あとがき。※読まなくても大丈夫です。
※この話は蛇足や補足なので、先に本編を読んでから読むことをお勧めします。
父親が不明で、一人で子育てをする母親が薬物中毒になり、育児放棄を受け、児童養護施設に入ることとなった主人公サンディが、養子になった家の義兄ディアンに恋をして、彼の唯一無二になる話でした。
サンディの名前は、シンデレラのフランス語、サンドリヨンから。ディアンの名前は、英語の愛しい人から取りました。わかり易いですね。
ネグレクトに薬物中毒の親、孤児、虐め、里子ビジネスと、なかなかにダークな設定を盛り込みましたが、如何でしたでしょうか?
外国での里子ビジネスと呼ばれる養子縁組は、新しい形体の合法的な人身売買だと揶揄される側面を持っています。
作中でもありましたが、孤児達の容姿、学力、才能などをオーディションして、里親達は寄付金という形で報酬を払い、彼らを引き取ります。
そして、里親の中には引き取った子供達へと非人道的に接して、虐待や奴隷扱い、人権を無視をすると言ったような犯罪を行う人もいたりします。
そんな人物には里親を任せなければいいと思うかもしれませんが、国や地域を跨いで遠距離での養子縁組で調査が不充分で、危険人物に子供を引き渡してしまい、残念なことが起こってしまった例もたくさんあります。
そう言ったことも含め、あくまでも里親が支払うのは寄付金という名目なので、里親ビジネスが合法的な人身売買だと揶揄されるワケです。
怖い話ですよね――――
※ハッピーエンドで終わったと思う方は、ここから先は読まないでください。
※ホラーとしての補足情報がほしいという方は、読み進めてください。
※メリバ、または人によっては胸糞に感じるオチです。ご了承ください。
作中に出て来た、ディアンがサンディへ贈った花の、故意に伏せていた花言葉です。
白薔薇の花言葉……『純潔』、『わたしはあなたに相応しい』、『あなたはわたしに相応しい』、『心からの尊敬』、『相思相愛』など。
タイムの花言葉……『勇気』、『活力』など。
スノードロップの花言葉……『希望』、『慰め』、『あなたの死を望みます』など。
アイビーの花言葉……『永遠の愛』、『結婚』、『友情』、『不滅』、『誠実』、『死んでも離れない』など。
ラベンダーの花言葉……『沈黙』、『あなたを待っています』、『私に答えてください』、『期待』、『疑惑』など。
※これらの花を誰かに贈るときには、ご注意ください。
さて、勘のいい方なら――――もう、お気付きになったかもしれませんね。
タイトルの通りのオチです。
はい。サンディは、ディアンに『心臓を捧げ』ました。
ディアンの誕生日に――――
ディアンの体質とサンディの体質が一致したので、サンディの心臓をディアンの心臓として移植して二人は『一つに』なりました。
サンディは最初から、そのつもりでディアンの『唯一無二』として、ディアンの家に養子として引き取られました。
一応、ディアンはどうするのかと『サンディに答えを委ねました』が――――
サンディが最期まで『なにも判らないまま』で、手術台に横たわったのか、それとも全てを理解していて、『自ら心臓を差し出した』のかは、ご想像にお任せします。
この話は、『あり得そう』な『現実の淀み』をちょっとずつ汲み上げて、一見綺麗に見えるように騙った闇深い話です。
この話の唯一の救いとしては、ディアンはサンディのことをずっと愛し続けています。これだけは、嘘ではありません。
まぁ、『自分が死ぬ』か『サンディの心臓を貰って生きる』かを、サンディ本人に選ばせたというヤンデレさ加減ではありますが。
また最初から読んでみると、話の印象が変わるかもしれませんね。
以上、『ハートを捧げたシンデレラ』を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
感想はお手柔らかにお願いします。