ボツのその1
閑話休題して、ちょっとした没ネタ話。
書きたい物語、これは世間で受けそうだという構想、新機軸……。
色々ありますが、全部書いている時間は無いだろうとボツにした物語は山ほどあります。
今考えると再生して使えないかな的なのもありますが、今後絶対に描くことは無さそうなのをちょっと紹介です。
第2弾、3弾と続くかは不明。
それでは早速1作目。
ジャンル:異世界転生 SF
ある日、見知らぬ世界に召喚された主人公。そこは陸上進出した頭足類が文明を持った世界であった。
発声器官が無いので、会話は全て肉体言語。
しかし何体生物で、手足の数も違うある彼らの動きを真似する事も出来ない。
何より、進化の過程も社会の作りも違う彼らとは、考え方が根本的に違っていた。
主人公が召喚された理由は一つ。
それは彼の体液が、この世界では猛毒であった事。
気化した汗だけで周囲の頭足類達は病のように苦しみ、流れた血液は触れたものを殺すどころか、以後数百年に渡り土壌を汚染する。
そう、彼はこの世界に使い捨ての兵器として呼び出されたのです。
そんな彼の世話をする事になったのは、この世界は底辺身分の少女。
当然ながら会話もなし。身振り手振りの意思疎通もなし。しかも主人公の近くにいるだけで汚染され、その体は変色しただれていった。
しかしそれでも、互いに苦しい境遇という共通点だけが、彼らの心を繋いでいった。
召喚した側としては、ちょっとした脅しに使う爆弾のような物でした。
しかし、彼はこの世界では強かった。
使い捨ての武器のはずが、傷つきながらも敵の村を滅ぼし、町を滅ぼし、遂に第二の首都と言われる巨大都市までも陥落させてしまう。
しかし、奪った土地は当然ながら草木も生えない地獄となり召喚した者たちも恐怖した。
そんな戦いの中、主人公もまた傷つきすぎた。
これ以上は戦えない。
そんな中、戦争中の両国は停戦を提案。
同時に、その証明のために主人公は処刑される事に。
それを察したヒロイン? は主人公をを逃がそうとするが、彼はもう自分の死期を悟っていた。
このまま体力が尽きて死ぬか、和平の為に始末されるか、どちらにしても結果は同じ。
意を決した主人公は、自らの睾丸を引き千切りヒロインに渡す。
それは言わずと知れた猛毒の塊。
しかし、ヒロインはそれを受け入れた。
主人公の死に沸く世界。
平和の到来に歓喜したパレードや犠牲者の追悼が行われる中、ヒロインは海底で猛毒に犯されながらも、最後の力を振り絞り子供達を生んで息絶える。
その子供たちは見た目は頭足類だが、主人公の持つ毒素と、その耐性を受け継いでいた。
やがて長い時を経て、この世界の支配者は彼らに入れ替わったのであった。
――終――
ボツ理由
ビターエンドなので少し自分の趣味に合わなかった
人類にはまだ早いと思った
それではいずれまたの機会に。




