展開が早い
間違いがあれば指摘してほしいです。
キーンコーンカーンコーン。
〔おっ鳴ったな。じゃあ今日はここまで。ここ覚えておけよ。
それじゃあ気をつけて帰るように〕
授業が終わる。
〚あー終わったー〛〚なぁー帰って何する?〛〚ん?俺は寝る〛〚いやはえーな〛〚どうする?もうそろ高2だよ?〛〚どうだろうと変わんねぇーよ〛〚確かにw〛
仲良しのグープで話し、帰る。
これが普通の人の日常。
授業が終わると仲のいい人と帰る。
だけど、僕の場合…見た目がパッとしなく、暗い。
そのせいで友達ができず毎日一人で歩いて帰っている。
おまけに貧乏で小さい頃に父さんが他界し母さん一人。
これほど虐められる条件に当てはまっている人など居なく、ある日の帰り道。
[よぉ]
っと数人の男に絡まれた。
要件は[金やるから俺らのサンドバックになれ]とのことだ。
ちなみにこいつ等は俺の同級生で、俺の素性を知っている。
だからこいつ等はお金で俺を釣り、チクられたら[こいつ(俺)の任意]という口実で逃げられるようにしている。
そして俺はその誘いを受けた。
俺はここまで育ててくれた母さんに少しでも恩返しがしたかった。
そして狭い、人気のない路地で、
[…ふぅ〜。まぁこんなもんか]
〚んあ〜!スッキリした~!〛〚え〜っと…。あっ一万札無かったわw。…千円札十枚でいいか。ほら、手ぇ出して〛
“……クシャ”
俺は無言で一万を受けった。
[あっわかってるだろうけど]
そうしてそいつは俺のもとまで近づき
[これ…誰かに言ったら…わかってるよな?]
っと目を見開き圧をかけてくる。
その返事のかわりに俺は、
「コクッ…コクッ…」っと頷いた。
すると、
[分かればいいんだよ。
それと…俺らも鬼じゃねぇ。毎週金曜…この日お前はここにいろ]
っと言って俺に背を向けた。
取り巻き共は、
〚やっぱ優しーね〛〚ってか俺も毎日は予定空いてないわw〛
[じゃあこれからもよろしく〜]
これが俺の高1の時の日常。
けど高2からは違った。
あの子が現れるまでは
〚なぁ聞いたか?今年の一年〛〚聞いた聞いた!なんかすっごい強いんだっけ?〛〚そう。空手でなんかの一位取ったとか〛〚凄〜。あとは〜?〛〚えっと…ヤンキーギャル?で髪が金髪でめっちゃ怖いって聞いた〛〚あはは、それ誤情報じゃないの?wまぁ居たら居たで面白いけどw〛〚確かにw。あと話変わるけどさ…〛
そんなやり取りを俺は聞いて、
「(絶対いじめに加担するじゃん。もうあの話断ろ…)」
そんな情報を鵜呑みにしたまま時間は過ぎ、金曜の放課後。
いつもの場所に早めに来ていた俺は、
「断る。断る。断る………よし!シュミレーションOK。
これであいつ等がヤンキーギャルと手を組む前に俺は帰るんだ!」
そう意気込み、準備万端っと思った時。
[おっいた、今日はなんか早いな]
奴等が来た。
俺は、「あの…」っと声を出したとき、違和感を感じた。
いつもは三人…だが今日は四人…これが意味するのは、
[今日は朗報だ。お前も聞いたんじゃねぇか?一年のこと。
今日から暇な時こいつも来るらしいから宜しくな]
そう言われたが何も耳に入らなかった。
だって俺は気づいた瞬間、
「(っざけんなよ!なんで今日に限って…どうする…どうすれば正解なんだ…)」
っと一人の世界に入っていた。
っが、虚しくも話は進んでいき、
[じゃあ最初はレディーファーストで、]
っと、とうとうこの時が来る!っと思い目を瞑り、来る衝撃に備えた。
だが、そんな時、『こいつは私が買う』っという言葉だった。
これには他三人も、はっ?ってなっていた。勿論俺も。
『聞こえなかった?こいつは私が“買う”って言ってんの。
わかる?それともなに?やりあいたい?』
そしてシュッシュッと軽くジャブをする。
[いや…あの〜…え?]
『はぁー…あんた脳みそ入ってる?取り敢えず百万で買う』
「ひゃっ百…」
その額に俺はまた驚いた。勿論あいつ等も。
[え?…は?…え…]
『分かったらとっととどいて。お金は今度渡すから』
[〚〚は、はい!!!〛〛]
『よし、行こう』
「えっ…あっ…どこへ?」
『私の家』
「あの〜僕に断るという選択肢は……」
『ないね』
「はは…ですよねー」
そして俺は手を掴まれ、ヤンキーギャルの家に行くことになった。
その後、右へ左へ連れられ、俺はとある一軒家の前にいた。
チラッと横を見ると何やら高級そうな車が。
「(うわー。絶対カツアゲして買った車やん)」
今なら逃げられるかも…そう思い俺は少しずつ…少しずつ下がろうとして、
『行くよ』
「あ〜(泣)」
グイッと引っぱられて失敗した。
『ここでちょっと待ってて』
そう言われ俺は待合室みたいな場所で留まるよう言われた。
俺はもう諦め、待合室の中を見渡していた。
周りには空手で取ったであろうトロフィーや、高そうな絵、棚に置いてある写真などが飾られていた。
「お?」
そうして見ていくうちに俺は一つの写真に目が留まった。
それは多分彼女が小さい頃の写真。
まだ髪は染めておらず黒髪、言い方は悪いけど地味な格好。
そして俺は思った。
「この子…何処かで俺と会った…気がする」
何処でだ…何処で会ったんだ?
思い出せ〜。思い出せ〜!
あれは…小学校での帰り道で雨の日にブランコで泣いている女の子がいて…。
そこで段々と思い出してくる。
数年前_
ザーー
「うわー。降ってきた。畜生!(俺の)天気予報では99.9%晴れだったのに、0.1%に負けた!!」
そんな馬鹿みたいな事を言いつつ走っていく俺。
その時視界の端にブランコに傘もささないで乗っている自分と同じくらいの年の女の子。
俺は、
「(これは…喋ったらそこから仲良くなってゴールインするラノベ展開では!?)」
と思いつつ、外は平然としながら女の子に話しかけた。
「あ、あの…大丈夫?」
『………』
「おっ、おーい?」
『…あっ。ごめんなさい。少し考えてて』
「(これは…チャンス!)
なんか悩んでるんなら聞くよ?」
『うん…』
そう言い少し間が空いてから、
『…あのね、私ね、実はあることを失敗しちゃって、それがすっごく大切なもので…、それで、もういいや〜ってなってるんだ』
「(なんか学校のテストっぽいな〜。お母さんに怒られるとかかな?)
う〜ん。俺には何を失敗したかわからないけどまだ時間はあるよ。今回の失敗をバネにして次にやるときに失敗しなければいいと思うな」
これは俺の思ったことをそのまま言っただけだった。
すると女の子は暗い顔から見る見る明るくなり、
『ありがとう!私頑張ってみる!!』
ただ俺は思ったことを言っただけなので、
「う、うん…頑張ってね」
『うん!今度こそ成功させられるように頑張る!』
っと意気込んでブランコから立ち上がり、何処かに行ってしまった。
「これは…(ラノベ展開は)ないな」
今現在_
そうだ。あの時は小5でラノベ展開が起きなかったからそのまま忘れてたけどよく見れば確かにあの子だ。
そう思い出し終わった時。
『その様子じゃあもう全部わかったみたいだね』
「え?じ、じゃあ本当にあの時の」
『そう。あの時空手の大会で県大会準優勝で『これじゃあ死んだお父さんお母さんに顔を見せれない』って落ち込んでて…その時君が励ましてくれたんだ』
「(え?県体?テストじゃなくて?規模違うんだけど…ってか)
両親…居ないの?」
『うん…ずっと一人暮らし』
「え?…じゃあ…この絵画とかは?」
『あーお父さんとお母さんが残したもの…かな?』
「お金はどうしてるの?」
『お金は二人が残してくれた1000億円と大会の賞金で過ごしてるかな』
「……………ちなみにお二人の職業は?」
『医者だったっけな?滅茶苦茶上手だったんだ〜』
俺は土下座し、
「貴方様は僕をどうするのですか?」
そういった。そしたら、
『やめてやめて!先輩なのに土下座なんて!顔を上げて!』
そう言われたので恐る恐る顔を上げて、
「僕を呼んだ理由をお聞かせください」
『敬語も駄目!』
「僕を呼んだ理由を聞かせて…クダサイ」
『……ジロリ』
「理由を聞かせて」
『宜しい。これからはタメ口で喋ってね』
「善処します」
『…もういいや。えっと…呼んだ理由は…先輩…あの時会った日から好きでした。私と…付き合ってください!!!』