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俺の日常に非がついた  作者: 月夜悠唯
2/2

返事

まだ誕生日がきてないからこの16年間。

告白されたことも、したこともなかった俺が目の前のお金持ちで、気が強くて、よく見ると顔も可愛くて。

ヤンキーという点を除けば文句がなかった。

そしてさっきまでヤンキーぽかった態度が一転、

『駄目…ですか?』

上目遣いで、可愛らしい仕草で敬語。

喉から出る寸前だった“よろしくお願いします”の言葉を引っ込め違う言葉を出す。

「ほんとに俺でいいの?」

そう、聞いてみた。

「だって俺は見ての通り根暗で、さっき見たいに虐められてて、おまけに貧乏だし……あの理由だけで付き合うのは釣り合わないかなって…」

『ぅ………っ……』

「え?」

とても小さな声だった。

だから思わず聞き返したのだが。

『嬉しかったの!』

「うわぁ!」

いきなり大きな声出すからビビった…。

『私は小さい時から褒められたり励まされたことがなかった。

勉強とかスポーツとか出来ても親は毎日仕事でいないし…か思ったら死んじゃうし…周りの人からも…遠ざけられていたし…。

そんな思いが積もってるとき生まれてはじめて人から“頑張って”って言われた……。

他の……普通の人からしたらなんにもないことかもしれないけど…私からしたらそれに救われた気がしたの。

だんだん自信もついてきてどんどん上手くいって…。

そして思ったの……あの人に会いたい、恩返しがしたいって。

その思いがだんだん強くなっていつしか好きになったの…。

そこから私は男の人はどんな人が好きなのか、性格はどういうのがいいのかを調べた。

強い人、強気の人、ギャル……それで辿り着いたのがこのスタンス…。

後はこの財力を使って……』

あっれれ〜?おっかしいぞ〜?

前半はいい話だなと思ってたら後半重いぞ〜?

最後財力とか言ってたし……。

…でも話を聞いててわかった。

この子は怖くなんかない。むしろ心が強くて優しい。

…なんか違う感情も強いけど。

それに…

「俺も……俺も誰かにちゃんと必要とされたことがなかったから嬉しいよ」

『!!。てことは…!』

俺はスッと右手を前に出す

「こんな俺で良ければ…よろしくお願いします」

『こちらこそ!』

そして彼女は俺の右手を強く握り返した。

……ギュッ

「痛だだっ!!」

俺は痛さのあまり手を離して仰向けに倒れた。

『す、すいません…嬉しくつい……なんで笑ってるんですか?』

俺は右手を押さえながら笑っていた。

「いや…。なんか俺青春してんな…みたいな?」

『なんですかそれ?あははっ!』

俺も…皆と同じ日常に入れたかな…。

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