表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

第3章 読まれるための「構造」を知る

(1)テンプレは有効か? それとも罠か?


「読まれるためには、人気ジャンルやテンプレに乗るべき」

これは、Web小説界隈でよく言われる通説です。


たしかに、テンプレは**“読者に見つけてもらう入口”としては有効**です。

なぜなら、読者が「今、読みたい」と思っている構図やテーマが、そこにあるから。


《テンプレの“メリット”──クリックされやすい型》

・読者が探しているのは、「いつもの安心」

 たとえば「追放された主人公が実は有能で逆転」など、明快なカタルシスや成功譚は、入りやすい。


・検索やランキングに載りやすい

 人気ワード(転生・チート・ざまぁ・悪役令嬢など)が含まれていると、タグ検索などから見つけてもらえる確率が上がる。


・ジャンル上位はテンプレだらけ

 現実として、上位作品の多くがテンプレを土台にしており、そこから“評価”に繋がっているのも事実です。


テンプレは、いわば**“読者のニーズに応えるフォーマット”**なのです。




《しかしテンプレには罠もある──熾烈なレッドオーシャン》

ですが、無名作家がテンプレ作品で勝負するには、大きなリスクもあります。


・競合が多すぎる

 2025年5月の「なろう」新規作品3,883件のうち、実に7割以上がテンプレ系と言われています。埋もれる危険性は非常に高い。


・読者が飽きている

 テンプレには“展開の予測可能性”がつきまとうため、「はいはい、またこのパターンね」で早期離脱されることも。


・上位作品との差が如実に出る

 読者はテンプレに“慣れている”分、構成力・文章力・キャラクターの魅力などで即座に判断します。


・個性を出しにくい

 型に沿いすぎると、読者に「この話、どこかで読んだような…」と思われ、印象に残らない。



《じゃあどうする? 両面からのアプローチ》

✔ テンプレを“入口”に使い、“中身”で差別化する

「テンプレだからダメ」ではありません。

問題は、テンプレをそのまま出してしまうことです。


テンプレに、“+1”の工夫を入れましょう。


・「追放→ざまぁ」でも、主人公が実は**“問題児”だった**

・「スローライフ」なのに、自分以外の全員が戦争している

・「転生チート」でも、主人公がそれを拒否して生きる

テンプレで読者を「誘い」、中身で「掴む」。

これが無名作家でも**“読者の記憶に残る”戦略**です。


✔ あえてテンプレを“外す”戦略もある

逆に、「テンプレじゃない」こと自体が、強烈な差別化になることもあります。


たとえば、以下のようなジャンルや形式は、ライバルが少なく、熱心なファンが付きやすい傾向にあります。(AI提案)


・近未来ディストピアSF

・ミステリ×ファンタジー

・ホラー×田舎伝承

・男性主人公の現代恋愛

・バッドエンド確定型ノベル

ただし、これは**“刺さる読者は少ないが、強く響く”という戦い方**です。

テンプレを使うか、外すか。

どちらにも明確なメリットとデメリットがあるということを、まず理解しましょう。



《ジャンル別、読まれやすさの傾向》

ジャンル選びも、読まれる確率に直結します。



  <ジャンル>   <初動クリック>   <継続読者>    <競合数>

異世界ファンタジー   ◎(圧倒的に多い)   △(離脱率も高い)◎(激戦)

現代恋愛         ◎          △        ◎

ホラー          △          ◎(継続率高)   △

SF            △          ○        △

ミステリー        △           ◎        △

現代ファンタジー     ○          ○         ○

人間ドラマ(ヒューマン) △      ◎(刺さる層には深く刺さる)△

ギャグ・コメディ     ○         △(ノリが合えば○) ○




《あなたに合う戦い方を選びましょう》

・作品を「とにかく読まれたい」→ テンプレを使いつつ差別化

・「熱心な読者」と深く繋がりたい → テンプレを外して個性で勝負

・中間的なアプローチ → マイナーテーマ+読者を誘う導入文で試す

どれが正解というものではありません。

大事なのは、「自分の作品に合った土俵」で勝負することです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ