第35話 これが本当のキャットファイト(絶対違う)
客間に通され、ベッドに横たわる。そして、意識を接続する。
「だ〜か〜ら〜!邪魔しないでください!」
「我は邪魔などしていない!頑張ってご主人様に褒められるのは我だ!!」
「勇者様にお豆をいただくのは私です!!くけーーー!!」
うちの鳩と猫がケンカしとる。
いや、ポッポちゃんは鳩だっけか?コレが本当のキャットファイト……いやいやアカンアカン。思考が斜めになっとる。
お〜い、イフリート。ちゃんと協力するんだよ?イフリートへの接続を強めて話しかける。
「ご主人……あの鳥がピーチクパーチクうるさいのが悪い!」
「にゃーにゃーうるさいのはそちらでしょう?!私はちゃんと勇者様の言いつけ通りに反乱の証拠を探してますから!」
どっちもどっちだよ。そういえば、叔父の部屋には隠し通路があったような……?まだガイアスの母がご存命だった頃………。
「隠し部屋?」
「隠し部屋ですか?勇者様はなんと??」
イフリート、人型になって左端の本棚にある真っ赤な本を真ん中の本棚一番上の棚、1冊分の隙間に差し込んで。
「おう」
ガコン、とロックが解除される音がする。これで真ん中の本棚が動くようになる。手前に引くと回転ドアになるのだ。やってみて、とイフリートに声を掛けるとドアを開けてくれた。
「………ここから下に降りられるようですね。明かりは頼みましたよ」
「我に命令するな!………ご主人、ここから先は魔力が通りにくい。もらった石を使ってもいいか?」
それはもちろん。では共有も難しいか?
「それは……奥まで行くとわからん」
「では私の方と感覚共有してください。我々のリンクは魔力依存ではないですから、魔力が遮断されても問題ありません。つまりイフリートよりも強い絆で」
「でも普段、我のほうがご主人の側にいるし可愛がられてるもんね。仕事なんかしなくても、我可愛いからちょっとにゃ〜んとか鳴けばご主人はメロメロだもんね」
最近あざと可愛いにゃんこライフに味をしめてしまったウチのにゃんこ……ではなくイフリート。これでいいのかはわからないが可愛いのは確か。
「勇者様?!アレは猫ではありませんよ?!」
それはわかってるよ。でも可愛いし可愛いし、ふわもこなんだよ……。そして可愛いんだよ。
「勇者様、時代は猫から鳥!悪さをする猫より鳥は可愛いですよ!かごで飼えますし!猫は獲物を弄ぶ悪いやつです!」
猫ではないって言ってるのに……?まあいい。何かあるとしたらこの奥である可能性は高い。さっさと行け。叔父が戻ってきたら厄介だ。
「それはそうですね。私としたことが熱くなってしまいました。ホラ、駄猫!行きますよ!」
「誰が駄目猫だ!」
「駄目猫とは言ってません!!」
いいから行け!!!!
「ハイ!!いいいいきますよぉ!!」
とりあえず、ポッポちゃんとイフリートの相性が悪いのはわかった。イフリートはこちらに戻すか?
「……いえ、彼が居た方がよいでしょう。予想外の光景です」
ポッポちゃんと同じモノを私も視ている。これは……なんだ?水槽??水槽の中に……人?!ポッポちゃん、確認を!!
「いいえ、勇者様。これは人間ではありません。イフリート、気持ちはわかりますが、貴方がその衝動のままに暴れれば衰弱した彼らの命が危うい。彼らを救えるのは貴方でしょう。勇者様のために働きなさい」
どういうこと……?
「ご主人様、非常用にもらってた魔石を全部使っていいか?それでもこいつらを救えるかはわからないが……」
よくわからんが、好きにしていいと伝えて。
「好きにしろとのことです。流石は私の勇者様」
「我のご主人様だもんね!ポッポは無理やりサポートさせてもらってるけど、我はご主人様から欲しいって言われたんだもんね〜!さて………やるとするか。お前たち、起きろ」
水槽の中に居た人……?が目を覚ます。
「………おい、鳥」
「ポッポちゃんとお呼び」
「鳥頭」
「ポッポちゃんとお呼び」
「……鳩ポッポ」
「ポッポッポ〜………まあ良しとしましょう」
良しなのか。
「話が進みませんからねぇ。さて、この結界付き水槽を壊したいってことですよね?そぉい」
案外肉体派だったのか、ポッポちゃんが瞬時にムキムキになると水槽を一撃で粉砕した。中の人?もめっちゃ驚いてる。
「そぉい、そいそいそぉぉい!!」
そして流れるように水槽を破壊していく。相当分厚いガラスを簡単に粉砕するポッポちゃん……。アリスティードとどっちが腕力強いんだろ……。
「そぉい!そうですねぇ……彼もなかなかのマッスルをお持ちですが、私の鳩胸マッスルには敵わないかと!」
まあ、見た目的には間違いなくポッポちゃんが強そうなんだけどさ。
「お〜い、ここに入れ!」
え?ここ入れ??イフリートが倒れている子に声をかけ、次々と魔石に吸い込まれていく………うえ??
「そぉい!ええとですね、彼らは精霊です。よくもまぁこんなに捕まえられたもんですねぇ」
「……は?」
「しかし……う〜ん、もしかしてここの主は魔法が使えない、とかですかね??」
だとしたら、そうだとしたら……?
「し、侵入者?!へ、変態!!いや、大変だ!!」
まあ確かに変態だけども。どう見てもポッポちゃんはこれ以上ないぐらい不審者だけども。鳩マスクに全身タイツ。間違いなく変態だな。
「ふ〜〜〜ん。オマエら……アイツらをイジメてたやつか。ご主人様ぁ、ちょっと焦がすぐらいは許してくれるよなぁ?!」
許可する!!
「ポーッポッポッポ!やーっておしまい!!」
「いやオマエに命令されたくねぇわ!あ〜ややこしい!!とにかくご主人様も許可したってことな!」
「そうです!」
「オーケー!燃えろ!!!」
言うが早いか、相手を燃やそうとしたが相手は影に隠れた。闇の使徒!なんでこんなところに……いや。ガイアスを狙って?とりあえず逃げられないようにするから捕まえて!!
本来闇の使徒捕獲はかなり難易度が高い。ただし、それは闇の使徒同士であるならまた違う。影を通じて干渉し、潜れなくしてやればいいのだ。私の魔力に勝てるものこそ、そうそういない。
「な、何故潜れない?!」
「にゃは。火の精霊のたたりだぞ〜〜〜〜!!」
「ぎゃ〜〜〜〜〜?!」
「た、助けてぇ!!」
適当に遊んで、とりあえず何処かに閉じ込めておくよう伝えておいた。
気が抜けちゃったのか少し間が空きましたが、なるべくお待たせしないよう頑張りたいです。
ポッポちゃんとイフリート、喧嘩して話が進まないのなんのって……。でも書いてて楽しい話でした(笑)




