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森の中で
【森の中】
「…シロネ様、そろそろ城へ帰りましょう」
「…イ・ヤ・だ!!」
シロネは頬っぺたを、ぷぅ~!!と膨らませた。
「はぁ~……(深い溜め息)」
妹のクロネが、シロネのプリンを勝手に食べたからと喧嘩して、城を飛び出したシロネ。
いつまでも帰って来ないシロネを心配して“じぃじ”と呼ばれてる家臣・オルタナが迎えに来た。
「(王女とは言え…まだまだ子供ですなぁ)」
「……じぃじ!!」
「……は…はいっ!?(ギクッ)」
2人は、血塗れでぐったり倒れている少女を発見した。
「…じぃじ、助けなきゃ!!」
「…シロネ様!?」
シロネは“魔法”が使える。
しかし…幼いシロネはまだ力を上手く使いこなせておらず、体力も激減する。
「駄目です――シロネ様!!」
「でも――早く助けないと間に合わないから!!」
オルタナの制止も聞かず、シロネは目を閉じ 冷たくなった少女の手を握り締めた……すると。
―――パァァァァッ…!!!!
「…………!!」
少女の身体とシロネは、聖なる光に包まれた。
「お願い…どうかこの子を助けて――!!」