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影 ネオン街の星  作者: 蔵吉
5/5

First experience

キャッチの成功で俄然やる気になった俺はキャッチ成功の体験を元にお客様が身に着けていそうなブランドを徹底的に調べて頭に叩き込んだ。

へぁ~ブランドと言ってもシャネルやヴィトンとか誰でも知ってるものだけではなく色々と今は流行っていることを知った。

思い返すとあのお客様の時計ってこんなに高いんだ、あのバックってすげー高いな!!なんて思った。

これはいいぞ!ブランド物はお客様大好きなんだ、ブランドの話をすれば少しは会話もできるぞ!


頭に叩き込んだ知識を早く試したいとウズウズした。

この日の営業、店内は満卓、キャッチに出る時間はなさそうだった。

すると「零時!ちょっとヘルプお願い!」

俺は「了解です。すぐに行きます。」

最近、色々と仲良くしてくれるようになった先輩で、まだトップ10には入っていないが、いずれは入るだろうと思っている、会話の上手い先輩の桜井 信二。

その席には桜井の一番の太客が座っていた。

「初めまして、零時ですご一緒してもよろしいですか?」

そのお客様はすごく優しく、常に楽しいそうにして、桜井が、と言うかこのお店が好きって感じに感じた。他の先輩も一緒に楽しいそうに会話して盛り上がっていた。

俺も楽しく会話している先輩とお客様と一緒に笑いながら、お酒を造ってタバコの火をつけてグラスを拭いたり、いつもの仕事に専念していた。


会話の中でこのお客様の名前がサキと知った。


「零時くんだっけ?」サキが言った。

「はい零時です、入ってまだ3か月の新人です。」

サキが

「そっか、ホスト楽しい?」

「はい!楽しいです。まだお客様はいませんが、早く仕事のできるホストになりたいです。」

サキが

「いいね~やる気マンマンだね。ホストも大変なんだよ。これから辛いこともあると思うけど頑張ってね、応援するよ」

「ありがとうございます。頑張ります。」

サキはやさしかった、桜井を羨ましく思った。


この日をきっかけにサキの席にはよくヘルプにつくことが増えた、桜井の会話のテクニックを学んだりサキの表情を見て色々と勉強になる席だった。


サキが

「今度さ、友達を連れてくるからさ、零時ついてよ、お客になるかは零時次第だけどね。」

「マジっすか?頑張ります。」

俺は

「そのお客様ってどんな感じの人なんですか?何が好きとかどんなタイプの男が好きとか?あったら教えてください。」

サキが

「そんなのは会って会話してから自分で感じてほしいな~」

笑顔で言った。

「はい!楽しみにしてます!」

サキのお友達を絶対にお客様にする。

心に決めてその日を待った。

それから1週間後に約束どおりサキは友達を連れてきてくれた。

桜井に

「零時、今日頑張れよ、俺もお前とお客様を引きたいんだよ。頼むな!」

俺は

「はい!頑張ります!」


「ご一緒してもよろしいですか?」

サキが

「どうぞ零時くん」

俺は失礼しますと言って席に付いた。

サキと一緒に来た子は、サキと同じような優しそうな人だった、俺は少し安心してこの子だったら頑張れそうだと意気込んだ。

サキの友達は小百合と言う名前で決して美人ではないが優しそうな愛嬌のある顔の子だった。

この日は小百合と勉強してきたブランドの話をしたり普段の何気ない話をして終わった。

終始お互いに笑いながら楽しく過ごせたしかし、

小百合を楽しませたと言うか自分が楽しんでしまった感があった。

少し後悔していたし桜井にも怒られると思っていた。


数日後の営業で桜井が笑顔で俺に近づいてきて言った、

「零時!小百合ちゃんがお前を指名で今日お店に来るってよ!」

俺は本気でうれしくなった。

「マジっすか?ありがとうございます。頑張ります!」

桜井はやさしい顔で俺に

「まぁーあまり頑張りすぎないようにゆっくりがんばれ」

とアドバイスをくれた。


俺にとって初めてのお客様は小百合になった。


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