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始まりは劇的で

初投稿なので読みにくかったらすいません。


*ちょっと変えました。


大筋は変わってない・・・ハズ。

ザザッ ザザザザザッ


【森には人を喰らう者がいる。人に似て異なる者達が。】


「はあっ、はあっ、はあっ」


【奴らは闇夜にまぎれる。だから、夜、森に入ってはいけない。】


どさっ


「っ! はあっ、はあっ・・・。!! ひっ!?」


ばさっ


【もし奴等に捕まれば、二度と、人には戻れない】




「ねぇ、あんたたち。ここってエリスルート村よね?」


小さな村の入り口付近、一人の少女が満足げに仁王立ちしている。


「そうですけど・・・。あの・・・?」


青年達は困惑気味に返す。


「そう!いやー長かったわー、ここまで来るの大変だったのよ!主に道に迷っちゃっただけだけど」


どんよりと暗い空気に包まれた村に場違いなほど明るい少女の甲高い声が響いた。


声の主は15、6ほどの赤い髪、赤い半袖ジャケット、短パンの少女だ。もっとも、その腰には物騒なものが収まっていたが。


声をかけられた青年たちは何なんだ?とでも言いたげな目で少女を見ている。


それもそのはず、この村は今、それどころでは無いからだ。


「あ、もしかしてあたしのこと妖しいと思ってるでしょ!まあ、しょうがないと思うけど・・・。あたしはリシェア・オルフェーン。正式に『狩り』の指令を受けてここに来たわ」


そう言って誇るように胸を張った。


「狩り?」


「そ。エリスルート村から国へ依頼をしたでしょ?ヴァンパイア退治の。だから国が協会へ依頼をしたのよ。んで!あたしが選ばれたってわけ。わかった?」


「あの、でも」


「もう教会から来てるんですけど・・・」


顔を見合わせ戸惑う青年たち。


「はぁ?・・・ああ、それは神の家からでしょ。『きょうかい』は『きょうかい』でも協力する会の方よ。というかもう教会から来てるわけ?まったく、出遅れちゃったじゃない!」


一人で勝手にキレ始める少女に青年たちも呆気にとられるしかない。


と、唐突に青年の一人につかみかかるとものすごい形相で、教会はどっち!?と聞いた。


「あ、あっちです・・・」


驚愕しながら何とか答える青年。


リシェアは示された方向にバッと走り出していく。


ただし、礼を言うのは忘れなかった。


もっとも、語尾がかすれたが。




 少し時間をさかのぼる。小さな村の教会前。一組の男女が話し合っている。


男の方は23才ほどで銀の目、銀の髪、雪のように白い肌のはっとするほどの美貌をダークスーツに包んだ青年だ。


ただし今にも倒れてしまいそうな月光のような淡い印象と違和感を感じる。


女の方は18才ほどで教会に所属していることを表す首飾りと法衣を身に着けた青い目、金の髪、同じく雪のように白い肌の、美しい、けれど、意志の強そうな目のおかげか活発な印象を与える。


「ケェーナ、ヴァンパイアの反応は1つだけだ。あなたの予測とは違うぞ?」


無表情にそう報告した青年に、ケェーナと呼ばれた女は不機嫌そうに返す。


「嘘でしょう?少なくとも2体はいるはずですよ。ナハト、貴方、ミスしたのではなくて?」


ナハトと呼ばれた青年は、無表情を崩し、眉根をよせ、不機嫌顔で言い返そうと口をひらく。


「見つけたーーー!!」


が、突然響いたリシェアの声にさえぎられてしまい、頭の中で次から次へと浮かんでくる嫌味を飲み込まざる終えなかった。


ケェーナの方は驚くことも、声の主を見ることも無く、ただ不機嫌そうにさっさときびすを返して教会に入ろうとした。


「待ちなさいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


リシェアは行かすまいと己の背後に砂煙を量産しながらものすごい勢いでケェーナに迫っていく。


まるでイノシシだ。


おそらく、このまま教会のぼろい扉に突っ込めばまず間違いなく壊れるだろう。


ナハトは困ったように眉を上げる。


ケェーナも振り返らずとも察したのかため息を一つ吐き、いやいやながらも振り返った。


「騒々しいですね。協会の守銭奴はさすがに違いますわね」


ギリギリ激突することなく止まったリシェアは息を切らしながらもケェーナを睨み付けるが、ケェーナも、そんなリシェアを冷たい目で見返す。


が、言われっぱなしは性に合わないとばかりにリシェアも即座に反撃を開始する。


「どういう意味よ!そもそもあんたたち教会がさっさと仕事を片付けないからあたしたちに仕事が回ってきたんじゃない!ヴァンパイアを退治する代わりに正当な報酬をもらうのの何がいけないのよ!?」


ケェーナはまたため息をついてその青い目に侮蔑の色を浮かべ、教会の教義を混ぜながら毒を吐く。


「その何もかもがいけませんね。ヴァンパイアを退治してやってる?ヴァンパイアを退治できたら偉いとでも?人助けは人として当然のこと。それに対して報酬など。不当以外の何者でもありませんね。そもそも、我々のみでできることをかってに首を突っ込んできているというだけで、あたしいいことしてるの~、みたいな顔されても迷惑極まりないのです。ご理解いただけるでしょうか?頭の中身がサル並みの貴女のために懇切丁寧にご説明して差し上げたのですけれども?」


気持ち10倍返しをされ、顔を真っ赤にして怒るリシェアに対し、ふん、と鼻で笑って今度こそケェーナはナハトを連れて教会へと入っていった。

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