ぼくときみの子供をふたりで大事に育てようね!
ぼくたちは、結婚して8年目にして念願の子供を授かる。
子供は、女の子だ。
かわいい可愛い女の子。
鼻は妻に似ているが目元や輪郭は、ぼくそっくり。
女の子は、“パパ似”と聞いた事があるが、まさにその通りだと思った。
僕と妻の出逢いは、10年前に職場で初めて出逢い、お互い惹かれ合った。
いつまでも、ぼくたちは“恋人同士”だと思っていた。
ぼくは、妻を下の名前で“志歩ちゃん”と呼んでいる。
妻もぼくを、“ひさ”と呼んでくれていた。
ぼくたちは、子供がいなくても幸せだと思っていた。
・・・でも?
妻は違っていたのだろう。
ウチの母親や妻の両親からのプレッシャーが凄くかかっていたんだと思う。
結婚して8年も経つというのに、子供を授からないプレッシャー。
男のぼくには、よく分からないのだけど?
今は妻も、少しプレッシャーから解放されたらしい。
妻も友達と久々に会うと、“子供の事がよく話題になっていた”
妻の友達は、既に結婚して子供ができており、子供の話か旦那の愚痴
になるそうだ。
結婚して8年、子供がデキないのは? 妻が原因なのか? ぼくなのか?
だから、妊活にもふたりで励み、頑張って乗り越えてきた。
お互いを想い合い、助け合い、支え合ってきた。
そして! 遂に二人の子供を授かる。
子供がデキるまでは? 二人の時間を大事にしてきた。
ぼくが休日の日には? 二人で何処かに行く事が多かったし。
まるで、付き合い初めのカップルのような生活を送っていた。
・・・でも?
子供がデキると? 妻は、子供につききりになり。
ぼくも、子供の世話をした。
ふたりの子供なのだから、どちらか片方が子育てをする必要はない!
ただ男のぼくは、子供が何で泣いているのか? 良く分からないし。
それに、子供ができると? 妻はぼくを“パパ”と呼ぶようになった。
ぼくも自然と、妻を“ママ”と呼ぶようになる。
ぼくたち夫婦の関係が、子供ができた事で変わってしまう不安があった。
それでも、子供はスクスクと成長していく。
ぼくは、妻に聞いてみた。
『なあ、ママ?』
『うん? どうしたのパパ?』
『この子ができてから、ぼくたちの関係は変わってしまったと思わないか?』
『うーん、そうかもしれないわね。』
『・・・し、志歩ちゃんは? 子供ができて良かった?』
『何よ! 急に!』
『・・・い、いや? ぼくたちは、この子がいても昔のような恋人同士の関係
でいられるのかなと思っただけだよ。』
『そうね! でも、今度はこの子がわたしたちを“パパとママ”にさせてくれ
ると思ったら? 嬉しくならない?』
『えぇ!?』
『第二章が始まったと思えばいいのよ。』
『・・・第二章?』
『家族が増えるって、そういう事なんじゃないの!』
『そうだね! ぼくたちの大事なこの子が、ぼくたちを“親”にさせてくれる
んだよな!』
『うん。』
ぼくたちは、相変わらずふたりで子育てを楽しみながらバタバタ奮闘して
頑張っている。
『ねえ、パパ! あの子のおむつ交換してくれた?』
『あぁ、ごめん! 直ぐに交換するよ。』
『ママ! 何で、この子泣いてるの?』
『お腹空いたのよ! ミルク作ってあげて! 人肌にね!』
『了解!』
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