不穏な足音
今から10年前。
1つの村が、何者かに襲撃された。
村は燃え上がり、殆どの住民は殺された…。
「……ママ!!」
「…何してるの!!…早く逃げなさい!!」
「…ママと一緒じゃなきゃ、イヤだ!!」
黒ずくめの男達が、母親と少女のすぐ傍まで来ていた…。
「(ここは危険だわ…逃げるわよ!!)」
母親は少女の手を引き、村の外れへ逃げた。
そこは…行き止まりの崖だった。
「此方にも2人居たぞ!!」
「(ハッ…しまった!?)」
「命令だ――2人とも始末しろ」
母親は、少女を抱き締め…三日月のネックレスを少女の首に掛けた。
「…ママ?」
「…大丈夫よ…私が死んでも 貴女には家族が居るから―――」
「えっ―――?」
神様…どうか、この子の命だけはお助け下さい…!!
「……ごめんね――」
ここは私が食い止める!!
だから...貴女だけでも、どうか生き延びなさい―――。
―――ドンッ!!!!!
母親は、少女を崖から突き飛ばした!!
「いゃぁぁぁぁ―――!!!!」
少女は村の遥か下にある、深い森の中へと落ちていった…。
「…………ハッ!?!?」
流月は目を覚ました。
まだ夜は明けていない…。
「(…何だ…夢か―――)」
「お姉ちゃん…なの…ぐー…」
流月は、隣でぐっすり眠っている真依と芽依の寝顔を見た。(芽依は真依にしがみついている)
“貴女には 家族が居るから―――”
「クスッ…(良いな――私にもこんな家族が……)」
―――ギッ――ギシッ。
「………!?」
微かだが、怪しげな音が聞こえた…。
「(まさか……泥棒?)」
流月は、真依と芽依を起こさない様に、そーっと部屋を出た。




