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2、氷雪牢獄

 処刑が言い渡された後、抵抗することもできず連行されると街の外れの洞窟の中にあるという牢屋へ向かって歩いていた。


 なぜ抵抗しないのか疑問に思うかもしれないが明確な理由がある。


 HP:3/5


 これがステータスを鑑定で調べた結果の俺の状態である。


 あの裁判もどきの時、声を上げて押さえられただけでこの有り様である。

 もし最初の拘束でダメージを受けてたら死んでいただろうと思えた。

 こんな笑えない状態で抵抗するという選択肢を実行する勇気はない。


 それに心なしか身体が重く感じる。

 ニート生活で体力が落ちたにしても森から出て街に付くまで歩いた時は普通だったところを考えるとこのスタータスが無関係と言う事も考えにくかった。


(早く休みたいな)


 すでに洞窟に入って20分は歩いているのだがまだ牢屋につかずにいる。それに洞窟の奥に行くほど気温が下がっているようで寒さも感じてきていた。


「おい、見えてきたぞ」


 同行している男の声に前を見ると確かに扉と思わしき物が見え始めた。

 想像した鉄格子などではなく門の扉のようで牢屋としては不釣り合いなものだった。


「あれがお前が入る牢屋だ。中に同居人がいるだろうから仲良くやれよ」


 まさかの自分で扉を開けろと促され、驚いた事に鍵なんてなく簡単に開け閉めする事ができる牢屋の意味がない扉だった。

 そして開いた扉の先を見て目を見開いた。

 扉の奥は冷凍庫の中のような冷気が立ち込め一面氷で覆われており、名前通りの光景が広がっていた。


「いやいやいや、これっておかしいでしょう。こんな所数時間もいたら死んじゃいますから!」

「うるせえ、さっさと入れ化け物」


 背中を押されて中へと入れられてしまいHPがさらに1減少して扉を閉められた。扉は鍵が掛かっていないはずなのに内からは開ける事ができず閉じ込められてしまった。

 牢屋の意味がないと思ったら高性能かよ!


「・・・・はぁ」


 俺はため息を一息吐くと改めて周囲を見渡す。

 見事なまでに氷で覆われているのはそのままだが、よく見ると結構広い空間のようで俺が一人暮らししていた時の宿舎より倍はありそうである。

 また、所々人工的な柱が天井を支えるように建ててあった。

 寒いことは寒いが体に鳥肌が立つレベルなので周囲の割には寒くないともいえた。


(一体どんだけ収納できる冷凍庫だよ。いや冷蔵庫か?意外と寒いは寒いが景色ほど寒くない)


 そんな事を思いながらその場に留まっていると、突然ジャラジャラと音が響いた。

 突然の音に身体が少し跳ねて驚いたがすぐにその正体に察しがついた。


「そういえば同居人がいるって言っていたよな」


 先ほどの男が言った事を思い出し音が鳴った方へ向かった。

 こんな所に入れられているような奴である期待しない方がいいだろうと思いながらも話し相手が欲しいという気持ちが勝っていた。


「誰?」


 突然の声にビクリと震わせて声の主を凝視してしまった。


 女性だった。


 随分と汚れているようだがそれでも分かるほど美人である。

 そんな女性が下着とも思えぬ布一枚の姿で鎖で柱と繋がっていた。そして周りにある氷のように冷たさを感じるような白みがかった蒼い瞳が不思議と女性がここにいるのを納得させるような錯覚を覚えさせた。


「・・・誰?」


 俺が無言のままなためか同じ質問を聞かれ慌てて答える。


「工藤弥叉。そっちは?」

「・・にん・げ・ん?」


 こっちの質問には答えて貰えずさらに質問された。


「俺はそのつもりだ」

「・・・?」


 言ってる意味が伝わらなかったようで首を傾げられてしまったがこちらもこれ以上話す意味もないと今度はこちらが質問をしようとして


「ろう・ば・ん?・・それ・・と・も・・ざいにん・・?」


 女性の方が早く質問された。

 途切れ途切れの言葉で聞きにくいが牢番か罪人かってことだよな。


「後者だ」

「・・そう、・・・ならいい」

「・・・・・・・・え?」


 俺は自分の間抜けな声といつされたのかも分からないうちに首筋に噛みついた少女の姿を視界に入れたところで視界が暗くなるのを感じた。

・・・・・・・

・・・・・

・・・

弥叉「二話目です。なんかいきなり死にかけています」

・・・「・・・美味・・だった」

弥叉「あの一応貴方ヒロインですよ?」

・・・「問題・・ない」

弥叉「はぁ、まぁいいか。それでは今回の議題は『ステータスについて』です」

・・・「・・・わぁ(パチパチ)」

弥叉「・・・無理しないでいいぞ?

   ステータスにはまず基本情報の性別、年齢、職業、種族、これはスキルの鑑定や俺が捕まる前に使用した鑑定機で表示される内容だ。

   その次にレベルと能力。つまりその人物の身体能力を現しているってことだな」

・・・「弥叉は・・・(哀)」

弥叉「この能力値は戦闘を行った場合の平均的に出せる力を数値化したもので仮に攻撃力が50でもそれ以上の攻撃が出ることもあるから相手より数値が高くても一概に強いとは言えないんだ」

・・・「でも・・数値が・・・倍以上に・・上がる・・なんて・・・ことはない(哀)」

弥叉「・・・次に装備これはその時着ている物が表示される。ただこの世界の私服には反応しない物もあるらしい」

・・・「(哀)」


主人公の精神HPがゼロになった為説明が終了しました。


・・・「・・・またね」

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