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変わり者のヴァンパイア

昨日はUP出来なくて申し訳ないです・・・。


では、お楽しみください。

リシェアははじめ、自分が目を開けていることに気が付かなかった。


しばらくして意識がはっきりし何度か瞬きを繰り返すうちに部屋が己の手すら見えぬほど暗いのだという事に気が付いた。


「・・・ここどこ・・・」


記憶をたどって意識を失う直前を思い出そうとリシェアは試みた。


「えーっと・・・。たしかナハトと一緒にケェーナを探しに森へ入って・・・。教会があったから入ろうとして・・・。・・・てことはここって教会?」


「正解だよ、リシェア。」


独り言をぶつぶつ呟いていたリシェアにいきなり聞きなれない声が届いた。


「誰!?」


「僕?僕はねぇ・・・」


謎の声の主が一つ、パチン、と指を鳴らすと部屋に明かりが灯った。


「ダーク。ダーク・アインザームカイト。ヴァンパイアだよ。」


そう言ってリシェアににっこりと微笑みかけた。


だがリシェアは、長年染み付いた癖か、腰に手をやり銃を構えようとして・・・できなかった。


「な?あれ?あ、あたしの銃が・・・」


「あ、ごめんね?危ないから取り上げさせてもらったよ。」


「・・・。」


ニコニコとダークと名乗ったヴァンパイアは微笑みながらそう言った。


リシェアとしてはかなりショックなことを言われ、泣きたいような怒りたいような妙な気分になった。


(なんで不用意に開けちゃったんだろ・・・。それに接近にも気づかなかったし・・・。うー、あたしのバカ。バカバカバカバカッ。)


しばらくリシェアは自分を責めた後、埒が明かないと思い、とりあえずニコニコとこっちを見ているヴァンパイアを観察することにした。


(うーん・・・。例に漏れず美形ね。髪はヴァンパイアには珍しい金髪か。サラッとしてていいなぁ・・・。って、そうじゃなくて!えーっと…。目は・・・まあヴァンパイアとしては普通の金ね。でも何でスーツ?しかも白って・・・。)


「僕の顔に何か付いてる?」


リシェアにじーっと顔を見つめられていたダークは不意にそんなことを聞く。


「へ!?え、いや、そんなこと無いわよ。あっ、え・・・そうだ!あのさ、あんた・・・」


「ダーク」


またも不意打ち。


ダークは少し怒ったようにそう言った。


が、リシェアはなぜそんなことを言われたか理解できず間抜けな声を出す。


「へ?」


「ダークって呼んで?」


再度言われ、ようやくリシェアは理解できた。


少し逡巡した後それぐらいなら問題ないと判断した。


「わかったわ。で、ダーク。なんで白スーツなの?目立つじゃない。」


「ふふっ、やっと呼んでくれた・・・。えっとね、目立っても僕は強いから問題ないし、それに好きだからね。白色。穢れなき白だからさ。」


「ふーん。」


リシェアは納得したような、そうではないような返事をした。


ちなみに前半の部分はリシェアには聞こえなかったようだ。


「じゃあ、あたしは何でここにいるわけ?ケェーナとナハトは?あんたの目的は?」


「そんなに焦らなくても良いんじゃないかな~。」


ダークは一瞬ごまかそうとしたが、ギロリ、とリシェアに睨まれ、仕方ないなぁ、というような顔をした。


「じゃあまず一つ目の質問。僕が君の事を気に入ったから。」


「気に入った?」


「うん。まあそれは後で詳しく・・・ね。で、二つ目。彼らは村に返したよ。あの二人には用はなかったし。」


「何もしないで?ホントに?」


「うん。安心して良いよ。彼らが無事に村に戻ったとこも確認したからね。で、三つ目の質問なんだけど・・・。」


ダークが無造作にリシェアに一歩近づく。


ざわり


明かりが照らしていなかった部分から照らしている部分へ、ソレはずるりと出てきた。


ここでリシェアはようやく己の置かれている環境に目を向けることが出来た。


「な・・・。」


リシェアはベッドの上に居てその周りを(とげ)だらけの茨が囲んでいる。


(とげ)には毒があるかもしれないし、なにより自然の茨よりも頑丈で他者を傷つけることに特化しているようだった。


「君には申し訳ないんだけど・・・。明日の満月から一週間の間に一定量の血液を摂取するため、君を、閉じ込めるよ。ここにね。」


リシェアはただ、残酷な宣告をしたダークを呆然と見つめ続けた。

ダーク・アインザームカイトって全部ドイツ語です。


ダークは人を導く者。


アインザームカイトは孤独って意味です。


結構話の根幹にかかわってるんですけど・・・、まあ、知ってると何か得したり損したりはしません。


・・・たぶん。

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