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拝啓、悲劇的で素晴らしいゲームのシナリオライター様。私が平凡でつまらない物語に改悪してみせます。  作者: 明。


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第22話 誰より強い私の炎

 メイド長と睨み合う。


「お嬢様、おやめなさい!!お前達も同罪よ!何故誰も止めないの!」


「何ってお仕置きよ。だって副団長、身の程知らずなんだもの」


「は………?」


「お前もよ。私に命令するなんて何様のつもり?私はフレア公爵から討伐任務の間だけだけど正式に全権限を譲渡されている。……間違えるな、主は私だ!!」


「……っ!で、ですがあんまりです!我が夫にも副団長としての立場がございます!」


「問題ないわよ、だって解雇するもの」


「……………は?」


 信じられないといった様子だ。


「わ、わが夫の家は古くから伯爵としてフレア公爵家にお仕えしておりました……それを切り捨てると仰せで?!」


「ええ。だって、いつ裏切るかわからない部下なんていらないわ。お前も知っていたでしょう?夫婦で私を不義の子だと吹聴していたじゃない。ねえ、リリ」


「はい。証言をいたしますか?」


「今はいいわ。これから法廷でたくさん話してもらうと思うし。パパ様を殺して、私を追い出すんだっけ……できるもんなら、やってみなさいよ!!」


「あはははははは!お嬢様、おいたはおやめください。お母様も悲しんでおられますよ。これはそう、躾です。それに、主が間違ったのなら止めなくてはなりませんからね!」


 赤い炎が私の周囲を包む。これはメイド長の炎か。


「ふ〜ん……」


「ふふ、わたくしはお嬢様よりも髪が赤い。私の方が炎魔法は上です!さあ、騎士達よ!お嬢様を止めるのです!!」


 副団長よりメイド長の方が髪が赤く鮮やかだ。ぶっちゃけ、ガイアスに次ぐ美しい赤髪。ずっと欲しかった。ずっとずっと……羨ましかった。

 メイド長の言葉で騎士達も臨戦態勢となった。気を抜いていたとはいえ、私の炎を奪うなんてなかなかやるわね。


「ふふ、ふふふふふ」


「ついに気が触れたのですか?お嬢様。ご安心を。旦那さまはわたくしがお慰め…………え?」


「あはははははははははは!!」


 炎がすべて私に従う。




それはこの中で、私の炎が誰より強い証拠だった。




 炎は私の意思で思ったとおりに踊る。この場に在るのは私の炎だけ。言葉を支配するのは、私の炎だけ。他の炎は存在を許さない。最強の炎であるイフリートと契約した私は、今この空間の炎すべてを支配する。


「な、何故?!何故私の炎が制御できないの?」


「答えは簡単。私のほうが強いから」


 私が操る炎は私を傷つけない。魔法の炎はとても不思議。物理の炎と魔法の炎。何でも燃やしてしまう炎と、燃やしたいものだけを燃やす炎がある。それは魔法だけの特別な炎だ。温度も範囲も、燃やすものまで思いのまま。


 ダラダラと汗を流す私の敵たち。彼らは魔法がなければ一般人と変わらない。でも、騎士がこれってまずくない?まあ、剣が使えたとしても獣人であるリリの敵じゃないけど。


「目障りだから、そのご自慢の赤い髪ごと燃やしてあげる」


「熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!」

「うわあああああ?!」

「ぎゃあああああああ!!」


 メイド長に加担しなかった騎士達が、武器を捨てて両手を上げる。彼らは降伏したということか。信用してないらしくリリが武器を遠くへ蹴り飛ばし捕縛した。流石できるメイドさん。

 メイド長と攻撃しようとした騎士達は体中の毛と皮膚を燃やされ、悲鳴を上げて床を転げ回っている。


「謀反の現行犯として貴様らを逮捕する!!」


 隠れていた騎士団長がメイド長を取り押さえた。


「それだけではありませんわ!!メイド長が使っているのは公爵夫人の執務室と伺いましたが、高価な宝飾がたくさんございました。明らかにメイド長の給金で購入できるようなものではない品も多数ございました!」


 ララとアリス、ポッポちゃんが現れた。ポッポちゃんにはあらかじめメイド長を見張ってもらっていた。調査の結果は真っ黒。


「は〜い、こちら帳簿で〜す」


「!!そ、それは……」


「こちらが本来の帳簿で、こちら裏帳簿になるっす!」


 メイド長が完全に青ざめた。そう、彼らはこのために別行動してもらっていたのだ。


「え?裏帳簿?」


「そうっす!この女、屋敷のお金どころかお嬢様のお金まで横領してたっすよ!」


「さらには、今は亡き公爵夫人の宝飾にまで手を付けておりました。こちら、盗品売買の書類です。あ、ちゃあんとそちらの財布から買い戻しておきました」


 ポッポちゃんが『どうです?私超絶優秀ですよね??』と目でうざいぐらい訴えてきおる。ウインクしまくるなアピるなうざい。

 まあ、うん。ハイハイ優秀優秀。後で小鳥になったら大好きな豆たくさんあげて褒めてやるわ。


「くるっぽー!ポッポッポ〜!!鳩最高!FOO!!」


 コイツ本当に鳩頭が本性なんだなと思うが、周囲から白い目で見られてるし落ち着けいきなり小躍りするな馬鹿野郎。

 私の心が通じたらしくいきなりスンとなるポッポちゃん。珍しくあからさまにドン引きしているリリが印象的でした。



 「危ない!我が主いいいいいいい!!」


 ポッポちゃんに気を取られた一瞬の油断をついて私に襲いかかろうとしたメイド長が吹き飛ばされた。


「ベン?!」


 お前、なんでここに?!


「兄様!人様のおうちの窓を破壊するとかどういう………あっ、ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!な、なんとか弁償します!!」


 金髪金眼の美少年が窓から入ってきた。


「あ〜も〜!!君達だから討伐に行けってのもおおおおおおお!!」


「パパ様?!」


 え、どゆこと???場は一気にカオスとなった。

 すいません。こっから長くなるので続きは次回でございます。


 ついに明かされたポッポちゃんの生態。

 ポッポちゃんは豆が好き。それも一仕事終えたとき勇者にもらえる豆が最高のご褒美。塩ゆでもいいが生でもいける。一粒でもごちそうだけどたくさんだとなお幸せ。神に取られないよう威嚇しつつひと粒ひと粒味わって食べます。

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― 新着の感想 ―
えっと,あの、責任とってもらえるなら、他作品ですが、 「シーザくんをください!」m(_ _)m(土下座も厭わん) 力持ちで可愛くって強強で空も飛べるケットシーという、猫好き垂涎ものの勇者様をどうか,い…
明、様のあとがきに全て持ってかれました。 ……そうか、そんなに嬉しいのね…たんとお食べ。 ルビーたんならたくさんご褒美に鳩豆?くれるはずだよ? (この辺りもなんか飢えてる人にあったらおなかいっぱいご馳…
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