閑話 5 皇都の人々&運命を変えた男
皇都で大惨事
奔走する人々
ソレは突然やって来た
その日は穏やかで過ごしやすい日だった、この辺りの気候では乾燥して暑い日が多い
だがその日はとても過ごしやすい日だった
なのにソレは瞬く間に皇都を侵略した
・・・・・
「騎士団を至急市内へ向かわせろ!何としても魔物を始末するんだ!」
「同時に市民の救助をしろ!回復魔法が使える者は優先的に市民の救助に当たれ!」
「「「「「了解しました!」」」」
騎士団が大慌てで町へと出て行った
「いったい何が起きてると言うのだ!」
「分かりません、突如町に魔物があふれかえり手の付けようがない状況です、ですが一刻も早く魔物の討伐をしませんと被害が増える一方です」
「近衛騎士団以外を町の防衛に向かわせたので対処が出来ると思います、ですが魔物の正体が分かりません、あのような魔物は見た事がありません」
「騎士団が対処してくれることを祈るばかりか、情けない!」
「皇帝陛下、あまりにも突然だったのです、こんな事は誰にも予測がつきません、陛下のせいではありませんよ」
ドガァ~~~ン!!!
「「「ッ!!!」」」
「陛下御無事ですか!」
「何が起きた!」
「これはこれはどうも初めまして、私ちょっとこの町を滅ぼしに来た者です、いえ、お構いなく、勝手に目的を達成させてもらいますので、貴方がたにはここで死んで貰う事になってますしね、ああ、勿論お手数はおかけしませんとも、すぐに終わらせて差し上げますよ」
(あれはいったい、見ただけで震えが走るほど恐ろしいモノ、私は見てはいけないと思いつつ力を使って見てしまった、あああぁぁ、そんな、アレは人がどうこうできる存在ではない、ベーダー様!助けてくださいませ)
魔人ベラドゥス、4本の禍々しい剣を従え近づいてくるモノ
私はベーダー様から頂いた首飾りを握り祈りを捧げた
・・・・・
「魔物だ~、魔物が出たぞ~、逃げろ~」
「こっちからも来たぞ!戻れ!」
「駄目だ囲まれた、なんだこいつは!どこから出やがった!」
「きゃ~、助けて~」
「ぎゃぁぁ、腕がぁ、俺のうでぇ...」
「ごふっ!...」
GOGEEEEEEE
「終わりじゃ、この世の終わりが来た、ああぁぁ....」
グシャ!
「あっ、あなたは...」
「後は任せなさい」
・・・・・
「隊長!皇都中に魔物が多数出現しています、すでに魔物の数は数十以上確認されてます」
「何が起きている!警備隊は全員対応しろ、俺も出るここは任せるぞ」
「隊長待って下さい、まだ警備隊の人数が集まってません!」
「馬鹿野郎!待ってたら市民が殺されるだろうが!10人単位で編成して順次送り出せ、俺は中央広場付近へ向かう」
「分かりました、隊長ご武運を」
「へっやられるかよ、集まってる野郎ども!出撃だ~」
「「「「「おお~」」」」」
俺達は中央広場へやって来た
「なんだこいつらは!、狼とは違うな4本足で獣のようだが形容しがたい造形だ、野郎ども囲んで対応しろ!、3人以下での対応は死ぬと思え!」
「「「「「了解!」」」」」
俺達は狼の手足が長く目が3つ付いた奇妙な獣型魔物へと戦いを挑んだ
中央広場では市民が逃げまどい魔物の餌食になっている
くそっ!俺達だけじゃとても手が足りん!
しかもなんだこいつは!くっそつえぇじゃねぇか!4人で取り囲んでもそれを物ともせず市民と警備隊を蹴散らしていく、なんだってこんな化け物が居やがるんだ!
「っ!」
ドガァッ!
「ぐはぁっ!」
やべぇ、一撃受けただけでこれかよ!、腕と足の骨がやられたか、内臓もいってるかもしれん
ここまでか!くそったれがぁ!
グシャ!
「...なにがおきた?」
「ご無事ですか?」
・・・・・
私は第二騎士団隊長のチャーチル・レインドルクだ
今町には魔物が突然現れ溢れかえっている
何が起きたのか分からない、だが私の役目は分かっている
目に付いた魔物を倒し市民を守る事だ
「皆の者魔物を討伐し市民を守るのだ!我ら騎士団が魔物に後れを取るなど許されんぞ!」
「「「「「おお!」」」」」
初めて見る魔物が相手だった、4本足の狼に似た魔物、だが狼とは似ても似つかないその異形の姿は吐き気さえする、目も3つ付いており不気味さが更に増す、一刻も早く倒さねば市民が皆食い殺されてしまう
私達は剣と盾を構えて半円の陣で魔物に相対した、魔物の突進はその細身の体からは騒動できないほどの力だった、だがこの程度ならもっと強い魔物はいっぱい居る、徐々に魔物の数を減らして行った
この分なら魔物の討伐は時間の問題だろうと思っていた
だがここで予期せぬ事態が起こった、突如新手の魔物が現れたのだ
二足歩行で両手は異常に発達していて頭が無い!何だこの魔物は!
突如二足歩行の魔物が突撃してきた
「「「ぎゃぁ~!」」」
団員達が吹き飛ばされた!
「なんだこいつは!とんでもない力の持ち主だ!総員散れ、固まってるとまとめて餌食にされるぞ!」
悪夢はこれから始まる所だった
二足歩行の魔物が次々現れたのだ!
それも10数匹だ!くっ1匹でも手に負えないのにこんなに出てくるとは!
一体皇都で何が起きてると言うんだ!
一人また一人と団員達が魔物に吹き飛ばされていく
「隊長お逃げください!こいつらは強すぎます!このままでは持ちこたえられません!」
「馬鹿を言うなここで逃げる事は出来ん!、市民の盾となり守るのが騎士団の務め、その隊長が逃げるなど市民に顔向けできん!」
次の瞬間私の目の前が爆ぜた!
私は吹き飛ばされ壁に叩きつけられた
「この化け物どもが!たとえ死んでもお前らの進行を食い止めてやる!」
私の目の前に二足歩行の魔物が集まってきた
グシャ!
「こ、これはいったい」
「間に合ったようでなにより、総員魔物の殲滅を開始!」
「「「「「リョウカイ シマシタ」」」」」
・・・・
「お邪魔します~」
っ!!!
「誰だ!」
「新手かね?」
「あっベーダー様!」
次話は本編に戻ります~




