クロウスの兄
【アレク家 客間】
「お久しぶりです、坊ちゃま…」
「アレク先生…その呼び方は、もう――」
アレクは「ホッホッホ」と嬉しそうに笑った。
「…そうでしたな。では、クロウス王子とお呼び致しましょう」
「はい……」
「(いつもクールなクロ兄が…こんな表情見せるなんて―――)」
アンズは2人のやり取りを見て、クロウスがアレクの事をとても信頼・尊敬していると感じた。
「さて……ここへ参られたと言う事は、お父上、ルファウス様の件ですな?」
「………!!」
用件を話さなくても、アレクは全てお見通し…と言う感じだった。
クロウスは、「はい」と頷いた。
「私達は父の変貌を止める為、怪しい男や10年前の事件について、今調べている所です……アレク先生は何か分かりましたか?」
「フム…その事なのですが――」
アレクは、言葉を詰まらせた……。
「………先生?」
「…王子、この先の話は貴方を傷付けてしまうかも知れませぬ……」
「それでも構いません……覚悟は出来ています。全て話して下さい!!」
「分かりました――では……」
アレクはお茶を一口飲み、一息ついた。
「クロウス王子……貴方には、血の繋がりはありませんが、お兄様が居ます」
「えっ……?」
「………!!」
クロウスは、自分はずっと独りっ子だと思っていた。
父・ルファウスや、城の者達からも「兄弟は居ない」と言われて育って来たのだ。
…しかし―――。
「お兄様の名は…ルシウス様。実年齢は不詳ですが、現在25才前後かと思われます。行方不明若しくは亡くなったと言われていましたが、彼は無事に生きていたのです」
「兄は…今何処で、何をしているのですか?」
アレクの顔が曇った―――。
「アレク先生―――?」
「その…ルシウス様こそ――ルファウス様を闇へ陥れた者なのです」
「…………!?!?」




