俺の命は1週間
ある日俺はやっとの思いで外に出ることができた。
長かった、本当に長かった。周りは闇に囲まれ、太陽の光を浴びたことはほとんどなかった。
時々近づいてくるなにかの気配、それは俺の仲間に向かっていた。仲間であったそいつはそれ以来俺の前に姿を見せることはなかった。
さて、どうしようか。特にしたいことが思い浮かばず、すこし上がったところでじっと俺は動けずにいた。あんな最悪な環境にいたからだろうか、背中が裂けるように痛い、体もかなり白かった。こんなにも自分が白かったことに驚きつつも、動けるようになるまでその場でじっと待つことにした。
体の調子が整ったので、とりあえずなにか食べることにした。すっかり周りは明るくなり、気温も上がっているようだった。
こんなに暑い中移動することに腹が立ったが、仕方がなかった。本当になきたくなる。
少し進むと同じ姿をしたやつを見つけることができた。話を聞こうと近づいてみると、そいつは、ないているようだった。「そんなにないてどうした」俺が話しかける、するとそいつは「自分はあと2日しか生きられない、だからないている」確かにそう答えた、そいつは続けてこうも言った「おまえもあと1週間しか生きられないだろ、なかないのか?」
自分の残されている時間が1週間しかないと言われてなかないやつはいるのだろうか、いやいるはずがない。俺も隣で五月蠅く《うるさ》ないているこいつと同じようにないた。すると俺はなにか大切なことを思い出せそうな感覚がした。なんだったかな、絶対に外に出てからしなくてはいけないことだったはずなのに。どうしても思い出すことができなかった。
その時だった、後ろに何かの気配を感じた。この感覚は間違いない、捕まったら生きては帰れないそう思わせるものだった。その気配の持ち主は白の身体から黒色の肌を出し、手と足と思われる部分は合わせて4つしかなかった。異様に大きなそいつはいきなり襲いかかってきた。
俺は突如襲いかかってきた化け物に捕まってしまった。そして小さな入れ物に詰め込まれる。抵抗しようとバタバタ暴れたが効果はなさそうだった。その化け物はケタケタと笑っていた。なんだよ、なにが1週間だ。俺はその場でなくことしかできなかった。そして俺が最後に感じたのは、まだ生きられたはずなのに、、、そんな強い憎しみだった。
暑い、今年の夏は去年よりも暑く感じる。庭から「捕まえた」と首から下げた虫かごを元気に揺らしながら6歳になる弟が話しかけてきた。こんなに暑い中よくやるなと感心しながら私は「どれどれー、お兄ちゃんに見せてごらん」と大げさに返事をしながら虫かごの中をのぞく。
「なんだよ、もう死んでるじゃん」
(了)
コロナ自粛の中新しく何かを始めたいと考え、始めたいことの1つとして人生で初めて書いてみました。上手く書こうとして滑ってる感がすごいですが、温かい目で見てもらえるとうれしいです。
あとこれはジャンル何になるんでしょうね(笑)