。
戦闘に関しては饒舌になるのか?
「ますたぁ、かったよ」
「らーしょー」
「弱くて手応えが無いんだよ」
駆け寄ってきたイクト達を迎え、よくやったと褒めるとイクトは照れて体を揺らし、ネレアはふんすと鼻息を吐いて胸を張り、ミコトは少し恥ずかしそうに小さく俯いていた。
そうしたやり取りに皆から温かい目を向けられた後に移動を再開し、数回の戦闘を挟んでセカンドタウンウエストへ到着。
祈祷スキルを掛け直し、休むことなくサードタウンウラヌスへ出発。
前にも通った密林の中を歩いていると、フルーツトレント五体と遭遇した。
そう、倒せば果物をドロップするフルーツトレントだ。
「果物が向こうから歩いて来たわ!」
甘いものに目が無いカグラ、目を輝かせて扇を構える。
「よっしゃー! 収穫という名のバトルじゃー!」
「おー! すらっしゅもーど、むーびんぐもーど!」
続いてダルクがこれから始まる戦闘を収穫と言い、それに同意したイクトが右手をカマキリの鎌に、腰から下を蜘蛛の脚へ変化させる。
「今回は何が手に入るかな」
「なんでもいいわ、美味しいものならね」
「おーしーの、てーはーるの?」
「そうなんだよ。さあ、収穫の時間なんだよ」
杖を構えるセイリュウ、左の掌に拳を叩きつけるメェナ、剣と盾を持つ青白い肌のフランケンシュタインみたいな細身の青年、ウォーリアーフランケを二体召喚するミコト。
フルーツトレントから得られる物を知っている面々と、美味いものが手に入ると知ったネレアが一瞬でやる気を出す。
前衛のダルクとイクトとメェナとウォーリアーフランケ二体が一斉に襲い掛かり、カグラがそれを演舞スキルで支援して、ネレアの鎖分銅、ミコトとセイリュウがそれぞれ深淵魔法と雷魔法で攻撃する。
正直やりすぎじゃないかと思った戦闘はあっという間に終わり、目の前に経験値と入手した物が表示された。
「何今のダルク達のバトル。張り切りすぎてウケる」
あまりの張り切りっぷりにマーウが腹を抱えてケラケラ笑う。
「果物がどうとか言っていましたが、どういうことでしょう?」
「おそらくさっきのモンスターは、果物をドロップするんだと思う」
首を傾げたアルテミスの疑問に、見事ルナが正解した。
「ねえ、トーマ君。今のって……」
「食材を入手できるモンスターと遭遇したら、いつもあんな感じだから気にするな」
入手したものを確認しながら、困惑気味のむらさめへ簡潔に説明。
おっ、キウイが手に入ったか。
表示を消して戻ってきたイクト達を褒めていると、ダルク達から桃とかミカンとかブドウとかイチゴって声が聞こえる。
フルーツトレントよ、果物を色々とくれてありがとう。
さて、この果物をどう使おうか。




