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あなたの名前は
【城の中】
「………うっ」
少女は目を覚ました。
「…あっ!!大丈夫??」
「……ここ…どこ?」
「ここはお城の中だから、安心して。あたしは、シロネだよ!」
「姫様 。“あたし”では無く“わたくし”ですぞ」
「…むむっ。コホン。わ…わたくしはシロネですぞ。」
↑何かちがう。
「ね!あなたの名前は?」
「…………。」
「…………?」
「…わからない」
「……なんで?」
シロネは、困惑してオルタナを振り返って見た。
「恐らく…記憶を失っています…だから、名前を思い出せないのでしょう」
「…じゃあ、シロネがあなたの名前つけてあげる!!」
「…え?」 「ひ…姫様?」
シロネは、少女の三日月のペンダントを見た。
「へぇー?あなたもあたしと同じペンダント持ってるね――ほらっ」
「えっ……?」
シロネは自分の三日月のペンダントを少女へ見せた。
「………!?(何故…この少女が姫様と同じペンダントを――?)」
「…決めた!! あなたの名前は、流月」
「るつき……??」
「そう…!! 流れるお月さま。 ルツキだよ!!」