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拝啓、悲劇的で素晴らしいゲームのシナリオライター様。私が平凡でつまらない物語に改悪してみせます。  作者: 明。


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第21話 オマケもこんがり焼いてみた

 副団長を牢屋にぶちこもうと思ったが、気が変わった。


「やっぱり吊るそう」


「いいアイデアですね!」

「なるほど!流石はお嬢様!!」

「うい〜っす。目立つとこがいいですよね」


 獣人組はイエスマンしかおらんのか……?理由すら聞かずに肯定してくるんだが。


「お嬢様」


「料理長」


 よかった、流石に止めて……。


「吊るすなんて生ぬるい!逆さ吊りにして市中引き回しにしたらどうです?!」


 止めてくれないばかりか全員アクセル全開だと……?


「待て、どうせなら「はーい!一応理由があって吊るすの!拷問とか見せしめの意図は(ちょっとしか)ないから!」」


 じいも激おこ。

 団長……もう顔見ただけでわかる。キレてる。


「ララ、アリス。あなたたちにお仕事よ」


「承知しました」

「はいはいっと」


「ポッポちゃん」

「ここに」


「近い!!」

「ハットトリック!!」


 思わずローキックしたら吹っ飛んだ。いや、近すぎたからつい。そしてやはり身体能力がおかしいのなんで?まあいい。それは後で考えよう。


「ララ、アリス、この人も連れて行って」


「承知しました」

「誰っすか?つーか…、いつからいたんすか?!このヒト!気配なかったっすよ?!」


「私の味方よ」


 それで納得していただいた。説明できないんだ。許せ。



 今回ポッポちゃんは白銀の髪に白いスーツの美人になっていた。最初からそのカッコならよかったのに。


「この姿で美しい赤毛ですと……勇者様が私を好きになってしまいますからね」 


 ならんわと言いたいところだが、まあそういう人が昔いたのだろう。だとしてもあの変態鳩マスクルックはいただけない。


「……私を作った神が悪いかと。私もアレが生まれた時の姿なのであまり否定されると地味に傷つくんですけどね。まあ、最近は嫌がられたりするのがむしろ快感なのでいいんですけど」


 一瞬悪かったかなと思った私の優しさを返せ馬鹿野郎。


 性格と性癖に難があるものの、ポッポちゃんはマジで優秀だ。なにせ、誰にも見られず監視ができるのだ。さらに人の心も読めるし。私と視覚や感覚の共有もできるし。


「いやあ、そんなに褒められたら照れてしまいます」


「褒めとらんわ」


 しまった、つい声が……。

 ちなみにポッポちゃん達は私が指示した場所に移動しておりこの場には居ない。全て脳内会話である。


「お嬢様?」


「な、なんでもない」


 3人が指示した位置についたのを確認。さあ、作戦開始だ!!


「せいぜいいい声で鳴いて、なるべく早く呼び寄せてよね!」


「ヒッやめ、やめてください!わ、私が悪かったですから!」


 逆さ吊りだときついだろうから簀巻き………うぉおい?!だれだ亀甲縛りなんてマニアックな縛り方したやつ!!


「うふふふふふふふふ」


「リリ?!」


「うふふふふふふふふ」




 あ、キレてる。目がヤバい。




 先ほどの話で誰よりキレていたのだろう。誰も止められず、哀れな副団長は亀甲縛りで吊り下げられた。私の指示だと思われないといいけど………(白目)

 亀甲縛りは私の指示ではない!!吊るせとは言った!!


「た、助けてくれえええ!!」


 う〜ん、副団長いい声で鳴きよるわ。


「うふふふ、どの口がそんな事を言いやがりますの?トイレ掃除専用雑巾汁を食らいやがれですわ」


 リリが臭そうな雑巾を全力で絞り副団長に絞り汁をしたたらせる。陰湿だが大ダメージ。二度と毛が生えないようにと念入りに皮膚ごと焼いたから、火傷にしみるだろうな……。


「ギャーーーー!?や、やめろ!奴隷の分際で貴族にこんなことをしていいと思っているのか?!」


「これに関しては私が許可する。お前、私に何言ったっけか?許してほしければこのぐらいの嫌がらせ、受け入れなさいよ。口に体液に触れると死ぬほどかぶれる虫をたくさん突っ込むとかしてないだけよくない?もっとやられたくなければ本気を出して泣き叫びなさいよ。私もこんなことしたくないの。でも叫ばないなら……仕方ないわよね」


「た、助けてくれえええええええ!!!誰か!誰かいないのか!!!助けてーーー!!だれかああああ!!うおおおおおおおおお!!」


 副団長が本気で泣き叫び始める。うんうん、皆気がつき始めたな。メイド達も真っ青でこっちを見てる。魔法騎士団が駆けつけた。


「お嬢様、何をしているのです?!」

「副団長!今お助けします!!」


 そうは問屋が卸さない。


「イフリート」


「はいよ」


 炎により魔法騎士たちはコチラに近づく事もできない。


「な、なんだこの炎!」

「嘘だろ、騎士服が焼け焦げて……炎が消えない?!何だこの炎…!ありえない!!」


「情けないわねぇ、魔力コントロールがなってないわ」


 私の炎を消そうとする騎士達。だが、そう簡単には消えませ〜ん!私、魔力強いからね!!私から炎のコントロールを奪って消せるのはパパ様ぐらいじゃないかな。でも今はいないから無理だね〜!残念!!


「た、助けてくれぇ!」


 フレア公爵家の騎士は大まかに分けて2つに分かれている。討伐なんかに行く平民メインの実働部隊と、貴族からなる魔法騎士部隊。居残り組は後者である。

 そして、私に地味な嫌がらせをして嫌がったのも後者である。ついでだから貴様らもちょっとこんがりしてやるわ!


「ぎゃーーーー?!」

「た、助けてぇ!」

「ママーーー!!!」


「おーほほほほほほ!泣け!喚け!お前ら散々私のこと色が薄いだの魔力コントロール下手だと言ってくれたわね!マトモな教師がつけばこの通りよ!炎のコントロールも奪えない愚か者共め!騎士のくせに戦闘訓練もろくにしてない公爵令嬢わたしにボロ負けするとか無能にもほどがあるわ!修行し直せバーーーカ!!」


「…………訓練、見直そうかな……」


 騎士団長が遠い目をしていた。まあ、貴族メインの近衛騎士達は副団長の管轄だったからね。団長はちゃんとしてたよ。実働部隊の方は結構私に優しかったし。ちょっと荒っぽかったけど。


「あ、あなた?!」


 ついにメイド長が気がついてくれた。待ってたよ、本日のメインディッシュさん!!

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― 新着の感想 ―
>「この姿で美しい赤毛ですと……勇者様が私を好きになってしまいますからね」  >ならんわと言いたいところだが、まあそういう人が昔いたのだろう。 …全勇者様たちが全力で首振ってる様子が目に浮かびましたが…
ムサイ筋肉オヤジ(騎士)を亀甲縛りにして誰が徳をするのでしょうか? あの縛り方って、後ろ手に縛って、股を開いた状態で固定するのですよ。 服を着た状態だと抜け出しやすいので全裸にしなければならず、縛る手…
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